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DATE/ 2018.10.25

広まる副業…ネットで「副業」は稼げるのか?

 最近、副業をする人が増えています。副業と言うと、従来はあまりいいイメージがなかったかもしれません。そもそも就業規則で禁止されている職場も多かったのではないでしょうか。しかし、状況は大きく変わりました。平成29年に発表された「働き方改革実行計画」を受け、厚生労働省では、副業・兼業の普及を促進させようとしています。では実際に、どのような副業があるのでしょうか。ここで詳しくみてみましょう。

どのくらいのひとが副業しているのか

 楽天インサイト株式会社は、登録モニターのうち有職者1000をピックアップして調査を行っています。これによると「現在副業している」と回答した人は14.1%、「過去に副業をしたことがある」は16.6%、「副業をしたことがない」は69.3%となっています。つまり現状としては、副業経験者はおよそ3割といったところのようです。

 副業の内容では、「投資(株式、不動産、仮想通貨など)」が13.5%で最も多く、ついで「販売・接客」の9.9%、「不動産運用」が9.2%、「ネットオークション・フリマアプリによる販売」も9.2%です。このあとは、講師(学問・学術系)・塾講師と飲食が5.7%、内職(自宅での軽作業)が5.0%となっています。なるべく短時間でいい仕事や、比較的、特別なスキルを必要としない仕事が多いといえるでしょうか。

副業は「カラダ系」「スキル系」「ネット系」

 副業はメインの仕事を終えたあと、平日の帰宅後や休日に行うことになります。そうなると考えられるのは、空いた時間をフル活用する「カラダ系」か、経験や知識を使う「スキル系」か、ネットの情報を探りながら行う「ネット系」の3種に大別できると思われます。「カラダ系」であれば、コンビニ店員や荷物の仕分け、夜間警備といった体力仕事。「スキル系」はプログラミング、各種インストラクターなどの専門職。「ネット系」はオークションでの売買やインスタグラムを活用するといった方法が考えられます。

 「カラダ系」はもちろん、体力に相当の自信が必要です。また単価がそこまで高くないので、かなりの時間を削られます。ただ、フォークリフト免許など、作業現場で使える資格を持っているといいかもしれません。「スキル系」は、単価は高いですが、それなりの知識と能力が必要です。ファイナンシャルプランナーや、不動産系の資格などは活かせるかもしれません。

ネットで稼ぐ方法

 ということで、資格が不要で時間を有効に使えそうなのが、「ネット系」です。ネット系の副業として考えられるのは、YouTube、ブログ、コンテンツやアプリの販売といったところです。

 YouTubeの広告は1PV(ページビュー)あたり0.1円から0.5円くらいが収益と言われています。計算上10万PVで1万円から5万円といった感じになるのでしょうか。なかなかシビアな感じもします。また、すでにかなりの数の動画が出回っており、特に動物系の映像などは競争が激しいようです。ただ、コンテンツによってはそれなりの需要を発掘できるかもしれません。実務系のソフトなどに関するレクチャー系の動画やゲーム実況もまだまだ人気がありそうです。ただし、レクチャー動画は分かりやすさやポイントや需要を見極めた解説が必要であり、実況の場合はもちろん喋り続けて飽きさせない話術といったものは必要です。

 ブログの場合は、よりシンプルです。記事を書いてアフィリエイト広告を掲載すれば収入になります。もちろんポイントは書く内容。オリジナリティをどう出せるかが鍵です。自分の好きなものについて詳細に言葉にしながら、独自の経験を写真やイラストとともにうまく紹介できるといいのではないでしょうか。たとえば、旅をする人であれば、その土地で経験した一番のポイントといったことまで物語のように記すことが考えられます。また最近では、自分の体験した苦労話を4コマ漫画で伝えてヒットしたといった事例もあります。

 コンテンツやアプリの販売は、ちょっとした技術は必要です。たとえば写真やイラストを販売する方法があります。趣味で普段からこういった技術を磨いている人は発表の場になるかもしれません。ほかにも、Webやデザインのテンプレートをつくる、プログラミングができればアプリを開発して販売するといったことが考えられます。

 ここまで、YouTube、ブログ、コンテンツやアプリ販売の3つを紹介しましたが、やはり、そう簡単ではなさそうです。研究と情熱は必要です。そこまではなぁと思いながらぼんやりネットで検索していると、「1日数分ネットを見るだけで儲かる」や「毎月100万円稼げる方法」といった胡散臭い情報商材を見かけることもあるようです。もちろん、そんな方法はありません。副業は一攫千金の手段ではなく、あくまで本業で得た知識や能力を、より広く活用するための手段ではないでしょうか。つまり副業は、本業で力をつけた人がもっと自由に活躍するための方法といえるかもしれません。

<参考サイト>
・厚生労働省:副業・兼業
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html
・楽天インサイト株式会社:『有職者の約3割が副業経験あり。副業未経験者の約4割が今後副業をする意向』副業に関する調査
https://insight.rakuten.co.jp/report/20180927/

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