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DATE/ 2019.02.24

未来の乗り物「セグウェイ」は今どうなった?

 アメリカ生まれの一人用の立ち乗り電動二輪車「セグウェイ」。

 2001年に“未来の乗り物”と大きな話題をよび、期待されて市場に登場してから約18年が経過しました。日本での活用や普及は、今どうなっているのでしょうか。今回は、“未来の乗り物”「セグウェイ」に注目してみたいと思います。

重心移動で操縦。誰でも簡単に運転できる

 「セグウェイ」は、ジャイロセンサーの働きによって前に体重を移動すると加速し、後ろに体重を移動すると減速、右足に体重を掛けると右折、左足に体重を掛けると左折するといった、重心移動だけの簡単かつ、身体と親和性の高い操縦で可動します。

 2003年には一般向けの販売も始まり、以降約10年間で100,000台超の世界累積販売数をもっており、2019年1月現在、欧米ではイギリスを除く主要国で公道走行が可能となっています。なお、燃料は充電式バッテリーのため排出ガスはゼロ。最高速度は時速20kmです。

 さらに2006年に日本でも発売が開始され、「誰でもすぐ乗れる」「運転が楽しい」「足を踏まれても痛くない」「移動に要する時間や労力を削減できる」「環境にやさしい」などの期待とともに、大きな話題となりました。

法規制×高価格=国内普及に課題あり?

 しかし日本では、道路交通法の制度上公道での使用が基本的に認められていないため、発売当初から私有地や屋内での限定的な使用しかできないという制約がありました。

 そのため、ゴルフ場でのカート代わり、国際空港や大型商業施設での警備用、森林公園での観光ツアーなどといった限定された利用となってしまい、世界市場で累計100,000台超を販売していた同時期にあたる発売開始約10年の2016年頃の販売実績が、約3,000台程度にとどまっています。

 他にも、2018年3月に神奈川県海老名市内に世界最大規模の「セグウェイ」体験テーマパーク、「セグウェイベース」が期間限定でオープンし、約6200平方メートルに上る敷地内のオフロード感のあるコースで「セグウェイ」を楽しむことができると注目を集めていましたが、予定としていた約1年間よりも少し早い同年12月28日で営業終了となるなど、国内での普及や人気には課題があるようです。

 ちなみに、普及に至らない背景には、価格の高さも関係しているかもしれません。「セグウェイ」の本体価格は2006年の国内発売当初で882,500円(税別)、さらに2019年1月現在のオンロードタイプ“PT i2 SEモデル”では925,000円(税別)となっています。

「セグウェイ」の新たなる未来

 今後「セグウェイ」はどのようになっていくのでしょうか。また、国内に普及していくのでしょうか。変化があるとしたら前者は開発者たちの意向やイノベーションにかかわると考えられますが、後者は法整備や環境問題などの外部要因が大きく関係してきそうです。

 外部要因の一つとして、2018年3月に警察庁が歩道に限られていた道路使用許可に関する通達を改正し、車両通行止めの交通規制をした車道でも走れるようになりました。これを受けて同年8月、茨城県つくば市で開催された夏祭り「まつりつくば」のパレードに「セグウェイ」が加わり、実用化に向けた実証実験の一環ではありますが、国内初の車道走行実験が行われました。

 さらに実証実験が進み公道での一般走行が認められるようになれば、誕生時から期待されていた環境問題解決の一助となるかもしれません。特に市街地での活用が求められています。

 また、従来から人気のあった観光地とのコラボとして、鳥取砂丘での体験サービスが登場し注目されるなど、新たな試みも行われています。

 他方、前述した開発者たちの意向やイノベーション、進化し多様化する移動支援産業によって、「セグウェイ」もさらなる進化や変容を遂げるかもしれません。“未来の乗り物”「セグウェイ」の、新たなる未来が気になります。

<参考文献・参考サイト>
・「立ち乗り電動二輪車」、『日本大百科全書』(小学館)
・『世界を変えるマシンをつくれ!』(スティーブ・ケンパー著、日暮雅通訳、インフォバーン)
・『交通問題を解決する』(ダニエル・ギルビン著、岩渕孝監修、ほるぷ出版)
・セグウェイジャパン株式会社
https://segway-japan.net/segway/
(10MTV編集部)