テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2019.06.09

30~40代でお金に困りがちな人の習慣とは?

30代・40代の約2割が貯金ゼロ

 30代・40代の23.1%が貯蓄できておらず、60.5%が貯蓄額100万円以下というリアルな実態が発表されました。これはSMBCコンシューマーファイナンスが全国の30歳から49歳の男女1000人に実施し、今年3月に発表された、「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」の結果です。

 さらに同調査によると、30代・40代の平均貯蓄額は195万円。この数値は数億円レベルの貯蓄があるようなレアケースを含まないよう、上位と下位それぞれ10%の回答を除外して算出する10%調整平均によって出されています。よく見かけるお金のアンケートでは、約500万円とか約600万円とかいわれることもある30代・40代の平均貯蓄額ですが、このような数字が出るのはレアケースも含めて平均値を出しているから。195万円という数字のほうが、より現実的といえるでしょう。

 ところが、仕事をリタイアするまでにあれば安心できる貯蓄額は平均5214万円となっており、平均貯蓄額から大きくかけ離れています。なかなか賃金が上がらない近年、貯蓄を増やすには節約が大切ですが、そもそも30代・40代はどのようなお金の使い方をしているのでしょうか。同調査の結果からさらに探ってみます。

お金が貯まらない人の習慣が見え隠れ

 消費行動の基本的な意識は、「無理をせず、買える範囲で良いものを選びたい」に同意する人が30代で87.8%、40代で89.0%でした。「多少無理しても、良いものにお金をかけたい」に同意する人が30代で48.0%、40代で45.4%であるのに対し、どちらの年代も40%近く高い数値が出ており、堅実な消費を理想としていることがわかります。

 この一方、有職者772人に調査したところ、仕事が終わったあとに寄り道をするいわゆる「フラリーマン」は49.7%と半数近くにのぼりました。さらにこのうちの男性242人に尋ねた結果によると、寄り道したときの平均出費額は月に1万1460円。寄り道先は1位がコンビニ、2位が本屋、3位が居酒屋・バーという結果になりました。

 仮に月20日間勤務して毎日寄り道先で買い物をしたとすれば、1回の出費は573円となります。この金額自体はさほど高くないので、「無理をせず、買える範囲で良いものを選びたい」という消費意識にかなっているでしょう。しかし月に1万1460円の出費を1年間続ければ、寄り道の出費だけで13万7520円にもなります。実はこのような「意識せずに毎日使ってしまっているお金」は「ラテマネー」と呼ばれ、お金が貯まらない習慣の代表格とされています。

収入より支出を意識する習慣を

 ラテマネーはアメリカの資産アドバイザーであるデイヴィッド・バック氏が、著書「The Automatic Millionaire(邦題・自動的に大金持ちになる方法)」で提唱した概念です。「ラテ」はおなじみカフェラテから取ったもの。平日に毎日400円のラテを買っていると、1年間で10万円近い出費になるという考え方です。支払うときは大したことないと思っているラテ代も、意識して節約すればまとまった貯蓄につながり、これが大金持ちへの道になるとバック氏は説いています。

 400円という金額は、フラリーマンが寄り道で使ってしまう金額に近いですよね。「大したことない金額」を「なんとなく」払っている人は実際にたくさんいることがわかります。もちろんラテマネーの「ラテ」は必ずしもカフェラテではなく、人によってさまざま。ラテマネーになりやすいものにはタバコ代、お酒代、ATM手数料、セールで衝動買いした服やバッグなどがあります。また、携帯代を見直して使用量に合ったプランに変更する、ペットボトル飲料は自販機よりもスーパーの安売りで買うなどのように行動を改めることはラテマネー削減につながります。

 貯蓄を増やすには、収入を増やすしかないと思う方も多いでしょう。しかし高収入ではなくても貯蓄できている人はいますし、逆に高収入でもまったく貯蓄がない人もいます。貯蓄できるかは収入よりも支出の問題。ラテマネーを意識して減らしていけば、お金が貯まらない習慣から脱出できるでしょう。

<参考サイト>
・SMBCコンシューマーファイナンス 30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019
http://www.smbc-cf.com/news/datas/chousa_190306.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

失敗から学んだ石田梅岩、独学で教養を高めた少年期の体験

失敗から学んだ石田梅岩、独学で教養を高めた少年期の体験

石田梅岩の心学に学ぶ(2)梅岩の教養を育んだ少年期の体験

江戸の町人の例に漏れず11歳で奉公に出た石田梅岩だが、奉公先の商家の事情から15歳で帰郷する。失敗ともいえるこの体験が梅岩思想に与えた影響は大きいと言う田口氏。郷里へ戻った梅岩が23歳で再び奉公するまでの記録は残って...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/04/15
田口佳史
東洋思想研究家
2

ロボットの「カンブリア爆発」時代へ電動化がもたらすもの

ロボットの「カンブリア爆発」時代へ電動化がもたらすもの

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」

「カーボンニュートラル」に代表されるように、持続可能なエネルギー活用を目指す動きは世界的に加速している。特に東日本大震災以降、日本でもエネルギー問題は課題となっている。では日本は、どのようなエネルギー戦略を構築...
収録日:2024/02/07
追加日:2024/04/13
岡本浩
東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長執行役員最高技術責任者
3

がん治療にも応用、オートファジーによる疾患制御の方向性

がん治療にも応用、オートファジーによる疾患制御の方向性

オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(5)オートファジーと疾患の関係

オートファジーは人間の疾患とどのように関係しているのか。大隅良典氏の研究を皮切りに、急速に発展してきたオートファジー研究だが、その研究成果は医学の分野において、薬剤の開発やがん治療への応用など、新たな手法を生み...
収録日:2023/12/15
追加日:2024/04/14
水島昇
東京大学 大学院医学系研究科・医学部 教授
4

議論で和を実現せよ、怒りと執着を捨て凡夫の自覚を持て

議論で和を実現せよ、怒りと執着を捨て凡夫の自覚を持て

聖徳太子「十七条憲法」を読む(5)条文を読む…和と議論

「議論によって和を実現する」――これは、十七条憲法の条文の中で最も多くかつ非常に重要なこととして第一条、第十条、第十五条、第十七条に記されている内容である。議論を尽くすことにより自ずと立ち上がる道理。また、その前...
収録日:2023/08/24
追加日:2024/01/04
賴住光子
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部倫理学研究室教授
5

なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る

なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る

チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由

「心理的安全性」は近年もっとも注目されるビジネスバズワードの一つともいわれている。その背景には、コロナ禍におけるリモートワークの増大、社会全体が未来予測の難しい「VUCAの時代」に入ったことがある。職場環境が多様に...
収録日:2022/04/26
追加日:2022/07/23
青島未佳
一般社団法人チーム力開発研究所 理事