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DATE/ 2019.08.24

増税後のお得な買い物とは?

 財務省によると、少子高齢化による現役世代への負担減や社会保障財源のため、さらにはここ数十年来の所得税や法人税の不景気の時の税収減少を考慮した安定した税の徴収のためといった理由により、「消費税の引き上げ」すなわち「増税」が叫ばれています。

 消費税は、日本では1989年4月に税率3%で初めて導入され、その後1997年4月に5%に引き上げられ、さらには2014年4月に8%に引き上げられました。そして2017年4月に10%への引き上げが予定されていましたが、世界経済の先行き不安が考慮され、引き上げが延期されていました。

 しかし、2016年9月26日に招集された第192回国会に「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案」が提出され、11月18日に成立し、軽減税率導入にかかわる施行日も2019年10月1日に変更されることとなりました。

 これにより、2019年10月1日から消費税の税率が10%と“増税”の予定となってしまいました。つまり、どうしても“増税前”より“増税後”の買い物は損をしてしまうように思います。とはいえ、“増税後”の日本で生活する限り、増税後のルールに則って買い物をする必要があります。

 そこで今回は、消費税の“増税後”にも使える“お得な買い物の仕方”を考えてみたいと思います。

消費税増税のキーワード“軽減税率”とは?

 まずは消費税増税の際によく聞く、“軽減税率”から整理していきましょう。

 “軽減税率”とは、「政策的目的により税負担を軽くするために、標準税率より低い税率を適用すること」をいいます。ただし、日本で一般的に用いられる場合は「消費税の“軽減税率”」を指すことが多い用語です。

 特に、2019年10月1日から予定されている消費税の10%への引き上げの議論に際し、“軽減税率”≒「消費税の増税に際して、食料品などの生活必需品の税率を下げること」を意図し、用いられる場面が増えています。

 なお,2019年10月1日から予定されている消費税の10%への引き上げに際しては,以下2点の品目が“軽減税率”の適用対象品目となっています。

 1)飲食料品

 “軽減税率”対象品目となる「飲食料品」の要件は、「食品表示法に規定する食品(酒類を除く)」=「人の飲用または食用に供されるもの」をいいます。ただし、外食やケータリング等は、“軽減税率”の対象品目には含まれません。

 なお、おもちゃ付きのお菓子のような「一体資産」は、一体資産のうち税抜価額が1万円以下であって、食品の価額の占める割合が3分の2以上の場合、“軽減税率”対象品目となります。

 2)新聞

 ただし,「新聞」と付けばなんでも対象品目となることはありません。“軽減税率”対象品目となる「新聞」には、「一定の題号を用い、政治・経済・社会・文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもので、定期購読契約に基づくもの」という要件があります。

 以上のような、“軽減税率”が適用される品目に関しては、基本的に“増税後”もお財布に影響はありません。

増税後のお得な買い物・5つのポイント+α

 では“軽減税率”が適用される品目だけでなく、さらなる“増税後”にも使える“お得な買い物の仕方”はあるのでしょうか。以下の5つのポイント+αでまとめてみました。

 1)“軽減税率”対象品目のさらなる割引を狙う

 “軽減税率”対象品目でもあるため、そもそも買いだめの必要はありません。そのうえ、増税後のキャンペーンとして割引や、多品目との還元セールと抱き合わせになる場合も考えられます。ただし、イートインには“軽減税率”は適用されないため、注意が必要です。

 2)「家電全般」の型落ち・中古を狙い下取りを併用

 特に「黒物家電」といわれる、いわゆるテレビ・カメラ・パソコンなどは価格の変動が大きく、また増税後に値下げをする可能性も高い品目です。特に型落ち家電や中古家電は、増税後こそ狙い目です。また下取りサービスの併用も、ぜひ取り入れてみてください。

 3)「マンション」の売買に焦りと無知は禁物

 新築マンションは焦って買うと値下がりの恐れがあります(ただし、購入が決まっている場合に手続きは増税前がベスト)。また、中古マンションは個人間の取引では消費税自体がかからないため、増税で焦る必要はありません。ただし、売主が法人または個人事業主の場合は消費税がかかるなど、詳細はケースによって違うためご注意ください。

 4)“増税後”こそ「政策の動向」に要注意

 政府は「増税後の消費の落ち込み」を危惧しています。そこで「キャッシュレス決済」客へのポイント還元を奨励したり、「プレミアム付き商品券」の発行を決定したりしています。ほかにも増税後にこそお得な情報が出てくる可能性も高いため、ぜひ「政策の動向」にも注目し、積極的に利用してみてほしいと思います。

 5)“増税後”セール&キャンペーンの活用

 政府よりも民間の企業や小売店こそ、増税の影響を心配しているでしょう。そこでセールやキャンペーンが催される可能性が高くなり、それによって“増税前”よりお得な買い物をできる可能性も高くなります。ぜひよく行くお店や気になるお店のチラシやサイトをチェックして、大いに活用してみてください。

 最後に、金融や経済が苦手な人こそ、この機会にぜひ医療費や保険など基本的に課税対象外のものや非課税の品目があること、税率の違いのポイントを押さえて活用するなど、“増税後”だけにこだわらない一生涯活用できる“お得な買い物の仕方”を学んで身に付け、さらにはその知識をアップグレードし続けることをオススメします。それこそが、あなたにとっての真に使える“増税後のお得な買い物の仕方”になるのではないでしょうか。

<参考文献・参考サイト>
・消費税引き上げの理由 : 財務省
https://www.mof.go.jp/faq/seimu/04.htm
・【図解・政治】消費税の歴史(2016年6月):時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_zeisei20160601j-04-w440
・第192回国会における財務省関連法律
https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/192diet/index.htm
・『減税率のしくみと実務がよくわかる本』(白井岳彦著、日経BP社)
・「消費税率の引き上げ時期変更」、『イミダス 2018』(藤岡明房著、集英社)
・「軽減税率」、『日本大百科全書』(矢野武著、小学館)
・「軽減税率」、『イミダス 2018』(小巻泰之著、集英社)
・よくわかる消費税軽減税率制度(令和元年7月)(パンフレット)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0018006-112.pdf
・買いだめすべき商品とは? 消費増税に負けない“お得”な買い物術
https://dot.asahi.com/wa/2018102500005.html?page=1
・消費税率引上げ対応・キャッシュレス推進 - 関東経済産業局 - 経済産業省
https://www.kanto.meti.go.jp/cashless/index.html
(10MTV編集部)

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