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DATE/ 2019.12.02

海外に住む日本人が最も多い国はどこ?

 グローバル化と言われるだけあって、やはり海外で暮らす日本人は増え続けています。では、海外に住む日本人がどのくらいいるかをみなさんは知っていますか。また、海外に住む日本人が最も多い国と都市はどこだかわかりますか。外務省の海外在留邦人数調査統計をもとに、最新の海外在留邦人事情をお伝えします。

海外在留邦人は過去最多、平成で2.3倍増

 2018年10月の推計では、海外在留邦人の総数は、およそ139万人とされています。前年より3万8千人増(2.84パーセント増)で、外務省が統計を開始した昭和43年以降最多となりました。平成元年が58万人ほどだったので、平成の間だけで2.3倍も増加しました。

 海外在留邦人は大きく長期滞在者と永住者に分かれます。これは期限があるかないかの違いです。永住者はその名の通り、その土地に期限なく永住する権利を持っている人のことです。

二大経済大国に40パーセント以上

 統計では、長期滞在者の数は87万人ほどで、在留邦人全体の約63パーセントを占めています。他方、「永住者」は51万人ほど。ちなみにアフガニスタン、イラク及びシリアについては、在留邦人の安全上の理由から公表されておらず、この推計には含まれていません。

 さて、海外在留邦人はどこに一番多くいると思いますか。国別と都市別のベスト5をご紹介します。まずは国別のランキングです。5位はカナダです。数は7万3千人ほどで、全体の約5.2パーセントを占めています。4位はタイ。ほぼカナダと同じくらいで、約7万5千人。それから3位はオーストラリアで約9万8千人。2位は中国で12万人。

 圧倒的なのが1位の米国です。約44万6千人で、全体の32パーセントほどを占めています。世界の二大経済大国に在留邦人の40%以上が暮らしているというわけです。

都市別も1位はアメリカ

 次に都市別です。こちらは1位から発表しましょう。国別のように大きな差はなく僅差で競っています。第1位はやはり米国、ロサンゼルス都市圏に約6万8千人で全体の約4.9パーセント。2位はタイのバンコク、約5万5千人で約3.9パーセント。

 3位はもう一度米国、ニューヨーク都市圏は約4万7千人。4位に中国の上海が入りました。約4万人。5位がシンガポールで約3万6人でした。この5つの都市で在留邦人の約17.9パーセントを占めています。

1位はなぜニューヨークではないのか

 米国に在留邦人がたくさんいることは納得できますが、でもどうしてロサンゼルスが1位なんでしょうか。実はトップは長らくニューヨークでしたが、2000年代からロサンゼルスが急上昇し、2007年に逆転しました。

 ロサンゼルスは歴史的に日本との関係が深く、リトル・トーキョーやリトル・オーサカと呼ばれるエリアもあるくらいです。そのため、おいしい日本食レストランがあり、日本製のものも手に入りやすくなっています。

 また、ロサンゼルスは留学先の定番で、世界中から留学生が集まります。年間を通じて雨が少なく、温暖なため、過ごしやすい気候であることも人気の理由でしょう。一方のニューヨークは気候的には決して過ごしやすいとはいえません。特に冬は極寒です。

 在留邦人が増加していく傾向は今後も続くことでしょう。実際に、みなさんのまわりでも海外で働いていたり、留学している人が以前よりも増えているのではないでしょうか。他方、日本で働く外国人の方も増加していますね。みなさんなら、どこの国で暮らしてみたいですか。

<参考サイト>
・海外在留邦人数調査統計 統計表一覧│外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000043.html
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