テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
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DATE/ 2019.12.19

永遠の疑問「男女間の友情」は成立するのか?

 これまで何度となく議論されてきた「男女間の友情」。成立する、成立しないを断定するのは難しいですが、その意見には経験に基づいた価値観や築いてきた人間関係など実体験が反映されるものです。そこで、恋愛や友情と、それなりに経験を積んで来たはずの30~40代の男女の皆さんに「男女間の友情」は成立するのかどうかについてアンケート。若い頃との心境の変化や経験談も含め、大人の男女の視点で分析していきます。

アリ派が語る「男女間の友情」

 まずは「男女間の友情」は成立する、と答えたアリ派の意見から。

【同期が培った友人関係は壊れにくい】
・同期入社の男友達とは転職後も親しい。同期の仲間意識や信頼感があり、男女の意識もなくお互い助け合ったり相談し合ったり有り難い存在。(42歳女性)
・大学の同級生とは似たような仕事をしているので今も友人関係が続いている。妻とも会わせているし、下心なく飲んだり悩みを打ち明けたりできる。(48歳男性)

【家族や親戚のような存在ならアリ】
・幼馴染みとは兄妹のような関係。損得なく付き合えるし、男性の意見を聞きたい時なんかには遠慮せず聞ける貴重な友人。(36歳女性)
・実は別れた妻と今では親友のような関係。もう恋愛感情はないので、気を遣わなくていいし何でも言えるし、親身になってお互い助け合える。(40歳男性)

【異性としての魅力は人としての魅力になる】
・環境や立場が違ったら付き合っていてもおかしくないくらい魅力のある男友達がいますが、結果そうならなかっただけで、尊敬や人としての楽しさは変わらない。(32歳女性)
・昔少しつきあった女性と友人関係。今ではお互いパートナーもいるし、付き合った期間はなかったことのように。要は恋愛を超えることも出来るってこと。(39歳男性)

男女の友情はあり得ない、ナシ派の意見。

 続いて「成立しない」と答えたナシ派の意見もご紹介します。

【お互いのパートナーが良く思わない】
・この年齢になるとお互い結婚したりしてパートナーもいるので、異性の親友がいることを相手があまり良く思わない。話しても隠しても嫉妬されるし難しい。(44歳男性)
・男友達の奥さんに嫌われ、だんだん付き合うのが億劫に。ムダに罪悪感を感じてしまうと友情は続かない。(35歳女性)

【友達と思っているのはどちらかだけ】
・仲良くしている女友達がいますが、女として意識しているので隙あらばと思っています。別に友達は同性だけでいいと思う。(33歳男性)
・友達だと思っていた男性が酔った時にキスをしてきて幻滅。結局女として見ていたから仲良くしていたのかなと思ったら、今までの関係に修復不可能でした。(37歳女性)

【男女の友情関係は友達以上になりがち】
・10年来の男友達がいましたが、彼女ができた時も結婚した時も、複雑な気持ちに。嫉妬とか独占欲が湧いてしまうこともあるので、男女の友情は名ばかりだなと思った。(35歳女性)
・女友達と会っている時は微妙に緊張感がある。女として意識しているってことなので、同性間のような対等な関係にはなれない。(39歳男性)

男女間の友情を成立させるための条件とは?

 アリ派ナシ派双方の意見を聞いてみると、「男女間の友情」を成立させるのはそう簡単なことではなく、成立させるためにはある一定の条件が必要なことが見えてきました。その条件として認識したいことを、以下の4つにまとめました。

1・一対一の関係性より、仲間意識を持っていること
 ふたりだけ、閉鎖された関係性では、男女間には友情以上の何かが生まれがち。仕事仲間や学生時代の仲間など、他の人も含めての友人関係なら成立することも多いよう。仕事や学生時代など、信頼を築いてきた歴史は、男女を超えて友情を育める素地になることも。

2・友人関係をパートナーや周りにオープンにすること
 自分や相手のパートナーに隠さず、友人として紹介して理解を得ることが出来れば、その友情関係は続けていける可能性も。自分のパートナーだけでなく、相手のパートナーの立場や気持ちも考えての距離感で付き合うことが大切です。

3・好意が多少あっても友情関係を優先する意志
 異性としての魅力がゼロの人とは、友達になりたいとも思わないはずですし、多少なりとも好意はあるもの。しかしそれがあったら友達関係にはなれないというのは極論だという意見も多数。「恋愛」と「友情」を線引きする意志も、友情を大事にすることに繋がります。

4・対等な関係をキープすること
 味方する時もあれば、相手が言われたくないことも言える、そんな間柄にならないと同性だろうが異性だろうが友情は続かないもの。どちらかが相手に依存したり頼りきっている関係では、男女の友情は恋愛に近い感覚になってしまうことも。自立している大人だからこそ築ける男女の友情もあるはずです。

「男女間の友情」は成立すると考えている30~40代は増えている

 今回のアンケートで印象深かったのは、男女としての意識があったとしても、過去に恋愛関係にあっても、「男女間の友情」は成立しないとは限らない、という意見が多かったこと。恋愛感情が一番のネックだと思われていた「男女間の友情」ですが、そのような気持ちがあっても、大人としての振る舞いさえ間違わなければ友情は成立すると考えている30~40代も増えているのは事実。ただ遊ぶだけ、近くに居る友達関係、という異性の友達が多かった若い頃や学生時代とは異なり、大人の男女は「絆」や「理解」、「同志」といった要素を求められる友達の得難さに気づいているのかも。恋愛よりも、友情を優先する意識が高くなっていくとも言えるのではないでしょうか。

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