テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
DATE/ 2021.04.14

注意!カフェイン量の多い食べ物・飲み物

 カフェインには体を目覚めさせる効果があります。コーヒーやお茶を思い浮かべる人が多いと思いますが、ほかにカフェイン量を多く含む飲料、または食料はあるのでしょうか。またカフェインを摂りすぎると、体にどんな影響があるのでしょうか。

カフェインが多い飲み物・食べ物

【飲料】
 カフェイン入りの飲料といえば、コーヒーやお茶のほか、エナジードリンクがよく知られています。もともとカフェインはコーヒー豆や茶葉、ガラナの実などに多く含まれる成分のため、これらが原料の飲み物はカフェイン含有量も多くなるのです。

 全日本コーヒー協会が調査したカフェイン量の比較表から計算すると、「レギュラーコーヒー(浸出液)」「インスタントコーヒー」「玉露」「煎茶」「紅茶」「ウーロン茶」のうち、コーヒーカップ1杯分に相当する120mlあたりに含まれるカフェイン量が最も多かったのは玉露で、そのカフェイン量は約192mg。その次に多いのはレギュラーコーヒーとインスタントコーヒーで約72mg、次に紅茶の約36mg、煎茶とウーロン茶は約24mgとなっています。

 エナジードリンクは製品によってカフェイン量は異なりますが、エナジードリンクの筆頭ともいえる『レッドブル』では1缶(250ml)に80mgのカフェインが含まれているとあり、コーヒー1杯を飲むよりはカフェインの量が多くなります。
製品によっては1缶でコーヒー2杯分に相当するカフェイン量となっています。

 このほか、『コカ・コーラ』に代表されるコーラ飲料にもカフェインが含まれています。日本コカ・コーラの公式サイトで発表されているデータから計算すると、『コカ・コーラ』のカフェインの含有量は120mlあたり11.5mgほど。500mlペットボトル1本だと約48mgとなり、コーヒー1杯よりは少なめのカフェイン量となります。

 カフェインの含有比率でいえば玉露が圧倒的ですが、120mlもの量を飲み干す機会はあまり多くないかもしれません。カフェインを手軽に、かつ効率的に摂るのであればやはりコーヒーやエナジードリンクが適しているといえるでしょう。ただしエナジードリンクにはそれなりの糖分があるため、糖分の摂取量には要注意です。

【食料】
 カフェインはカカオ豆(カカオマス)にも含まれています。そのためカカオが原料となるチョコレートにもカフェインが含まれていますが、その含有量はミルクチョコレート50g(板チョコ1枚分)で約14g、コーヒー1杯分の1/5ほどとなります。ただしカカオ含有率の高いハイカカオチョコレートは50gでカフェインが約42gと、ミルクチョコレートの3倍のカフェインが含まれています。なお、ホワイトチョコレートは製造工程上でカカオマスを除去するため、カフェインはほぼ含まれていません。

 ちなみに同じくカカオが原料のココアにもカフェインが含まれていますが、ココアパウダー5gにつきカフェインは約7gと、他の飲料に比べると微量です。

カフェイン摂取のメリット

 カフェインの効能といえば、眠気覚ましや利尿作用、興奮作用、解熱鎮痛作用などが挙げられます。ほかにも自律神経の働きを促し、集中力を高めるといった効果も明らかになっています。頭痛をやわらげる医薬品としても使用されるほどですので、カフェインそのものは私たちの健康に役立つ成分といえます。仕事を始める前や気分を切り替えたい時など、作業のパフォーマンス能力を上げたい時に適量摂るのがおすすめです。

 ただしむやみにカフェインを摂ると、興奮作用によって脳や体が休まらず、かえって疲れてしまう可能性も。体調が悪い時や夜寝る前、リラックスしたい時は、カフェインレスのものを選ぶほうがよいでしょう。

カフェインのデメリットと、摂取の許容量

 体調の良し悪しに関わらず注意しなければならないのが、カフェインの過剰摂取です。通常の生活範囲内であればカフェインの効力によって有害な影響が出ることはまずありませんが、「一気に多量に摂る」のはNGです。

 厚生労働省のホームページには、カフェインの過剰摂取によって「中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがある」と記載されています。

 具体的な許容量は個人差によるところが大きいので一概には言えませんが、成人の場合で一度に1000mg(1g)以上のカフェイン摂取で、中毒症状が現れるといわれています。

 特に注意すべきなのは、妊婦さんや授乳中の女性、子どもです。胎児や子どもはカフェインへの感受性が強く、健康への影響が大きいと考えられているのです。

 世界保健機関(WHO)は妊婦に対し、コーヒーは1日3~4杯までにするよう呼びかけています。さらにイギリスの英国食品基準庁(FSA)の研究では、カフェインの過剰摂取は低体重児の出生と将来の健康リスクにつながるほか、高濃度のカフェインは自然流産の危険性を引き起こす可能性がある発表しています。

 上記の通り、カフェインは身近にあるさまざまな飲料、食料に含有されているため、いろいろなものを口にしたことで結果的に多量摂取となる可能性もあるので、気をつけたいところです。

自分の体調を見ながら、上手に摂ろう

 カフェインそのものは有用な成分ですが、依存性が高いことでも知られています。もしも「カフェイン入り飲料が手放せない」という状態であったら、一度自分の生活習慣を見直すといいかもしれません。

 また、たとえ健康な人でも体質的にカフェインに敏感な人もいます。自分の体調に合わせた摂取量を心がけましょう。

<参考サイト>
食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
食品中のカフェイン│食品安全委員会 季刊誌 2017 第51回
https://www.fsc.go.jp/visual/kikanshi/k_index.data/vol51_all.pdf
カフェインの安全性、代謝、健康に及ぼす影響。│「飲料アカデミー」コカ・コーラ
https://www.cocacola.co.jp/article/caffeine_01
コーヒー図書館 カフェイン│全日本コーヒー協会
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/library/caffeine
チョコレート・ココア健康講座│日本チョコレート・ココア協会
http://www.chocolate-cocoa.com/lecture/q12/index.html

あわせて読みたい