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DATE/ 2021.08.04

実は社名変更をしている有名企業

 日本において社名変更する上場会社は、年間に40~50社ほどあると、会社四季報のサイトで報じられています。ちょっとした変更もあれば、思い切った社名に変更するケースなど様々。近年はホールディングスや、グループなどでまとまりをつけた社名変更が多いようです。今回は、有名企業の大胆な社名変更について考察してみたいと思います。

旧社名から大幅に名前が変わっている企業とは

・株式会社ファーストリテイリング(旧社名:小郡商事株式会社)
 FASTの「速い」と、RETAILINGの「小売」のふたつを合わせたもので、顧客が求めている商品を、いかに速く提供できるか、という理念が込められた社名変更。

・LINE株式会社(旧社名:NHN Japan株式会社)
 いくつかのウェブサービスに関する事業を行うなかで、機軸事業としての「LINE」をフィーチャーした社名変更。

・RIZAPグループ株式会社(旧社名:健康コーポレーション)
 子会社が運営するパーソナルトレーナージムの認知度から、そのブランド名に合わせて社名変更。

・ベネッセホールディングス株式会社(旧社名:福武書店)
 「進研ゼミ」でよく知られた教育事業を軸に多角化をすすめ、企業理念として「よく生きる」を意味するBenesseからの社名変更。

・シャープ株式会社(旧社名:早川金属工業研究所)
 金属加工業から、金属文具の研究成果としてのヒット商品「エバー・レディー・シャープペンシル」に由来した社名変更。

・パナソニック(旧社名:松下電器産業株式会社)
 「松下 (Matsushita)」「ナショナル (National)」「パナソニック (Panasonic)」の名称を使い分けるデメリットが年々増大し、ブランドイメージの統一からの社名変更。

・ソニーグループ株式会社(旧社名:東京通信工業株式会社)
 「音」という意味の英語「SONIC」の語源となるラテン語の「SONUS」(ソヌス)と、「小さい」「坊や」という意味の「SONNY」(ソニー)が由来。複合企業化したグループを束ねる司令塔としての役割を明確に打ち出した社名変更。

・カルビー株式会社(旧社名:松尾糧食工業株式会社)
 カルシウムの「カル」とビタミンB1の「ビー」を組み合わせた造語で、健康に役立つ商品づくりを目指すという想いからの社名変更。

・エースコック(旧社名:梅新製菓株式会社)
 「料理人(コックさん)」=「一番優れた(エース)」に由来する即席ラーメンの商品名からの社名変更

・株式会社サンリオ(旧社名:株式会社山梨シルクセンター)
 スペイン語のSan Rioに由来、「聖なる河」を意味し、「人類が最初に住み始めたと言われる河のほとりに聖らかな文化を築きたい」という思いをこめた社名変更。

・株式会社ブリヂストン(旧社名:日本足袋株式会社)
 1931年に関連して扱っていたタイヤ部が独立したことで、現在の体制に。社名の由来は、創業者の石橋氏の名字(stone bridge)のアナグラム。

社名を変えることのメリットとは?

 年間売り上げ1千億円規模以上の企業になると、社名変更そのものが大きな宣伝効果となり、新規顧客獲得、売上の増加が期待できます。

 また、旧社名のイメージを刷新し、新規市場への参入が容易になるケースも。社名の変更は新規ターゲットへの訴求など、乾坤一擲ともいえるマーケティング戦略といってよいでしょう。

<参考サイト>
あの会社も!?「この半年で社名を変更した銘柄」30社リスト│会社四季報ONLINE
https://shikiho.jp/news/0/421953
【意外な社名変更まとめ21社】大胆な社名変更をする理由と由来を調べてみた│HR NOTE
https://hrnote.jp/contents/contents-7918/
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