テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2021.12.31

車のエンジンがかからない時の原因と対処法

 さて出発、という時にエンジンがかからない、といった経験はないでしょうか。焦るかもしれませんが、こういう時は深呼吸。落ち着いてしっかり状況を確認しましょう。考えられる理由は多くはありません。まずは基本操作を行いしましょう。

基本操作の確認

 日本で主流のAT(オートマチック)車の場合、シフトレバーがP(パーキング)かN(ニュートラル)になっていて、かつブレーキを踏まないとエンジンが作動しません。またブレーキを踏んでいても踏み込みが甘いと反応しないこともあります。これらの操作を確実に行ってからエンジンをかけ直してみましょう。またハンドルロックは解除されているでしょうか。ハンドルを左右どちらかに軽く操作しながらエンジンをかけてみましょう。

 電子キーの電池が切れているかもしれません。電子キーは多くの場合、電池が切れてもエンジンのスタートスイッチに触れれば認識されます。電子キーの電池の寿命は意外と短く、1年から2年程度です。また家電製品など、磁気の強いものの近くに置いておくと消耗が早くなってしまうようです。1年ごとに交換するようにしておくと、いざという時に焦らなくてすみます。

ガス欠の確認

 次に燃料の量を確認しましょう。ガス欠は最もよくある原因です。近くにガソリンスタンドなどがあれば、ガソリンをもってきてもらうことも可能かもしれません。もしくは任意で加入している自動車保険のロードサービスなどでサポートを受けることも可能です。また、ガソリンの量は十分でも給油してから時間が経過していた場合、品質の劣化によりエンジンがかからないこともあります。ガソリン(軽油、灯油ともに)は気温の変化が少ない冷暗所では半年程度で劣化します。こうなった場合、JAFや自動車修理業者のレッカーを呼んで、古いガソリンを抜いてもらうしかなさそうです。

 一方軽油車の場合は、燃料に空気が入ることによりエンジンがかからなくなることもあるようです。この場合、空気を抜く操作が必要になります。ただし比較的新しいディーゼルエンジンであれば、軽油を補給すれば問題ないこともあるようです。電気自動車であれば充電切れ(電欠)は起こり得ます。その場で充電できない場合、レッカーサービスやレスキューサービスなどを利用して最寄りの急速充電設備のある場所まで運んでもらう必要があります。

バッテリーの問題

 気温が低いとバッテリーの放電が正常に行えず、エンジンがかからなくなることもあるようです。また、バッテリーが上がってしまうとエンジンがかからなくなります。自動車の電気はカーステレオ、パワーウィンドウ、ヘッドライトやルームランプなどでも消費します。エンジンを始動させる時にはセルモーターが電気によって動く必要があるのですが、これに必要な電力がバッテリーに残っていない場合が、バッテリーが上がっている状態です。

 こういった場合、ジャンプスターターを準備していれば、これを使って一時的に電力を供給してエンジンを始動させることも可能です。こういった準備がない場合、他のガソリン車に救援してもらい、ブースターケーブルで電力供給を受ける、もしくはJAFなどに救援を依頼する必要があります。最近では、モバイルバッテリーと同じような小型のジャンプスターターも出回っているようです。万が一の時のために準備しておいていいかもしれません。

 また、バッテリーが液漏れしている、液漏れにより腐食が起きている、もしくはバッテリー液の量が不足しているといったこともあるようです。こういった問題の他にも、バッテリー自体が寿命を迎えていることもあるかもしれません。すぐにバッテリーが上がるようになったら、速やかに交換しましょう。一般的なバッテリーの寿命はおおよそ2年から4年程度といったところのようです。

基本操作の問題でなければロードサービスに連絡

 こういった問題でない場合は、なにか車体に問題が起きている可能性があります。考えられるのはセルモーターの故障、エンジンの故障、電気系統のトラブルなどいくつかありますが、この辺りの原因究明や修理はプロの整備士に任せるしかなさそうです。エンジンがかからない場合、まずは基本操作をしっかり確認します。その上で解決できなければ、安全が確保できる状態であることを確認したのち、ロードサービスにお願いしましょう。こういった事態を避けるためには、まずは日頃からのメンテナンスが大事です。車の点検は車検だけに頼らず、月に1回くらいで日常点検する意識を持っておくといいようです。

<参考サイト>
エンジンがかからない!?その原因と対処法について|おとなの自動車保険
https://www.ins-saison.co.jp/otona/oshiete/car/engine-trouble.html
車のエンジンがかからない|ZURICH保険株式会社
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-engine-crank-wont-start/
EVが電欠になったらどうしたら良いの?|CarMe
https://car-me.jp/articles/11140
ジャンプスターターおすすめ人気ランキング15選|使い方も解説|Motor-Fan.jp
https://car.motor-fan.jp/article/10017788
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(4)サウジアラビアとイランの存在感

中東のグローバル・サウスといえば、サウジアラビアとイランである。両国ともに世界的な産油国であり、世界の政治・経済に大きな存在感を示している。ただし、石油を武器にアメリカとの関係を深めてきたのがサウジアラビアであ...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/24
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
2

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

民主主義の本質(5)民主主義を守り育てるために

ポピュリズムや権威主義的な国家の脅威が迫る現在の国際社会。それに対抗し、民主主義的な社会を堅持するために、国際社会の中で日本はどのように振る舞うべきか。議論を進める前提として大事なのは「歴史から学ぶ」ことである...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/23
橋爪大三郎
社会学者
3

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

編集部ラジオ2024:4月24日(水)

ChatGPTを開発したことで一躍有名となったOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの発展によって社会は大きく、急速に変化しており、その中心的な人物こそが彼であるといっても過言ではありません。

そんなアルトマンが...
収録日:2024/04/15
追加日:2024/04/24
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か

ルネサンス美術とはいったい何なのか。これを考えるためには、なぜその時代に古代ギリシャ、ローマの文化が復活しなければならなかったのかを考える必要がある。その鍵は、ルネサンス以前のイタリアの分裂した都市国家の状態や...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31
池上英洋
東京造形大学教授
5

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え

2016年ノーベル医学・生理学賞の受賞テーマである「オートファジー」とは何か。私たちの体は無数の細胞でできているが、それが日々、どのようなプロセスで新鮮な状態を保っているかを知る機会は少ない。今シリーズでは、細胞が...
収録日:2023/12/15
追加日:2024/03/17
水島昇
東京大学 大学院医学系研究科・医学部 教授