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毒きのこに簡単な見分け方はあるのか?
「食欲の秋」「恵の秋」と、秋は美味しく恵み豊かな季節である反面、毒きのこによる食中毒が起こりやすい季節でもあります。
毒きのこに簡単な見分けることによって、毎年発生している毒きのこによる悲劇を防止する方法はあるのでしょうか。今回は毒きのこについて考えてみたいと思います。
なぜなら、日本だけでも200種類以上の毒きのこがあるといわれており、さらに食用きのこと似た毒きのこが多数存在するため、専門家でも判別は難しいといわれているからです。
そのため、農林水産省や厚生労働省をはじめとした全国の関係各所では、食用きのこだと確実に判断できないきのこは絶対に、「採らない」「食べない」「売らない」「人にあげない」ことの周知と警告をしています。
そして、サイトで毒きのこの写真や過去の被害データを使った注意喚起を行い、警告リーフレット「毒キノコに要注意!」を公表するなどしています。
そこで食用と間違えやすい代表的な毒きのこ10選の種類別に、間違えやすい食用きのこの例を見てみましょう。
【「毒きのこ」間違えやすい食用きのこの例】
「ツキヨタケ(月夜茸)」ヒラタケ(平茸)、ムキタケ(剥茸)、シイタケ(椎茸)
「クサウラベニタケ(臭裏紅茸)」ウラベニホテイシメジ(裏紅布袋占地/湿地)、ホンシメジ(本占地/湿地)、ハタケシメジ(畑占地/湿地)
「ニセクロハツ(偽黒初)」クロハツ(黒初)、クロハツモドキ(黒初擬)
「ドクササコ(毒笹子)」ナラタケ(楢茸)、ホテイシメジ(布袋占地/湿地)、アカハツタケ(赤初茸)、チチタケ(乳茸)
「カキシメジ(柿占地/湿地)」ニセアブラシメジ(偽油占地/湿地)、チャナメツムタケ(茶滑頭茸)、シイタケ(椎茸)
「ニガクリタケ(苦栗茸)」ナメコ(滑子)、クリタケ(栗茸)、ナラタケ(楢茸)、ナラタケモドキ(楢茸擬)
「ヒカゲシビレタケ(日陰痺茸)」シロマツタケモドキ(白松茸擬)、ハラタケ(原茸)、ツクリタケ(作茸)
「タマゴダケモドキ(卵茸擬)」キタマゴタケ(黄卵茸)
「ドクツルタケ(毒鶴茸)」シロマツタケモドキ(白松茸擬)、ハラタケ(原茸)、ツクリタケ(作茸)
「オオワライタケ(大笑茸)」ヌメリスギタケモドキ(滑杉茸擬)
また、特に間違えやすい食用きのこはないものの食中毒発生が多い毒きのことして、「テングタケ(天狗茸)」「オオシロカラカカサタケ(大白唐傘茸)」などもあります。
なお、日本における毒きのこが原因の食中毒は、半数以上は「ツキヨタケ(月夜茸)」によるものだといわれています。傘のヒダの間に発光成分があり夜に発光することで有名であったり、平安後期の説話集『今昔物語集』にも「ワタリ(和太利)」という名で中毒事件に使われていたりするなど、古くからよく知られている毒きのこです。
「消化器障害型」での代表的な症状としては、食後30分~数時間程度で吐き気・おう吐・下痢・腹痛などの胃腸消化器系の中毒症状が現れます。また、「神経障害型」では、幻視・幻聴・知覚麻痺・激しい頭痛・めまいなどの神経系の中毒症状が現れます。
そして最も危険とされる「原形質毒性型」では、吐き気・おう吐・下痢・腹痛といった「消化器障害型」の症状の後、肝不全・腎不全・循環器不全の併発といった全身症状を呈し、死に至る場合もあります。
もしもきのこを食べて体調に異常を感じた時は、直ちに医師の診察を受けてください。
ところで、毒きのこにまつわる迷信をご存じでしょうか。昔から日本人の食糧として身近で貴重なきのこには、例えば以下のような迷信があります。
(1)毒きのこは毒々しい色をしている(毒々しい色でも食用きのこもある)
(2)柄が縦に裂けるきのこは食べられる(多くの毒きのこの柄を縦に裂け、柄が縦に裂けない食用きのこもある)
(3)毒きのこでもナスと煮るか塩漬けにすれば食べられる(ナスに毒きのこの分解成分はなく、塩漬けで毒きのこの成分は分解されない)
(4)かじってみて変な味がしなければ毒きのこではない(おいしい毒きのこもある)
(5)ナメクジや虫が食べているきのこは毒きのこではない(猛毒きのこも虫は食べられる)
――などですが、すべて毒きのこにまつわる迷信です。絶対に信じないようにしてください。
また、ほとんどの毒きのこはたとえ触ったとしても食べて消化器系に入らなければ中毒とはなりませんが、猛毒きのこの「カエンタケ(火炎/火焔茸)」は触るだけでも皮膚がただれるなど強い炎症を起こす危険性があります。食べた場合の致死量もわずか3グラムと非常に危険です。絶対に触らないでください。
さらに、きのこ類は地方ごとに独自の名前を持っていたり、毒きのこであるにも関わらず地方名が「○○シメジ」のように食べられるきのこ名が付いていたりする場合もあるため、きのこ狩りや路地ものを求める際などは、正しい知識が必要となります。
毒きのこには十分に注意のうえ、滋味深く味わい深いきのこの世界を、安全においしく味わってください。
毒きのこに簡単な見分けることによって、毎年発生している毒きのこによる悲劇を防止する方法はあるのでしょうか。今回は毒きのこについて考えてみたいと思います。
毒きのこに簡単な見分け方は……「ない」!
冒頭に残念な事実をお伝えします。「毒きのこに簡単な見分け方はあるのか?」との問いに対して、きのこの専門家は口をそろえて「ない」と回答するでしょう。なぜなら、日本だけでも200種類以上の毒きのこがあるといわれており、さらに食用きのこと似た毒きのこが多数存在するため、専門家でも判別は難しいといわれているからです。
そのため、農林水産省や厚生労働省をはじめとした全国の関係各所では、食用きのこだと確実に判断できないきのこは絶対に、「採らない」「食べない」「売らない」「人にあげない」ことの周知と警告をしています。
そして、サイトで毒きのこの写真や過去の被害データを使った注意喚起を行い、警告リーフレット「毒キノコに要注意!」を公表するなどしています。
食用きのこと間違えやすい毒きのこ・10選
以上のように、残念ながら毒きのこに簡単な見分け方はないのですが、毒きのこと食用きのこを間違えて「採らない」「食べない」「売らない」「人にあげない」ことが大切なこともわかりました。そこで食用と間違えやすい代表的な毒きのこ10選の種類別に、間違えやすい食用きのこの例を見てみましょう。
【「毒きのこ」間違えやすい食用きのこの例】
「ツキヨタケ(月夜茸)」ヒラタケ(平茸)、ムキタケ(剥茸)、シイタケ(椎茸)
「クサウラベニタケ(臭裏紅茸)」ウラベニホテイシメジ(裏紅布袋占地/湿地)、ホンシメジ(本占地/湿地)、ハタケシメジ(畑占地/湿地)
「ニセクロハツ(偽黒初)」クロハツ(黒初)、クロハツモドキ(黒初擬)
「ドクササコ(毒笹子)」ナラタケ(楢茸)、ホテイシメジ(布袋占地/湿地)、アカハツタケ(赤初茸)、チチタケ(乳茸)
「カキシメジ(柿占地/湿地)」ニセアブラシメジ(偽油占地/湿地)、チャナメツムタケ(茶滑頭茸)、シイタケ(椎茸)
「ニガクリタケ(苦栗茸)」ナメコ(滑子)、クリタケ(栗茸)、ナラタケ(楢茸)、ナラタケモドキ(楢茸擬)
「ヒカゲシビレタケ(日陰痺茸)」シロマツタケモドキ(白松茸擬)、ハラタケ(原茸)、ツクリタケ(作茸)
「タマゴダケモドキ(卵茸擬)」キタマゴタケ(黄卵茸)
「ドクツルタケ(毒鶴茸)」シロマツタケモドキ(白松茸擬)、ハラタケ(原茸)、ツクリタケ(作茸)
「オオワライタケ(大笑茸)」ヌメリスギタケモドキ(滑杉茸擬)
また、特に間違えやすい食用きのこはないものの食中毒発生が多い毒きのことして、「テングタケ(天狗茸)」「オオシロカラカカサタケ(大白唐傘茸)」などもあります。
なお、日本における毒きのこが原因の食中毒は、半数以上は「ツキヨタケ(月夜茸)」によるものだといわれています。傘のヒダの間に発光成分があり夜に発光することで有名であったり、平安後期の説話集『今昔物語集』にも「ワタリ(和太利)」という名で中毒事件に使われていたりするなど、古くからよく知られている毒きのこです。
毒きのこの中毒症状・迷信と正しい知識
毒きのこの中毒症状は、「消化器障害型」「神経障害型」「原形質毒性型」の3つに分類されます。「消化器障害型」での代表的な症状としては、食後30分~数時間程度で吐き気・おう吐・下痢・腹痛などの胃腸消化器系の中毒症状が現れます。また、「神経障害型」では、幻視・幻聴・知覚麻痺・激しい頭痛・めまいなどの神経系の中毒症状が現れます。
そして最も危険とされる「原形質毒性型」では、吐き気・おう吐・下痢・腹痛といった「消化器障害型」の症状の後、肝不全・腎不全・循環器不全の併発といった全身症状を呈し、死に至る場合もあります。
もしもきのこを食べて体調に異常を感じた時は、直ちに医師の診察を受けてください。
ところで、毒きのこにまつわる迷信をご存じでしょうか。昔から日本人の食糧として身近で貴重なきのこには、例えば以下のような迷信があります。
(1)毒きのこは毒々しい色をしている(毒々しい色でも食用きのこもある)
(2)柄が縦に裂けるきのこは食べられる(多くの毒きのこの柄を縦に裂け、柄が縦に裂けない食用きのこもある)
(3)毒きのこでもナスと煮るか塩漬けにすれば食べられる(ナスに毒きのこの分解成分はなく、塩漬けで毒きのこの成分は分解されない)
(4)かじってみて変な味がしなければ毒きのこではない(おいしい毒きのこもある)
(5)ナメクジや虫が食べているきのこは毒きのこではない(猛毒きのこも虫は食べられる)
――などですが、すべて毒きのこにまつわる迷信です。絶対に信じないようにしてください。
また、ほとんどの毒きのこはたとえ触ったとしても食べて消化器系に入らなければ中毒とはなりませんが、猛毒きのこの「カエンタケ(火炎/火焔茸)」は触るだけでも皮膚がただれるなど強い炎症を起こす危険性があります。食べた場合の致死量もわずか3グラムと非常に危険です。絶対に触らないでください。
さらに、きのこ類は地方ごとに独自の名前を持っていたり、毒きのこであるにも関わらず地方名が「○○シメジ」のように食べられるきのこ名が付いていたりする場合もあるため、きのこ狩りや路地ものを求める際などは、正しい知識が必要となります。
毒きのこには十分に注意のうえ、滋味深く味わい深いきのこの世界を、安全においしく味わってください。
<参考文献・参考サイト>
・『おいしいきのこ毒きのこ』(大作晃一・吹春俊光、主婦の友社)
・『くらべてわかるきのこ』(大作晃一写真、吹春俊光監修、山と溪谷社)
・「ツキヨタケ」『日本大百科全書』(今関六也著、小学館)
・「カエンタケ」『情報・知識 imidas』(集英社)
・毒キノコによる食中毒に注意しましょう - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kinoko/index.html
・本当に安全?STOP毒きのこ - 農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2110/spe1_04.html
・毒キノコによる食中毒にご注意ください - 食の安全、を科学する
https://www.fsc.go.jp/sonota/kinoko_tyudoku.html
・『おいしいきのこ毒きのこ』(大作晃一・吹春俊光、主婦の友社)
・『くらべてわかるきのこ』(大作晃一写真、吹春俊光監修、山と溪谷社)
・「ツキヨタケ」『日本大百科全書』(今関六也著、小学館)
・「カエンタケ」『情報・知識 imidas』(集英社)
・毒キノコによる食中毒に注意しましょう - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kinoko/index.html
・本当に安全?STOP毒きのこ - 農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2110/spe1_04.html
・毒キノコによる食中毒にご注意ください - 食の安全、を科学する
https://www.fsc.go.jp/sonota/kinoko_tyudoku.html
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