テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2023.03.06

米誌タイム「世界で最も素晴らしい場所」5選

 世界最大のサンゴ礁地帯であるオーストラリアのグレートバリアリーフや、歴史的建造物から近代的な芸術まで幅広く楽しめるスペインのバレンシアなど、世界各地には多くの観光客を集める名所が数多くあります。アメリカのタイム誌は、厳選した50の場所を「世界で最も素晴らしい場所50選」として毎年発表していますが、2022年版では日本からも九州と瀬戸内海諸島の2カ所が選ばれ、話題になりました。今回はこの50選に選ばれたうちの5つの場所についてご紹介します。

日本・九州

 今もなお火山活動の盛んな桜島や別府温泉が評価され、「Volcanic beauty(火山の美しさ)」というキャッチコピーとともに50選のひとつに名を連ねました。火山の恩恵以外にも日本の神話で九州が度々登場することや、新しいリゾート施設の開発が進んでいること、また2022年9月には西九州新幹線が開通し、10月には寝台列車「ななつ星in九州」が刷新されたことも評価を押し上げる要因になったと考えられます。

日本・瀬戸内海諸島

「Immersed in art(アートに浸る)」のキャッチコピーがつけられた瀬戸内海諸島は、3年ごとに瀬戸内海の島々を舞台に開催される瀬戸内国際芸術祭が世界的にも広く知られています。芸術祭の期間外であっても、直島にある草間彌生の水玉模様のかぼちゃをはじめ、多くのアート作品を楽しめます。芸術愛好家にとってはぜひ行ってみたい場所のひとつといえるでしょう。2022年4月には全室スイート仕様の「旅館ろ花」が開業し、館内にもコンテンポラリーアートを配置するなど、アートファンを楽しませる工夫が多くの人を惹きつけています。

フランス・マルセイユ

「Mediterranean darling(地中海の最愛の人)」という素敵なキャッチコピーがついたのが、フランス最古の都市マルセイユ。2022年夏、完全水没する直前のコスケール洞窟をレプリカとして復元して公開した「コスケール2」がオープンしました。また、美食の国フランスの名の通り、地中海の恵みを楽しめるレストランも数多く点在しています。

アメリカ・オレゴン州ポートランド

 アメリカでもっとも住みやすい街としても知られるオレゴン州ポートランドは「All are welcome(どなたでも大歓迎です)」のキャッチコピーがつけられています。その由来のひとつは、ポートランドで急成長している、ロイド地区とセントラルイーストサイド地区を結ぶブルーメナウアー橋の開通にありますが、ポートランド国際空港内に感覚過敏の人がリラックスできる「静けさの部屋」を作ったことも大きいでしょう。365日24時間開放しているため、障害を持っていたり、光や音に敏感なために空の旅を快適に楽しめない人の旅をサポートする素晴らしい取り組みといえます。

国際宇宙ステーション

 地球から飛び出して、国際宇宙ステーションも「Out of this world」(この世界の外側)のキャッチコピーのもと、50選のひとつに入りました。2022年4月にはアメリカの会社で、有人宇宙飛行サービスを提供するアクシオムスペースが、社員と4人の投資家、つまり全員が民間人のクルーで国際宇宙ステーションに15日間滞在する試みを成功させ、今後の宇宙利用の商用化に向けた大きな一歩となっています。この時は1席が5~6000万ドルとかなりの高額。まだまだ庶民の手には届かないといえ、宇宙が観光先となる日もじわじわと近づいていることが感じられます。

海外からの観光客増に期待

 九州や瀬戸内が注目される背景として、2019年まではクルーズ船で寄港する都市の上位に必ず博多や長崎が入っていて、外国人観光客の目に触れやすかったこともあるかもしれません。現在はコロナの影響でクルーズ船も激減していますが、今後外国人観光客の訪日が増えることで再び人気が高まるかもしれません。

 タイム誌が紹介した場所を見てみるとどこも魅力が溢れる場所ばかり。そろそろ旅行をしようという人も増えてくるかと思いますので、行き先を決める参考にしてみてはいかがでしょうか。

<参考サイト>
・World’s Greatest Places 2022 | Time
https://time.com/collection/worlds-greatest-places-2022/
・米誌タイム「最も素晴らしい場所」…「九州」世界50選に:地域ニュース : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20220723-OYTNT50020/
・瀬戸内海に浮かぶ現代アートの島、直島に誕生した「直島旅館 ろ霞」|ことりっぷ
https://co-trip.jp/article/575327/
・〈特集:マルセイユ〉この夏オープンしたコスケール洞窟 へ!| オヴニー・パリの新聞
https://ovninavi.com/938_marseille_cosquqer/
・感覚過敏の人がリラックスできる「静けさの部屋」米ポートランドの空港内に登場 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD
https://ideasforgood.jp/2022/02/17/pdx-sensory-room/
・民間初のISS飛行、投資家ら4人が無事帰還 2週間余滞在 | ロイター
https://jp.reuters.com/article/space-exploration-nasa-axiom-idJPKCN2MI068
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(4)サウジアラビアとイランの存在感

中東のグローバル・サウスといえば、サウジアラビアとイランである。両国ともに世界的な産油国であり、世界の政治・経済に大きな存在感を示している。ただし、石油を武器にアメリカとの関係を深めてきたのがサウジアラビアであ...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/24
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
2

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

民主主義の本質(5)民主主義を守り育てるために

ポピュリズムや権威主義的な国家の脅威が迫る現在の国際社会。それに対抗し、民主主義的な社会を堅持するために、国際社会の中で日本はどのように振る舞うべきか。議論を進める前提として大事なのは「歴史から学ぶ」ことである...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/23
橋爪大三郎
社会学者
3

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

編集部ラジオ2024:4月24日(水)

ChatGPTを開発したことで一躍有名となったOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの発展によって社会は大きく、急速に変化しており、その中心的な人物こそが彼であるといっても過言ではありません。

そんなアルトマンが...
収録日:2024/04/15
追加日:2024/04/24
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か

ルネサンス美術とはいったい何なのか。これを考えるためには、なぜその時代に古代ギリシャ、ローマの文化が復活しなければならなかったのかを考える必要がある。その鍵は、ルネサンス以前のイタリアの分裂した都市国家の状態や...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31
池上英洋
東京造形大学教授
5

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え

2016年ノーベル医学・生理学賞の受賞テーマである「オートファジー」とは何か。私たちの体は無数の細胞でできているが、それが日々、どのようなプロセスで新鮮な状態を保っているかを知る機会は少ない。今シリーズでは、細胞が...
収録日:2023/12/15
追加日:2024/03/17
水島昇
東京大学 大学院医学系研究科・医学部 教授