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DATE/ 2016.02.10

ピークは40代で1000万円?銀行員の年収を徹底分析!

 かつては安定したエリートの代名詞だった銀行員だが、金融再編の大波で様子は一変した。そのドロドロした内実に焦点をあてたのが、ドラマ『半沢直樹』だったと言われている。外面と内面の違う業界だが、給与面はどうなのだろう。

 東京商工リサーチの調べでは、国内銀行101行の平均年収は612万円(2015年3月期)。これが高いのか低いのか、その実態を調べてみた。

トップは三井住友銀行

 平均年間給与のトップ3は、三井住友銀行=879.5万円、東京スター銀行=821.2万円、スルガ銀行=793.1万円だ。

 調査対象となった101行の内訳は、大手行7行、地方銀行59行、第二地銀35行。大手行の平均が747.7万円であるのに比べ、地銀632.5万円、第二地銀560.7万円と差は歴然だ。

 ただし、従業員の平均年齢別で見ると、三菱東京UFJ銀行(同38歳、791.6万円)、静岡銀行(同39.3歳、766.6万円)など、それぞれの年代でトップ。平均年齢の若い層では、大手行と有力地銀であまり差がない。

銀行マンのピークは40代1000万円?

 厚生労働省の統計データをもとに、銀行マンの生涯年収を追っていくと、20代:400万円、30代:600万円、40代:1000万円、50代:700万円、60代:500万円という結果。

 30代半ばまでは年功序列的にじりじり昇給されますが、以降はそれまでの実績と肩書きに応じた推移。いったんミスをするとふるい落とされるのは、金融機関の厳しさにほかならない。

 有価証券報告書によると、平均勤続年数は、三井住友銀行が約13年、三菱東京UFJ銀行が約15年。定年まで勤め上げる人は少なく、支店長1200~1500万円、執行役員1500万円以上、頭取3000万円の年収に達する確率はとても低い。

女子一般事務職の平均年収は400万円台

 ここまでの統計データはすべて男女を合わせたものだが、大手銀行の行員数の4割以上は女子一般事務職が占めている。彼女たちの平均年収400万円を差し引いて考えると、男子の平均は45歳で年収約1600万円。「高給取り」と呼んでも差し支えないだろう。

出向と転勤に明け暮れる行員人生

 銀行では、転勤が2~3年のペースであり、銀行マン人生の半分以上を単身赴任で過ごす人も。社宅が充実していて、首都圏の一等地にあっても家賃が相場の6分の1ほど、賃貸暮らしの人には家賃の8割が補助されるなど、一般から見ると恵まれた側面も享受している。

 一方、関連会社や融資先への出向も、ドラマに描かれた通り。20代・30代での出向は「修行」の意味合いもありますが、50歳の声を聞く頃になると「片道切符」と呼ばれる。こうなると実質年収がほぼ半減するケースもめずらしくない。

銀行マンの定年50歳説は本当か

 運良く片道切符は免れても、55歳には「職位定年」といって昇進・昇格が止まってしまう現実を迎える。これが多くの銀行マンの実質的な定年だ。

 メガバンクでは、自社従業員の職位定年後の人生形成に向けて「たそがれ研修」を行なっている。数年前までは50歳で行なわれてきた研修だが、週刊ポスト2015年9月11日号の記事では「今では45歳まで年齢が引き下げられた銀行もある」との説も。ドラマによる告発を「えぐい」と楽しんでいるのは外野ばかり。当のトップはまったく動じていない様子が分かる。
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