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DATE/ 2016.02.23

野菜ジュースだけで野菜と同じ栄養を摂ったことになるのか?

 朝から晩まで忙しいビジネスマン。朝食もとらず、ランチは牛丼屋でちゃちゃっと済ませ、仕事帰りには同僚と居酒屋に繰り出して……なんて生活を続けると、どうしても不足するのが野菜だろう。とくに独身男性は外食が多くなりがち。よほど意識しなければ、あっという間に野菜不足になってしまうだろう。30代を過ぎると、メタボや糖尿病、脂肪肝といった生活習慣病も気になってくるころ。会社の健康診断でC判定(要経過観察)が出ていた、という人は、とくに健康を意識し出すだろう。

 そんなときに手っ取り早くて便利なのが、市販の野菜ジュース。「これだけは毎日飲んでいる」なんて人も多いかもしれない。でもそのジュース、本当のところは野菜代わりとはいかないようで……。しかも、飲み過ぎてしまうと太りすぎの可能性もあるというから心配だ。

市販の野菜ジュースと生野菜はイコールとはいかない

 キャベツやトマト、にんじんにピーマン……。野菜にはたくさんのビタミンやミネラルが含まれているのは周知の通りだ。

 しかし、これらの栄養素のなかには水や熱、酸に弱いものがあるため、ジュースに加工する段階で変性が起こってしまう。しかも、飲み口をサラッとさせるために食物繊維を分解するので、せっかくの不溶性食物繊維も目減りすることに。そのため、市販の野菜ジュースと生野菜は、イコールとはいかないのだ。

 それだけではない。飲みやすいタイプのものは糖質を加えてあるケースも多く、液状で飲むため素早く吸収されてしまう。おいしくするために果物をブレンドしている場合は、果糖も心配。果糖には血糖値を上げやすくしたり、内臓脂肪を増やしやすくするという特徴があるため、せっかく健康のために飲んでいるのに、逆に脂肪を増やしてしまうことも考えられる。

市販のものを飲むなら、糖質や塩分が入っていないものを

 もし健康のために野菜ジュースを飲むなら、手作りをおすすめしたい。ポイントは作りたてをすぐ、食物繊維が入ったままの状態で丸ごと飲むこと。野菜ジュースを飲む場合は、たまに飲むぐらいにしておくのがベターといえる。買うときにはパッケージの裏を見て、野菜100パーセントか、果物や砂糖などの糖質、食塩が入っていないかをチェックするのがよいだろう。

 「これさえ飲んでいれば大丈夫!」ではなく、「生活のなかにうまく取り入れる」ほうが、カラダのためにいいといえそうだ。

<参考文献・参考サイト>
・『成功する人は食べるものが違う!』(姫野友美著 KKベストセラーズ)
http://www.dietitian.or.jp/consultation/d_09.html
http://www.karadakarute.jp/tanita/column/columndetail.do?columnId=164

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