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DATE/ 2016.04.16

1万円でお釣りが来る今人気の「公共の宿」とは?

 国内のリゾート地で温泉に浸かってのんびり、おいしい食事も食べて1万円でお釣りが来る。安さを追求すればもっと低価格な宿泊施設もあるものの、施設やサービスの割にリーズナブルな価格で宿泊できる公共の宿をご存じだろうか?施設によっては倍率が数十倍にもなるという人気ぶりを誇る公共の宿の世界へいざ。

26年連続人気1位の施設は…

 ここで言う公共の宿とは、国や地方公共団体の融資、あるいは国民年金や国民健康保険といった公的資金を元にして建設された施設や官公庁の共済宿舎などのことを指す。具体的には公営国民宿舎、休暇村、グリーンピア、国家公務員共済組合連合会宿舎(KKR)などだ。同程度の民間施設に比べると利用料金が安いケースが多く、人気を集めている。

 それぞれ具体的に見ていこう。公営国民宿舎は国立公園や県立自然公園、国民保養温泉池など自然環境に恵まれた地域に建てられた宿泊施設のこと。現在全国に106カ所あり、中でも茨城県日立市の「鵜の岬」は26年連続で利用率ナンバーワンの怪物施設。全室太平洋を臨め、展望温泉風呂からの景色も絶景。さらに茨城の旬の味覚も味わえることが人気の秘訣となっている。

 休暇村は国立公園や国定公園などに位置するリゾートホテル。海や山、湖など雄大な自然が広がる場所でのんびりくつろいだり、周辺の自然環境を楽しんだりできることが特長。全国に37カ所あり、うち24カ所は温泉付き。お手頃価格でリゾート地が満喫できるとあって、近頃テレビで特集されることも多い。

ペット同伴可の施設も!

 厚生年金、国民年金の積立金を原資とするグリーンピアはかつて公的年金流用問題に伴い存在意義が問われたこともあったが、現在は全て地方公共団体や民間企業などに払い下げ済み。広大な敷地、優れたロケーションが売りで、スキー場を併設した施設は特に人気が高い。

 KKRはその名の通り国家公務員用の宿舎だが、一般の人も利用可能。結婚式場も備えた都市型のシティホテルタイプ、比較的低廉なビジネスホテルタイプ、温泉地などに建つ保養施設タイプがある。ペット同伴可の施設が増えてきているのもポイントだ。

 どの施設も一泊3万円以上するようないわゆる高級ホテル、旅館と比べてしまうと見劣りするのは否めない。だが同価格帯の民間施設と比べると施設や食事が充実しているという評価が多い。コストパフォーマンス重視の人ならば選択肢に入れておいて損はないはずだ。

<参考文献>
・『全国公共宿舎ガイド』(実業之日本社)

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