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DATE/ 2016.05.05

自宅で作る大自然「ネイチャーアクアリウム」とは?

 スポットライトの当たったキューブ水槽、かすかに波打つ水面、揺れる水草の影から現れたり隠れたりする鮮やかな熱帯魚たち。アクアリウムがそこにあるだけで、部屋は落ち着いた空間に変貌します。疲れて帰った夜は、ただ見つめるだけで心をリセットできるかもしれません。

自然の静かな循環を再現

 でも、水槽というと、空気を送るエアーポンプの音を想像するかもしれませんね。たしかに金魚水槽などはそういった器具が必要ですが、ネイチャーアクアリウムはほぼ無音。水草を多く配置して照明を当て、光合成を促すのです。

 光を当てることで、魚の排泄物はバクテリアに分解されて水草の栄養となり、呼吸により発生した二酸化炭素もまた水草によって酸素に分解されます。つまり水槽内に一つの小さな生態系の循環が生まれるのです。

主役は水草、流木や石は魚やエビたちの隠れ家

 水草は少しずつ新芽を出し、葉を茂らせていきます。小さな水景に変化が起こっていく様子には、静かなワクワク感があります。
 
 ただ、水草といっても種類はさまざま。はじめは育てるのが簡単な水草からチャレンジしてみるといいでしょう。ショップなどでは、その植物がどのくらいの大きさの水槽に向いているか、育て方と合わせてアドバイスをしてくれます。

 アクアリウムはバクテリアのバランスが整っていれば、たまに伸びすぎた水草をトリミングするときに少し水換えするだけで、美しさを保つことができます。

 流木や石は、自然の水景を再現するのにはうってつけです。魚やエビたちの隠れ家にもなります。ウィローモスという植物は流木や石を這うように成長するので、苔むした雰囲気の情景を作り出すことも出来ます。

 こういった植物をうまくレイアウトすることで、水景は実際の水中のように古びた趣をともなってイキイキとしてきます。

 配置のセオリーもありますが、まずは好きに配置してみましょう。自分が作ったレイアウトの中で自然が発展していく楽しさは、ガーデニングに勝るとも劣らない魅力があるはずです。

苔との静かな闘いも楽しい

 難しさは、照明が強すぎたりバクテリアのバランスが崩れたりして発生するコケ対策にあります。コケによって、水槽がにごり、葉っぱが汚れ、美しさが損なわれてしまうのです。

 予防対策としては、コケを食べてくれる生物を投入するといいでしょう。オトシンクルスという魚は、大きさが3センチから6センチほどで、口が吸盤のような形をしており、ガラス面や石などに付着した珪藻(茶コケ)を食べてくれます。食事の様子もかわいらしく、おすすめです。また、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビを投入するのも有効です。ミナミヌマエビなら水槽内でも繁殖するので、かわいい姿や成長を楽しむこともできます。

準備するものは?

 では、ネイチャーアクアリウムを始めるのにどんな準備をすればいいのでしょう?

 必要なものは、水槽、フィルター、ヒーター、底砂、照明、冷却ファンなどです。種類は多くありますが、水槽(20センチ程度)、フィルター、ヒーター、照明がセットになったものなら6000円程度で販売されています。これに底砂と育てやすい水草などプラス2000円程度でスタートできます。

 やや大きな水槽(一辺が30センチより大きいもの)で楽しみたい場合は要注意。水を入れると相当の重さなので、安全に配慮する必要があります。初心者の方はまず、30センチ以下の水槽で始めることをおすすめします。

<参考サイト>
・Aqua Design Amano
http://www.adana.co.jp/jp/index.html
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