社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
姑息、煮詰まる…間違いやすい日本語に要注意!
社長:「君を執行役員に推薦しようと思うのだが...」
社員:「ありがたいお話ですが、私には役不足でございます!」
3月期決算を経て、株主総会など、あらたな役員人事などが発表される頃、こんな会話がありやなしや。
一見、控えめに聞こえるこの社員の言葉ではありますが、致命的な間違いにお気づきでしょうか。この受け答えをした時点で、役員昇格は立ち消えになるでしょう。
間違いはひとつの言葉の使い方にありました。【役不足】は、「力量に比べて、役目が不相応に軽いこと」という意味。
この場合、「執行役員は自分には軽すぎるので、もっと上のポジションにしてほしい」というアピールになってしまいます。つまりここでは、「与えられた役目などを全うするだけの力量がない」という意味の<力不足>という言葉を使うべきだったのです。
このように、ビジネスシーンで間違いやすい言葉をまとめてみましょう。
【確信犯】
「罪と知りながら行われる犯罪」 → ×
「悪いことでないと確信してなされる犯罪」 → ○
【なし崩し】
「適当にする、うやむやにする/だいなしにする」 → ×
「物事を少しずつかたづけていくこと」 → ○
【檄を飛ばす】
「叱咤激励する、刺激を与えて活気づける」 → ×
「自分の主張や考えを広く人々に知らせ同意を求める」 → ○
【煮詰まる】
「膠着して結論が出ない状態になること」 → ×
「討議・検討が十分になされて、結論が出る段階に近づく」 → ○
【姑息】
「卑怯なこと、正々堂々していない様子」 → ×
「一時のがれ、その場しのぎ」 → ○
【情けは人の為ならず】
「誰かに情を掛けることは、その人のためにならない」 → ×
「人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分に戻ってくる」 → ○
いかがでしょう。日本語の場合、漢字や言葉の並びから何となく意味を取ることができます。しかし、昔の出来事をひとつの言葉にした故事熟語など、置かれた文脈で受け取る意味が大きく違ってしまうケースが多々あります。コミュニケーションにおいて変な誤解を避けるべく、本来の意味で使えるように注意したいところです。
社員:「ありがたいお話ですが、私には役不足でございます!」
3月期決算を経て、株主総会など、あらたな役員人事などが発表される頃、こんな会話がありやなしや。
一見、控えめに聞こえるこの社員の言葉ではありますが、致命的な間違いにお気づきでしょうか。この受け答えをした時点で、役員昇格は立ち消えになるでしょう。
間違いはひとつの言葉の使い方にありました。【役不足】は、「力量に比べて、役目が不相応に軽いこと」という意味。
この場合、「執行役員は自分には軽すぎるので、もっと上のポジションにしてほしい」というアピールになってしまいます。つまりここでは、「与えられた役目などを全うするだけの力量がない」という意味の<力不足>という言葉を使うべきだったのです。
このように、ビジネスシーンで間違いやすい言葉をまとめてみましょう。
【確信犯】
「罪と知りながら行われる犯罪」 → ×
「悪いことでないと確信してなされる犯罪」 → ○
【なし崩し】
「適当にする、うやむやにする/だいなしにする」 → ×
「物事を少しずつかたづけていくこと」 → ○
【檄を飛ばす】
「叱咤激励する、刺激を与えて活気づける」 → ×
「自分の主張や考えを広く人々に知らせ同意を求める」 → ○
【煮詰まる】
「膠着して結論が出ない状態になること」 → ×
「討議・検討が十分になされて、結論が出る段階に近づく」 → ○
【姑息】
「卑怯なこと、正々堂々していない様子」 → ×
「一時のがれ、その場しのぎ」 → ○
【情けは人の為ならず】
「誰かに情を掛けることは、その人のためにならない」 → ×
「人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分に戻ってくる」 → ○
いかがでしょう。日本語の場合、漢字や言葉の並びから何となく意味を取ることができます。しかし、昔の出来事をひとつの言葉にした故事熟語など、置かれた文脈で受け取る意味が大きく違ってしまうケースが多々あります。コミュニケーションにおいて変な誤解を避けるべく、本来の意味で使えるように注意したいところです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか
サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(1)ChatGPT生みの親の半生
ChatGPTを生みだしたOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの進化・発展によって急速に変化している世界の情報環境だが、今その中心にいる人物といっていいだろう。今回のシリーズでは、サム・アルトマンの才能や彼をとりまくアメ...
収録日:2024/03/13
追加日:2024/04/19
「和歌」と「宣命」でたどる奈良時代の日本語とその変遷
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
日本語の発音は、漢字到来以来一千年の歴史を通してどう変わってきたのか。また、なぜ日本語は「文明語」として世界に名だたる存在といえるのか。二つの疑問を解き明かす日本語学者として釘貫亨氏をお招きした。1回目は古代日本...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/08
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とはどういうものだろうか。例えば、富裕と貧困という問題について、「運」で決まるのか、あるいは「運」とは異なる努力、教養、道徳などの要素で決まるのかという点でも、思想家たちの考え方は分かれる。第1...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/18
急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景
グローバル・サウスは世界をどう変えるか(3)インドネシアの成長とトルコの外交力
グローバル・サウスの中でも高度経済成長を遂げているのがインドネシアだ。長期のスカルノ時代とスハルト時代を経てその後に民主化が進んだ、東南アジアで最大のイスラム教国である。また、トルコは多国間に接する地理的特性と...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/17
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
日本古来の詩の形式である和歌。しかし、その中身について詳しく知っている人は少ないのではないだろうか。渡部泰明氏が和歌のレトリックについて解説するシリーズレクチャー。第一弾である今回は枕詞についてで、その知られざ...
収録日:2019/03/11
追加日:2019/06/15