テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
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DATE/ 2016.08.30

職場でストレスを溜めない方法とは?

 「職場の人間関係ストレスがひどくて身も心もボロボロ。ついに転職してしまった」という話を、時々耳にします。今回は転ばぬ先の杖としてその兆しを見抜き、ストレスを溜めない方法、否応なく巻き込まれてしまった場合の解消法についてお伝えします。

みんな人間関係で悩んでいる?

 厚生労働省の発表によると、職場で強い不安や悩み、ストレスを感じている人の割合は60.9パーセント、そのうち「職場の人間関係の問題」が原因だとしている人は41.3パーセントに上っています(平成24年労働者健康状況調査)。

「仕事の質(33.1パーセント)」「仕事の量(30.3パーセント)」と比べても、人間関係が大きな壁となっていることは事実のよう。また、職場のいじめ・嫌がらせも年々増えています。どうすればいいのでしょうか。

間違った「ストレス解消法」は、自分を追い詰める

 ストレスを思いっきり解消しようと、週末になるのを待ちかねて、ライブにカラオケ、はしご酒。土日はデートやスポーツを楽しんだり、ショッピングに出かけてついでに食べ放題や気になっていたグルメなど満喫する人は多いでしょう。

 ウィークエンドの動的なストレス解消法は、30代を過ぎると「はしゃぎ過ぎ」がかえって平日にしわ寄せが来ることも多いのだとか。いわばハムスターの回し車みたいなもので、どんどん加速して大きな疲労をもたらします。

 日常的なストレスを解消するためには、寝る、ゆっくり休む、森林浴、散歩、植木いじりやお風呂、瞑想などの静的な方法が一番です。

「そうじ」をストレス解消法として見直してみる

 手軽にできて、お金もかからないストレス解消法として、最近見直されているのが部屋の掃除です。

 ごちゃごちゃの部屋がスッキリすると心もスッキリ。そうじは立ったり座ったりするので、それなりに立派な運動になります。また、床に転がっているものを見るたびに「あれを片付けなきゃ」と認識することもストレスになっているようなので、ストレス源がいくつか減るというわけ。

 部屋がキレイになると達成感も得られますし、整理整頓がクセになると、オフィスのデスク周りもキレイになり、うっかりミスが減るなど、うれしい効果がいっぱいです。

原因を作らない、人間関係の作り方

 職場には上司、部下、同僚などの役割がありますが、年齢も違えば出身地や価値観の違う人の集まりであることを見直しましょう。職場に10人の人がいるとして、たった一人でも自分の味方がいれば、しめたもの。たとえいなくても孤立無援だと思わずに、「そんなもの」「そういうめぐり合わせ」と割り切ってしまうのが一番です。

 相手に多くを期待せず、また、相手の期待にこたえすぎない。冷たいと感じるかもしれませんが、職場での人間関係の基本は「職務をこなす役に立つか、邪魔をするか」だと考えた方がよさそう。その上で注意したいのは、自分自身のプライドと完璧主義、そして先に言った整理整頓です。

プライドと完璧主義は、職場には不要

 プライドの高い人は、これまでに叱られた経験が少なく、上司や同僚からのちょっとした注意でへこんでしまうことがあります。叱られたら、同じミスを繰り返さないよう、メモをとり、目立つところに書いておくと、周囲からも努力を理解してもらえます。

 仕事をこなすために真面目さは必要ですが、行き過ぎると完璧主義に陥ってしまいます。「できるから」と大量の仕事を任されてしまい、中途半端になってしまうことにカリカリすることもあるでしょう。でも、さらに怖いのは、自分の感じる完璧さを他人にも求めてしまう点です。つまり、あなた自身が誰かのストレス源になっている、ということ。

 仕事の進め方は人それぞれですし、到達点も一つではありません。おおらかな気持ちになれなくなっている自分に気づいたら、深呼吸して気持ちをゆるめましょう。

 人間関係は、一人ではどうにもならないもの。できることに集中して、その他のことは運まかせにするぐらいの気持ちになれれば、怖いものはなくなります。

<参考サイト>
・労働者健康状況調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h24-46-50_05.pdf#search='労働者健康状況調査'

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