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「ローマ」の検索結果

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「弱き者」を助けるのか、「強き者」をより強くするのか

価値と人間(1)現代の日本が忘れている価値

昨今の世界情勢を見渡すと、ヨーロッパもアメリカも日本もヒューマニズムの綺麗事で身動きが取れなくなっているように見えるのは、なぜだろうか。ローマ帝国時代の「最善のものが堕落した場合、最悪のものになる」ということわ...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/03/29

なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景

民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教

ロシアや中華人民共和国など、自由と民主主義を否定する権威主義国の脅威の増大。一方、日本、アメリカ、西欧など自由主義諸国における政治の劣化とポピュリズム……。いま、自由と民主主義は大きな試練の時を迎えている。このよ...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/03/26
橋爪大三郎
社会学者

古代日本語の発音を復元…手掛かりは中国の「唐詩」

文明語としての日本語の登場(2)文字社会の成立―漢字と発音―

日本で奈良時代に文字が使われるようになったのは、律令国家の成立が社会的急務だったからである。戸籍や税務など、公文書は文字によって成り立ち、国家社会の秩序維持は文字に依拠している。では当時の発音はいかにすれば復元...
収録日:2023/12/01
追加日:2024/03/15
釘貫亨
名古屋大学名誉教授

キケロは覚悟がいい…終幕でジタバタしない「死」への構え

キケロ『老年について』を読む(9)死について老年はどう対処すべきか

生きていく上で「捨て身でいる」「死を覚悟する」のは、人生のいろいろな時代を通じて人間の強さ、権威にもつながることだと本村氏は言う。そのためには若いうちから「死の練習」をすることが大事である。「生に執着しない」と...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/03/02
本村凌二
東京大学名誉教授

アウグストゥスがお手本、老人にとっていかに権威が大事か

キケロ『老年について』を読む(8)「権威」という褒美

古代ローマには「権威をもって支配せよ」という言葉がある。つまり権力も必要だが、最後に重んじられるのは権威であるということだ。アウグストゥスがローマ皇帝の地位を得た理由もそこにある。権威を保つには自制心が必要で、...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/02/24
本村凌二
東京大学名誉教授

老年における賭博とは?100円からでも楽しめる競馬の魅力

キケロ『老年について』を読む(7)農夫たちの快楽と賭博の嗜み

老年期の喜びとして、キケロは畑仕事を挙げている。当時の貴族は自分の農園を奴隷たちに耕作させていたので、かけた努力がそのまま返ってくることを知っていた。人生を十分に生きたあと農地に住み、百歳まで耕作を続けたローマ...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/02/17
本村凌二
東京大学名誉教授

三日坊主はダメ!学びこそ老年の「心の快楽」のために大事

キケロ『老年について』を読む(6)学びは老年に向いている

老年期のソポクレースは色事から逃れて喜んだが、老年になっても心の華やぎはあったほうがいいという意見もある。一方、肉体の快楽から離れた老年期は、新しいことに挑戦したり学んだりすることが大事であると語っている。同時...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/02/10
本村凌二
東京大学名誉教授

盲目の老人アッピウスの気概…必要な老いへの備えと想像力

キケロ『老年について』を読む(4)老いは徐々にやってくる

アッピア街道などを作ったアッピウス・クラウディウスは、老いて盲目になっても元老院でしっかりと演説して、亡くなるまで周りの連中に対して気概ある態度を見せた。これは希有な例だが、大事なのは日頃からの努力で、自分が60...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/01/27
本村凌二
東京大学名誉教授

「和歌みくじ」で運をつかむ…現代に息づくおみくじの知恵

おみくじと和歌の歴史(5)現代の和歌みくじ

明治時代に入り、おみくじは大きな転換期を迎える。神仏分離令を契機に、江戸の歌占とは違う新しい和歌みくじが作られるようになるのである。その流れで現代に至るわけだが、注目したいのが明治神宮の和歌みくじだ。神道学研究...
収録日:2023/11/10
追加日:2024/01/17
平野多恵
成蹊大学文学部日本文学科教授

ギリシアの将軍が驚いたローマの元老院、老人の見識の高さ

キケロ『老年について』を読む(2)老年が公の活動から引き離される理由

老年になっても、公の活動から引き離されるとは限らない。肉体は弱っても精神的に役に立つ老人向きの仕事はあるだろう。カトーも元老院に指図する立場で、元老院自体が見識を持った老人を中心につくられていた。紀元前3世紀半ば...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/01/13
本村凌二
東京大学名誉教授

『老年について』の著者キケロとはどんな人物なのか

キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」

『老年について』の著者キケロは、カエサルやポンペイウスと同時代にあたり、古代ローマ史上随一の弁論家で、哲学者、また政治家でもあった人物である。多くの著作を残したが、政治的発言がしにくくなり、引退生活を送る中で著...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/01/06
本村凌二
東京大学名誉教授

暗黙知と形式知…「使命感や恩」で心を燃やすのが日本の道

日本企業の病巣を斬る(5)暗黙知と形式知

欧米の企業と日本の企業の違いは、欧米が数値目標を求めるのに対し、日本はお客さんに喜んでもらうことに主眼を置く。これは野中郁次郎の言うところによれば、日本は「暗黙知」であり、一方、欧米の理論は「形式知」である。「...
収録日:2023/10/18
追加日:2023/12/29
対談 | 執行草舟田村潤

最善が堕落したものは最悪である…無限なのは理想や魂のみ

日本企業の病巣を斬る(3)足るを知る

日本の企業には伝統的な成功パターンがある。三井越後屋は地域密着型の商売を行い、300年繁栄を続けているが、これは当主が「足るを知る」をわきまえていたからだ。ローマ帝国の有名なことわざに「最善が堕落したものは最悪であ...
収録日:2023/10/18
追加日:2023/12/15
対談 | 執行草舟田村潤

欧米の落ち方は日本の比ではない…これは「人類問題」だ

電脳社会の未来(9)この堕落は「人類問題」

かつて国家は、「働くことが好き」「勉強が好き」という人たちに支えられていた。だが今や、その文化を国家が否定している。知性や合理性、平等、民主主義、科学は全てAIに移行し、われわれホモ・サピエンスが担うのは悪いもの...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/11/10
執行草舟
実業家

考えてみれば人類が発展したのは「性悪説」の時代だった

電脳社会の未来(6)人類は性善説によって滅びる

理解しておかなければいけないのは、人類の発展を支えたのは「性悪説」だということである。だが、現在は「生まれただけで素晴しい」という性善説ばかりがもてはやされている。それでは、しつけも教育もできるはずがない。そし...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/10/20
執行草舟
実業家

福沢諭吉ら第一世代の慧眼と夏目漱石ら揺れる世代の対比

哲学の役割と近代日本の挑戦(3)明治の哲学とペリクレスの民主政

幕末・明治初期の日本人が慧眼だったのは、初めて遭遇した西洋を知るため、福沢諭吉や岡倉天心をはじめ第一世代といわれる彼らが恥じらいなく西洋へ飛び出し、また西洋から入ってきた新しい学問を一斉に勉強したことだ。一方、...
収録日:2023/07/28
追加日:2023/10/14
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科教授

悪と善とが交互になって、初めて物事が転がっていく

電脳社会の未来(5)善の魂と悪の魂

物事は陰と陽の関係で進む。「陰と陽」を「悪と善」と言い換えれば、悪がなければ善はない。悪と善は交互になって初めて物事が回転していくということだ。悪といわれる場から希望という善が生まれる。悪にはそれぐらい何かを生...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/10/13
執行草舟
実業家

大谷翔平選手が現代の「粋」を体現!?一生懸命よりも遊び心

江戸とローマ~哲人と俳人(4)現代の「粋」とグローバリゼーション

現代の「粋」について考えるとき、大谷翔平選手の名を挙げる本村凌二氏。彼の「二刀流」には野球をとことん楽しみたい、野球の楽しさを体現したい、そんな楽しみ方、遊び心があるのではないだろうか。そして、江戸とローマでな...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/10/12
本村凌二
東京大学名誉教授

現代の生き方のモデルをつくった古代ギリシアと哲学の強み

哲学の役割と近代日本の挑戦(2)哲学はパターンと論理に強い

人間の歴史には、規模や風土の違いこそあれ、定型のパターンがある。複雑で流動する現実からある種の型を読み取るということだが、哲学の強みはそこにある。そのためには物事を抽象化して考える必要があり、そこで重要なのはア...
収録日:2023/07/28
追加日:2023/10/07
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科教授

行き過ぎた「綺麗事」で人間が自らを否定している

電脳社会の未来(4)綺麗事と人間

われわれは民主主義や平等といった綺麗事に侵され過ぎて、人類が滅びるところまで来ている。それは武士道と騎士道が受け持っていた「悪をぶった切る悪」を認めないからである。「AIには人情がない」などと言うが、その人情は人...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/10/06
執行草舟
実業家

皇帝ネロへの反骨心…哲人ペトロニウスが見せた粋な生き方

江戸とローマ~哲人と俳人(3)ペトロニウスとセネカ

今回は皇帝ネロに仕えた二人の哲人を紹介する。『サテュリコン』を著したペトロニウスは宮廷の「優雅の審判官」と呼ばれて快楽と遊興を手解きし、セネカは政治の舵取りもする哲人として皇帝を導いた。いずれもやがて不興を買い...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/10/05
本村凌二
東京大学名誉教授

「人間の健康にとって何がいいか」の答えが「読書」?

電脳社会の未来(3)再び中世のような時代になる

あるとき、テレビでAIが質問に対して答えを出していく番組をやっていたが、そのとき、「人間の健康にとって何がいいですか」と質問すると「読書」という答えが出され、「では健康によくて長生きする方法は何ですか」と尋ねたら...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/09/29
執行草舟
実業家

松尾芭蕉と与謝蕪村――江戸の俳人が表現した粋な遊び心

江戸とローマ~哲人と俳人(2)蕪村と芭蕉の風流

自然を題材にすることの非常に多い日本の詩歌だが、そこに「風流」を表現した江戸の俳人の中から与謝蕪村と松尾芭蕉の句を取り上げる。季節の風物を詠んでもどこかおかしさだったり、王朝の歌や絵の影響を匂わせる蕪村。自由気...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/09/28
本村凌二
東京大学名誉教授

混沌=魂を持っている人間だけが家畜にならずに生きていく

電脳社会の未来(2)家畜になるかならないか

われわれは今、ホモ・サピエンスの頂点の文明として、自由、平等、民主主義、科学などを掲げて現代を生きている。しかし、こういった人類の掲げた「理想」=綺麗事をAIが受け持つ社会になっていくのではないか。人類が受け持つ...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/09/22
執行草舟
実業家

風流とジョーク…粋な遊び、粋な生き様の精神とは?

江戸とローマ~哲人と俳人(1)日本の風流とローマ皇帝のジョーク

江戸っ子の「粋」な生き方はよく言われるが、ローマにもやはり同様の精神を尊ぶ風習があった。生活にゆとりができ、精神的な遊びが可能になった時代や都市の象徴として、江戸では俳人、ローマでは哲人の心豊かな生き方を探って...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/09/21
本村凌二
東京大学名誉教授

ガンジーに影響を与えたインドの古典『マハーバーラタ』とは

インド神話の基本を知る(1)インドの特性と神話の成り立ち

インド神話とはどのようなものだろうか。内容を知る前に、まずはインドという地理的場所、歴史の特殊性を押さえておこう。また、最も古い記録である『リグ・ヴェーダ』から派生した叙事詩『マハーバーラタ』内にある「バガヴァ...
収録日:2022/06/07
追加日:2023/09/17
鎌田東二
京都大学名誉教授

ポンペイの公衆便所を見たらわかる古代ローマの衛生管理

江戸とローマ~下水道と肥溜め(3)公衆便所のシステムと清潔への意識

有名な古代ローマの公衆浴場(テルマエ・ロマエ)は当時1000近くあり、かなり混んでいたというが、公衆便所のシステムもかなり行き届いたようだ。その背景としていえるのが整った上下水道システムで、それが庶民生活を支える基...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/09/06
本村凌二
東京大学名誉教授

公衆便所の名前になった皇帝ウェスパシアヌスのユーモア

江戸とローマ~下水道と肥溜め(2)江戸とローマの便所事情

日本の便所は「かわや」「せっちん」「はばかり」などと呼ばれ、「せっちん」を「雪隠」と書くようにあまり人の行きたがらないような場所に置かれたが、そうした家の構造が普及したのは江戸時代だった。江戸は循環社会とよくい...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/08/30
本村凌二
東京大学名誉教授

江戸の下水道は世界一!? 欧米が驚いた「日本の肥溜め」

江戸とローマ~下水道と肥溜め(1)日本人の清潔感と肥溜め

驚くほどインフラが整っていた江戸とローマだが、下水道や糞尿処理も例外ではない。ヴェルサイユ宮殿に一つもトイレがなく、広い庭園で用を足したという話は有名だが、19世紀にオスマンがパリ大改造を行うまで、アパルトマンに...
収録日:2021/09/16
追加日:2023/08/23
本村凌二
東京大学名誉教授

理屈抜きで感動!シェイクスピア・マジックのネタばらし

深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話(5)時空間を操るシェイクスピア・マジック

あまりにも奔放でいい加減なのに感動を呼ぶ「シェイクスピア・マジック」とは何か。今なお再演され続ける数々の不朽の名作を生み出したシェイクスピアだが、具体的にどのような点に彼の作品の魅力、画期性があるのだろうか。近...
収録日:2023/04/12
追加日:2023/08/10
河合祥一郎
東京大学大学院総合文化研究科教授

激変する現実を理解し普遍化するために優れた解説者が必須

国際変動の中の経済政策(3)普遍原理としての学問と現実の激変

学問に国境は関係ない。学問は時代や地域を越えた普遍性を持っている。しかし、経済学などその知見をもってしても、国際秩序が不安定となるなど国際社会の荒波の影響を受けると、学問自体が変化しなければいけない。そうした中...
収録日:2023/03/31
追加日:2023/08/05
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

最も素晴らしい愚行は恋愛…シェイクスピアの喜劇世界

深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話(4)シェイクスピアの喜劇世界と人間の愚かさ

「人間の最も素晴らしい愚行は恋愛」――シェイクスピアは、“人間の愚かさ”を嘆くのではなく、喜劇を通じてそれを寿いだ。それは、過ちを犯すことこそ人間の本質と考えた、当時の人文主義的な思想とも重なる。過ちの極致にあるの...
収録日:2023/04/12
追加日:2023/08/03
河合祥一郎
東京大学大学院総合文化研究科教授

江戸時代、参勤交代が果たした役割とその基礎としての五街道

江戸とローマ~アッピア街道と東海道(3)近代に通じる道

日本の街道はまっすぐな道が続くローマの街道とは異なり、防御を優先とした設計思想のもと発達してきたが、特に近代化に向かう時代、重要な役割を担った。「参勤交代」を研究した書籍には、「江戸における各藩の交流が、武士階...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/07/19
本村凌二
東京大学名誉教授

アウグストゥスが強調した「権威」、象徴としての街道

江戸とローマ~アッピア街道と東海道(2)権威に通じる道

アウグストゥスが『業績録』の最後に強調したのは「権威」だった。大規模な道路建設に、多大な動員力を要するのはいうまでもないが、それは単なる権力だけでなく、「権威」を意味している。ローマの権威とは、それまでに培われ...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/07/12
本村凌二
東京大学名誉教授

「狂気」といえるほどの信念を失ったとき国は衰亡していく

人生のロゴス(7)「狂」といえるほどの信念

〈これは狂気かもしれない。しかし筋が通っている〉。この言葉が意味するのは、人間の歴史や人間生命の道理に適っていれば、「狂」の部分があってもいいということである。過去を振り返れば、「狂」が歴史をつくってきた例は、...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/07/07
執行草舟
実業家

すべての道はローマに通ず――今も残るアッピア街道の軌跡

江戸とローマ~アッピア街道と東海道(1)ローマに通じる道

「すべての道はローマに通ず」――手段や方法は違っていても、中心となる真実、あるいは真理は一つだということわざだが、実際、ローマ帝国の道はローマを起点につくられた。つまり、すべての道は「ローマに始まる」のである。軍...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/07/05
本村凌二
東京大学名誉教授

人生はどうでもいい…何事が起こっても全部、自分の責任

人生のロゴス(6)人間はなりたいようになる

「魂の苦悩」に堪えられるのはほんの少数だが、その少数が影響力を持てる国は興隆する。最たる例が、ローマ帝国の元老院議員たちであった。彼らはもとをたどると神話に行き着く家系で、自分たちを「神の子孫」と考えていた。そ...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/06/30
執行草舟
実業家

お妾さん文化、不倫騒動…時代で変わる価値観の多様性

江戸とローマ~娼婦と遊女(4)変化する価値観と遊女文化

明治以降、ヨーロッパのキリスト教文化の影響を受けてきた日本人は、そうした近代の価値観に基づいて吉原についても批判する。だが、歴史的な事象は、同時代の価値観、あるいはその地域の価値観に基づいて考えてみるべきもので...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/05/08
本村凌二
東京大学名誉教授

キリスト教以前はおおらかだった…古代ローマの遊女文化

江戸とローマ~娼婦と遊女(3)娼婦のインテリジェンスとキリスト教の影響

ローマ遺跡に娼家の痕跡はないが、後代のルネッサンス期イタリアではインテリジェンスが高く知的な高級売春婦が、貴族を顧客としていたことが分かっている。ローマ時代にはおおらかだった活動が、キリスト教支配を経て変化して...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/05/01
本村凌二
東京大学名誉教授

花魁は日本独特――洗練された吉原の遊女文化

江戸とローマ~娼婦と遊女(2)遊女の「道」と吉原の文化

江戸の遊郭・吉原において、花魁はトップスターである。遊女たちの住む吉原は厳然たる秩序がある一方、女性や子どもが訪れるエンタメ・スポットでもあったという。ここで育まれた遊女文化は日本独特ともいえる遊女の「道」を究...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/04/24
本村凌二
東京大学名誉教授

人間は元来ホモ・ルーデンス…遊びから見た江戸とローマ

江戸とローマ~娼婦と遊女(1)遊びと労働

「税金と売春は、有史以前から存在する」といわれることがあるが、人口集中と文明・文化の爛熟の共通項を持つ大都市の江戸とローマにおいて、風俗ビジネスは必然的に盛んになる。近代以降の「労働は美徳」の概念が社会を支配す...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/04/17
本村凌二
東京大学名誉教授

ザマの戦いに勝利――スキピオの戦略的発想の転換に学ぶ

世界史から見たウクライナ戦争と台湾危機(3)持久戦から決戦へ――戦略的発想の転換

現在も続くウクライナ戦争は、このまま持久戦が続けば互いに消耗し、どちらが勝とうとも損失の大きい「ピュロスの勝利」になってしまう。そこで重要になるのは、紛争解決に向けて両者が歩み寄るタイミングだが、それはいつ、ど...
収録日:2023/02/28
追加日:2023/04/12
山内昌之
東京大学名誉教授

霊性文明の危うさと、無限成長の危うさに共通するもの

逆遠近法の美術論(5)インパール作戦と無限成長はイコール

江戸時代とビザンティン帝国は、近いところまで到達したと言われる霊性文明――。特に、幕末の日本人の生活を見ていると、本当に霊性文明を感じる。日本人はみな武士道に憧れ、武士のような指導階層がいたからである。しかし、明...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/04/07
執行草舟
実業家

ウクライナ戦争は何年続く…世界史が物語る戦争の不可思議

世界史から見たウクライナ戦争と台湾危機(1)長期戦の歴史と「ピュロスの勝利」

2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻。両者の攻防は1年が経過してもなお続いているが、いったいこの戦争はどのような終結を迎えるのか。さらなる長期化の可能性を考えたとき、過去に長期化した戦争の歴史を振り返ること...
収録日:2023/02/28
追加日:2023/03/29
山内昌之
東京大学名誉教授

『ベラスケスのキリスト』に感応した絵画とイコンの文明

逆遠近法の美術論(1)八反田友則の絵とビザンティン文明

芸術家・八反田友則氏は『ベラスケスのキリスト』(ミゲール・デ・ウナムーノ著)を読んで感応し、それをもとに描いた13点の絵を執行草舟コレクション・戸嶋靖昌記念館に寄贈した。その寄贈された絵を見て執行草舟は、自身が集...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/03/10
執行草舟
実業家

スーッと流れる道を行く…「運命を受け入れる」とは?

勢いと余白(9)生命的自由、運命、逆遠近法

生命は表現しようとすると、嫌味になる。だからそれを表現するのは難しい。だが、コシノ芸術はそれが本当に綺麗に表わされている。コシノ芸術とは、人間賛歌であり、生命的自由の賛歌なのである。そのコシノ芸術の特長は、コシ...
収録日:2022/10/06
追加日:2023/02/10

『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!

古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か

古代中国といえば、三国志のような興亡史や、その中心で活躍した武将の名前が連想されることが多いだろう。しかし、激しい戦乱の陰には一般市民の変わらない生活があった。様々な史料を手がかりに名もなき人々の生活実態を調査...
収録日:2022/09/09
追加日:2023/02/05
柿沼陽平
早稲田大学文学学術院教授

有力者を親戚関係にする親衛隊の仕組みと、末子相続の真実

モンゴル帝国の世界史(5)最大版図への道程

モンゴル帝国はなぜ戦争に強いのか。それは遊牧民ならではの特徴を生かした軍の仕組みがあったこと、そして帝国の隅々にまで人的ネットワークが築かれたことにあった。さらにチンギス・ハーンは、子どもや孫たちが争わないよう...
収録日:2022/10/05
追加日:2023/01/28
宮脇淳子
公益財団法人東洋文庫研究員

知っておくべきアメリカの5つのキリスト教宗派の特徴は?

「アメリカの教会」でわかる米国の本質(4)「5つの宗派」紹介

アメリカの教会には主だった宗派が30、諸派を合わせると約1000ものキリスト教信仰が存在する。今回ではその宗派の中から、イングランド国教会、会衆派、クエーカー、メソディスト、バプティストの5つについて紹介していく。アメ...
収録日:2022/11/04
追加日:2023/01/27
橋爪大三郎
社会学者

千人隊、略奪品分配…最強モンゴル軍を生んだ単純な仕組み

モンゴル帝国の世界史(4)強さの秘密と全戦全勝の仕組み

なぜモンゴル帝国は圧倒的な強さを発揮したのか。その一つは、軍の編成がシンプルかつ把握が容易だったこと。そして、戦利品を兵隊のみならず全構成員にいきわたるようにしていたことにある。モンゴル帝国が全戦全勝を重ね、次...
収録日:2022/10/05
追加日:2023/01/21
宮脇淳子
公益財団法人東洋文庫研究員

カトリックとプロテスタントの違いは?「救済予定説」とは?

「アメリカの教会」でわかる米国の本質(2)プロテスタントと「予定説」

日本人の中には、そもそもカトリックとプロテスタントの「一番の違い」がどこかも、よくわからない人が多い。さらに「誰が救われて、誰が救われないのかは、予め神様が決めている」という、プロテスタント(特にカルヴァン派)...
収録日:2022/11/04
追加日:2023/01/13
橋爪大三郎
社会学者

なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い

モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題

「世界史はモンゴル帝国から始まった」――この言葉の背景には、日本の「世界史」教育の問題点がある。そもそも日本では明治以後、戦前まで、「(ドイツから見た)西洋史」と「(漢籍ベースの)東洋史」および「国史」(日本史)...
収録日:2022/10/05
追加日:2022/12/31
宮脇淳子
公益財団法人東洋文庫研究員

関ケ原はトップ官僚・石田三成と中央集権体制をつぶす戦い

徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(5)持続可能な天下泰平の制度設計

徳川家は家康を「東照大権現」としたり、元号を「元和」とするなど、徳川に権威を持たせる仕組みをつくっていった。さらに持続的な「天下泰平」を実現するために、豊臣秀吉と同じ轍を踏まないよう、豊臣が中央集権的なシステム...
収録日:2022/09/14
追加日:2022/12/27
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界

ユダヤ神話の基本を知る

ユダヤ神話はどのような構造と内容になっているのだろうか。世界の始まりと人類の始まり、そして文化の始まりのストーリーや死後の世界についてなど、ユダヤ神話に描かれた「この世界の成り立ち」に迫る。 ※インタビュアー:川...
収録日:2022/01/20
追加日:2022/12/25
鎌田東二
京都大学名誉教授

私心を捨てる――幕臣・山岡鉄舟が体現した武士道

江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(6)武士道の喪失と現代社会の問題

新渡戸稲造の『武士道』には、古代ローマの「父祖の遺風」に訴えるエピソードが多数盛り込まれていた。「義」を貫き、相手への思いやりを「惻隠の情」として表し、私心を捨て捨て身になることの大切さである。幕末には武士道を...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/12/17
本村凌二
東京大学名誉教授

源平の合戦、熊谷次郎直実の伝承にみたローマ建国の精神

江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(5)勇者の務め

一ノ谷における平敦盛と源氏の熊谷次郎直実の一騎打ちは、『平家物語』「敦盛最期」の段、能や幸若舞の『敦盛』として日本人には馴染み深いものである。新渡戸稲造は『武士道』において、この伝承をローマ建国の精神に響く「敗...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/12/10
本村凌二
東京大学名誉教授

新渡戸稲造が『武士道』で説く上杉謙信とカミルスの「義」

江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(4)上杉謙信とカミルス

今も年末が近づくたびにドラマで再演される『忠臣蔵』は、武士道が大切にした「義」の世界を描き出したものだ。新渡戸稲造の『武士道』には、大量に古代ローマのエピソードが掲載されている。戦国武将の振る舞いと共通するロー...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/12/03
本村凌二
東京大学名誉教授

家の名誉を汚さない――武士道と「父祖の遺風」の共通点

江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(3)家の名誉と教育のために

「父祖の遺風」はローマ貴族の伝統精神として受け継がれたものだが、日本の武士道は明治維新以降、軍隊の中で庶民にも拡大していく。家に対する誇りは両者に共通しているが、ローマでは特に著しい。彼らはそのプレッシャーをど...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/11/26
本村凌二
東京大学名誉教授

大カトーが主張した父親の責任。古代ローマ人は教育熱心

江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(2)ローマ人が大事にした子どもの教育

騎士道精神はキリスト教道徳に付随するものだったが、武士道や父祖の遺風はそうではない。それらは多神教社会、すなわち多様な価値観を認めるローマと江戸の社会において育った価値観である。今回は、ローマの貴族一家において...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/11/19
本村凌二
東京大学名誉教授

「剣を磨す火花」そして「沈黙」…生命の本質を表わす言葉

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(11)キーワードを読み解く〈中〉

「剣を磨(ま)す火花」という言葉は、われわれの生命を表わす根源的な言葉である。また生命の本質は「沈黙」で、これは宇宙の本質が沈黙だからである。現実のわれわれは火花なしで生きているし、言葉もしゃべる。だがわれわれ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/11/18
執行草舟
実業家

なぜ新渡戸稲造は『武士道』を英語で著したのか

江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(1)誠実さと新渡戸稲造『武士道』

ローマと日本の共通項として、オリジナリティのなさが指摘されることがある。かつて西欧のモノマネと蔑まれていた日本がモノづくり大国に成長するには、人間としての誠実さが不可欠だった。実はローマにも共通する誠実さの源、...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/11/12
本村凌二
東京大学名誉教授

苦悩しつつキリストと対話したウナムーノを「追体験」する

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(9)自分の命と永遠の命

『ベラスケスのキリスト』を座右の書として読み込んでいくと、ウナムーノがキリストと同一化していく行程を追体験できる。すると「生の革命」が起こり、「自分の命」が「永遠の命」につながっていくようになる。「義の心」を引...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/11/04
執行草舟
実業家

なぜ「無垢だった人たち」と一生涯対決するしかないのか

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(6)偉大な宗教家のエキス

昔の仏教者の生き方は武士道そのままであった。日本への渡海に失敗して失明しても挫けず、ついに日本にやってきた鑑真も、その一人である。大事なのは「脱ヒューマニズム」だが、今の西洋文明はキリスト教のいいとこ取りにしか...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/10/14
執行草舟
実業家

霊性文明とは「一生をかけた、宗教の本質との対決」である

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(4)慈善は宗教の本質ではない

昔の宗教家は、信仰のために自らの命を投げ出すことができた。だが、現代人にそれは、とうてい無理である。だから新しい人間の魂を生み出すには、昔の宗教家の魂と対話して、命の価値を考えつづけ、葛藤しつづけるしかない。こ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/09/30
執行草舟
実業家

沈黙と瞑想が本当の価値として定着した世界が「霊性文明」

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(2)騒音と沈黙

フランスの作家で政治家でもあったアンドレ・マルローは「霊性文明の時代に入れなければ人類は滅びる」と50年以上前に予言したという。文明に毒されている現代人は、真の意味でキリスト教を信仰することはできないからである。...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/09/16
執行草舟
実業家

ワインの神に対するディオニュソス信仰と文明国の境界線

江戸とローマ~日本酒とワイン(4)ディオニュソス信仰と文明

人間は理性だけで生きているわけではない。古代ローマでは、ワインの神に対するディオニュソス信仰があり、飲酒がもたらす解放感は、人に自由を担保してくれる。ヨーロッパでは、ワインのできる国が「文明国」、そうでなければ...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/09/11
本村凌二
東京大学名誉教授

なぜガリア産のワインはおいしいのか、ローマ帝国の酒事情

江戸とローマ~日本酒とワイン(3)樽とサロンと酒合戦

古代ローマではワインを「アンフォラ」という壺のような容器で飲んでいたが、やがてガリア地方での貯蔵に「樽」が用いられるようになると、風味が著しく向上する。また、お酒を飲みながら自由な雰囲気で語り合える場としてサロ...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/09/04
本村凌二
東京大学名誉教授

ポンペイのファストフード店、遺跡が物語るローマの酒文化

江戸とローマ~日本酒とワイン(2)ローマの酒文化とファストフード

現在では醸造酒を薄めて飲む習慣はないが、江戸やローマでは今より濃厚な原酒が水割りで飲まれていた。ポンペイからは、ワインとファストフードを商う「テルモポリウム」が出土している。夜間照明のない時代、午後になると貴族...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/08/28
本村凌二
東京大学名誉教授

戦争では司令官が「絶対勝つ」と思っている側が、必ず勝つ

作用と反作用について…人間と戦争(9)戦えない日本人

戦争では「必ず勝つ」と司令官が思っている側が、最後は勝つ。「絶対に勝つ」と思えない日本は、永遠に戦争で勝てない。若い頃は、憲法改正派だったが、その意味で今は改正しないほうがいいと思っている。憲法第9条で「日本は...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/08/26
執行草舟
実業家

樽廻船とアンフォラの山、酒文化を謳歌した江戸とローマ

江戸とローマ~日本酒とワイン(1)醸造技術の進歩と輸送手段の変遷

都市人口が増加した平和な時代、飲酒の需要は当然大きいが、その要因の一つにノウハウの洗練がある。日本では醸造技術が進み、濁り酒が清酒に変わり、日常的な嗜好品として愛飲されるようになる。一方、ローマではワインのよし...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/08/21
本村凌二
東京大学名誉教授

夏に学びたい講座/興味があることVol.2

2022年8月2日(火)

暑さ厳しい夏ですが、夏という季節には、もちろん夏ならではの良さがあります。 季節感を味わいながら講座を視聴することで、心に残るものも、少し変わってくるかもしれません。今回はそのような観点から、夏に学んでみたい...
収録日:2022/07/25
追加日:2022/08/02
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア

ユティニアヌスの腐敗がかすむほど深刻なプーチンの腐敗

歴史的に考えるウクライナ問題とロシア(4)大義なき戦争と独裁者の核恫喝

ロシアでは兵士の年齢上限の撤廃によって兵力の不足を補おうとしている。しかし、実際には戦死したにもかかわらず、軍曹や曹長などがいつまでも生きているという事態が生じている可能性がある。そうなると、軍隊では階級と昇進...
収録日:2022/05/24
追加日:2022/07/28
山内昌之
東京大学名誉教授

ペリーが驚いた江戸時代の庶民の驚異的な好奇心と識字率

江戸とローマ~図書館と貸本屋(5)江戸のリテラシーと庶民の読み書き能力

江戸のリテラシーは、貸本屋の数とともに寺子屋でも測れる。江戸末期、俗説によると寺子屋への江戸市中の就学率は70~80パーセント。同時代のイギリスやフランスと比較すると驚異的な数字である。実際、来航したペリーは日本の...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/07/24
本村凌二
東京大学名誉教授

1979年に何が起こったのか――歴史的曲がり角の年を俯瞰する

グローバリズムの“終わりの始まり”(2)振り子のような「歴史の流れ」を読む

これまでのグローバリゼーションが終わり、新時代を迎えようとしている。この未経験の事態を迎える際に大切なのは、「歴史に学ぶ」ことである。では、どのような視点で歴史を読み解けばいいのだろうか。冷戦後のグローバリゼー...
収録日:2022/05/30
追加日:2022/07/22
中西輝政
京都大学名誉教授

ローマ大火の謎…タキトゥスの写本に残された修正の痕跡

江戸とローマ~図書館と貸本屋(4)江戸の貸本屋・ローマの図書館

江戸期には貸本屋が庶民の読書の中枢を担ったが、和紙より取扱いが困難な羊皮紙製の写本で残したのはローマの図書館だった。その後、時代は下るがヨーロッパの写本には修正やいたずら書きが散見され、しかも史料として現存する...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/07/17
本村凌二
東京大学名誉教授

「石原と小田実って全然同じ人間だよ」…保守とは何か?

石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(6)保守主義かファシズムか

一般的には石原慎太郎は保守だと思われている。だがさまざまな著作や発言を見ると、決してそうとはいえないのではないか。今回は三島由紀夫の天皇観と対比しながら、石原慎太郎の天皇観や、なぜ石原慎太郎が保守と見えるのか、...
収録日:2022/03/18
追加日:2022/07/13
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

カラカラ浴場、トラヤヌス浴場…そこにローマの図書館が!

江戸とローマ~図書館と貸本屋(3)写本と朗読

古代ローマの高い識字率は、残念ながら中世ヨーロッパには受け継がれなかった。それだけ古代ローマは余裕のある時代だったということだ。活版印刷がない時代ゆえ、写本で文字を読むわけだが、少部数しか流通しない写本は朗読や...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/07/10
本村凌二
東京大学名誉教授

落書きの誤字脱字でわかる古代ローマ人のリテラシー

江戸とローマ~図書館と貸本屋(2)識字率と落書き

古代ローマでは、貴族階級は家庭教師や父親から、一般の庶民は街に集まってそれぞれ文字を学んだ。公務員や兵士になるためにはそれが必要だからだ。特にアルファベットは20数文字と覚えやすく、非常に使い勝手のよいツールであ...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/07/03
本村凌二
東京大学名誉教授

識字率の高さを誇った古代ローマ、その独特な教育方法とは

江戸とローマ~図書館と貸本屋(1)リテラシーの重要性

現代人は読み書き能力を当然のものと考えているが、せいぜい100年前には日本にも読み書きのできない人がたくさんいた。リテラシーは教育が普及した現代の賜物なのである。しかし、前近代の世界の中で、江戸とローマは飛び抜けて...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/06/26
本村凌二
東京大学名誉教授

ジョブズがパロアルト研究所で気づいた「パソコンの未来」

スティーブ・ジョブズの成功哲学(2)ジョブズの略歴〈上〉

20歳の若さでアップルを創業したスティーブ・ジョブズだったが、30歳のときに自分がつくった会社をクビになってしまう。養子であることがジョブズの思想に与えた影響や、スティーブ・ウォズニアックとの出会いなど、アップル追...
収録日:2022/03/15
追加日:2022/04/30
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト

諧謔精神を育んだ江戸とローマ、現代社会とどこが違うのか

江戸とローマ~諷刺詩と川柳・狂歌(4)庶民文化を楽しむ社会の形成

川柳と風刺詩を通して庶民文化を楽しんだ「人口100万人都市」江戸とローマ。どちらも当時、大都市でありながらお互いが無関心ではいられない社会を形成していたという。そこには豊かさゆえのゆとりがあったという面もあるが、彼...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/04/04
本村凌二
東京大学名誉教授

冷笑から嘲笑、義憤へ、ローマ諷刺詩人の健全な批判精神

江戸とローマ~諷刺詩と川柳・狂歌(3)川柳・狂歌と諷刺詩の時代

日本の川柳や狂歌の源流は、京鴨川の「二条河原の落書」にあるといわれる。悪政に対する批判的風刺の精神が庶民レベルにまで拡大したのが、川柳や狂歌の流行した江戸末期だった。同様のことが、ローマでは風刺詩を通じて紀元前5...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/03/28
本村凌二
東京大学名誉教授

江戸時代の粋が生んだ「川柳」を詠んで俳諧の歴史を楽しむ

江戸とローマ~諷刺詩と川柳・狂歌(2)江戸っ子と川柳

川柳や落語では「江戸っ子の粋」が強調されるが、ローマにはそれに匹敵する「ローマっ子」がいたのだろうか。どちらの都市も外部から多様な人が流入したが、「それ以外の人間」により純粋な都会人の定義が行われたのは江戸だけ...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/03/21
本村凌二
東京大学名誉教授

諷刺精神に富んだパックス・ロマーナ、悲劇より喜劇が人気

江戸とローマ~諷刺詩と川柳・狂歌(1)諧謔精神の爛熟

古代ローマと江戸を比較するうえで、社会のゆとりは欠かせない。200年以上続いた江戸の平和は、ほぼ同じぐらい続いた「パックス・ロマーナ」に匹敵し、庶民にも生活文化を楽しむ心が磨かれていった。両者に共通するのは、物事に...
収録日:2021/06/16
追加日:2022/03/14
本村凌二
東京大学名誉教授

ローマの公共事業を担った富裕者層のエヴェルジェティズム

江戸とローマ~テルマエと浮世風呂(3)公共事業とエヴェルジェティズム

日本では水路整備が名君の条件とされたが、ローマでは帝政の始まる頃、すでに水道橋整備が終わっていた。そうした社会資本の公共事業を支えたのは、「エヴェルジェティズム」である。持てる者はその富を社会に還元すべきという...
収録日:2021/05/24
追加日:2022/02/18
本村凌二
東京大学名誉教授

古代ローマの公衆浴場と江戸の銭湯…風呂は楽しい社交場

江戸とローマ~テルマエと浮世風呂(2)お風呂は社交場だった

日常的にお風呂に親しむ日本人は見落としがちだが、入浴文化は良質な水の大量確保に支えられている。ローマも日本も、文字通りその恩恵に浴してきた。公衆浴場や銭湯には町の社交場の機能があったし、体を清潔にしたり、体の芯...
収録日:2021/05/24
追加日:2022/02/11
本村凌二
東京大学名誉教授

ローマ水道と江戸の上水、卓越した両者の水道システム

江戸とローマ~テルマエと浮世風呂(1)卓越した水道システム

日本人と古代ローマ人の共通点は、他者のアイデアを洗練させ、改良して持続するところにあった。オリジナリティにこだわらないことがその強みになったのである。注目すべきは水道、そしてお風呂(公衆浴場)だ。今回は古代ロー...
収録日:2021/05/24
追加日:2022/02/04
本村凌二
東京大学名誉教授

この大変な時期に、日本人として「知らない」では済まない

天皇のあり方と近代日本(7)「運を天に任せる」は無責任

今、政府のさまざまな会議も、皇室のあり方について、根本的に考えるところまで踏み込んでいないように見える。しかし、もはや時間的な余裕はない。「運を天に任せる」では無責任なところにまで来ている。皇族のご行跡が表に出...
収録日:2021/11/02
追加日:2022/01/27
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

二千年の時を超えて読めるギリシア「三大悲劇詩人」の作品

ギリシア悲劇への誘い(1)ギリシア悲劇を観る

「三大悲劇詩人」といわれるアイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデス。彼らは紀元前5世紀のアテナイで活躍し、ギリシア悲劇を完成させた。それぞれの作品は現代まで受け継がれ、さまざまな言語に翻訳されて上演、映画化され...
収録日:2021/03/30
追加日:2022/01/25
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科教授

洋の東西で大きく違う、庶民の娯楽への為政者の関わり方

江戸とローマ~花見と剣闘士(7)庶民のリテラシーと為政者の関わり方

江戸とローマの共通点である庶民のゆとりは、高いリテラシーに結びついた。江戸の識字率の高さは貸本屋の数にも表れているが、ローマ時代は紙の本が出現する前であるにもかかわらず、落書きなどから庶民のレベルの高さを確認で...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/12/27
本村凌二
東京大学名誉教授

江戸時代、流行もファッションも牽引した歌舞伎の熱狂

江戸とローマ~花見と剣闘士(6)庶民の娯楽と熱狂度

観劇にさほど関心が高くなかった古代ローマの庶民に比べ、江戸の庶民が熱狂したのは歌舞伎。当時の「現代」が描かれた舞台を一日がかりで楽しみ、流行もファッションも歌舞伎が引っ張る時代が続いたのである。ちなみに、ローマ...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/12/20
本村凌二
東京大学名誉教授

大祭「サートゥルナーリア祭」はクリスマスの原型か

江戸とローマ~花見と剣闘士(5)祭と無礼講

派手な祭りと無礼講は各国共通だが、江戸とローマは中でも群を抜いている。古代ローマの12月に行われた「サートゥルナーリア祭」はその典型で、奴隷も参加したといわれる。祭りの羽目外しを自粛しがちなのが日本だが、個人の自...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/12/13
本村凌二
東京大学名誉教授

エンターテイメント化していった剣闘士興行の由来とは

江戸とローマ~花見と剣闘士(4)剣闘士の実際

映画『ベン・ハー』では戦車競走シーンが活写されたが、『グラディエーター』で描かれた剣闘士の闘いぶりは脚色が過ぎるという。剣闘士の試合に関して、命に関わる闘いではあるが実際に1日の興行で亡くなる剣闘士は1人だったと...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/12/06
本村凌二
東京大学名誉教授

選挙運動にも利用されていた剣闘士興行

江戸とローマ~花見と剣闘士(3)剣闘士興行と戦車競走

剣闘士興行は円形闘技場で行われていたが、そのための施設がローマ帝国内に300ほどもあったといわれる。また、戦車競走は年に十数回、剣闘士興行は春秋の数十回。開催日は祝日となり、庶民は心待ちにしていたという。主催者は皇...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/11/29
本村凌二
東京大学名誉教授

イーロン・マスクとジェフ・ベゾスの「宇宙競争」とは

シリコンバレー物語~IT巨人の実像と今後(2)GAFAMNTをプレビューする〈下〉

シリコンバレーを牽引するIT巨人たち、その企業のプロフィールを順に検証する後編。今回はアマゾン、マイクロソフト、フェイスブック。さらにシリコンバレーの勢いを象徴する一端として、イーロン・マスク氏対ジェフ・ベゾス氏...
収録日:2021/07/08
追加日:2021/11/28
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

キリスト教が分からなければ、西洋の真実は分からない

渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(6)グローバリズムの弊害と宗教心の尊さ

渡部昇一氏のドイツ留学体験を通して学ぶべきものは多い。特にキリスト教と西洋の歴史を追体験することにより、西洋社会に対する理解は厚みを増していく。まさに「西洋の本当のことは、キリスト教が分からなければ分からない」...
収録日:2021/08/06
追加日:2021/11/27
渡部玄一
チェロ奏者

江戸とローマを比較する意味は庶民文化にある

江戸とローマ~花見と剣闘士(2)庶民文化の比較

ローマと江戸に共通するのは、庶民文化の隆盛である。古代ローマの前にはあらゆる学問や芸術の祖となったギリシアがあったが、ローマ市民は高尚さよりも娯楽性を求めた。大都市では戦車競走や剣闘士興行などが行われていたが、...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/11/22
本村凌二
東京大学名誉教授

江戸時代と古代ローマを比較する理由…長い平和が生むもの

江戸とローマ~花見と剣闘士(1)平和な100万人都市

江戸と古代ローマ。時代も歴史も大きく異なる意外な組み合わせだが、「パックス・ロマーナ」といわれる長期間にわたる平和と繁栄の時代を日本に求めるなら、江戸時代が最適である。奇しくも両都市の人口は、ともに100万人規模だ...
収録日:2021/05/24
追加日:2021/11/15
本村凌二
東京大学名誉教授

終戦後ドイツの復興を支えたキリスト教と「教会の力」

渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(3)大いなる「教会の力」

日本とドイツはともに第二次世界大戦の敗戦国として奇跡的な経済復興を遂げた。ドイツの場合、日本人の想像以上に、実はキリスト教の力によるところが大きかった。しかも、教会が果たした役割はとても大きいものだった。キリス...
収録日:2021/08/06
追加日:2021/11/06
渡部玄一
チェロ奏者

歌の始まりも言葉の交換から――互酬性と信頼のネットワーク

ソフトな歴史学のすすめ(4)交換によるネットワークの構築

人間にはそもそも互酬性があり、それがネットワークの構築、信頼の形成に大きく影響している。『古事記』によると歌は言葉の交換から始まっており、そこからもうかがえることである。今回は祖母のエピソードを中心に、交換によ...
収録日:2021/06/04
追加日:2021/11/01
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)