多神教の日本と民主主義…議論の強化と予備選挙の導入を
民主主義の本質(4)日本の民主主義をいかに強化するか
民主主義の発展において、キリスト教のような一神教的な宗教の営みがその礎にあった。では、そうした宗教的背景をもたない日本で、民主主義を育てるにはどうしたらいいのか。人数が多ければ正しいというのは「ポピュリズム」の...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/16
斉昭、松陰の発想が是!? 阿部正弘の評価との違いに物申す
徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編(5)徳川斉昭の発想と阿部正弘の現実感覚
徳川(水戸)斉昭の発想は、まるで「昭和20年8月段階の大本営陸軍部、陸軍の参謀たちの作戦」のようだと山内氏は語る。一方、阿部正弘は決断までに時間はかかるけれど優れた現実感覚を持つ。相容れない両者についてどう考えたら...
収録日:2021/03/29
追加日:2024/04/06
阿部正弘は理想的政治家なのか…その能力と評価の真相
徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編(4)政治家としての評価
「阿部正弘こそまさに理想的政治家」と評価する人もいるが、では阿部正弘は「中庸」の人といえるのか。開国の決意を胸に秘めながら、現実にはその大きなブレーキとなる徳川(水戸)斉昭を幕閣に招き入れた阿部正弘。その八方美...
収録日:2021/03/29
追加日:2024/03/30
東湖も松陰も忠告…現代政治でも他人事でない「郷原の徒」
徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編(3)「中庸」と似て非なる「郷原」
江戸時代、多くの政治家や思想家が理想とした存在として「中庸(中行)を保つことができる人」を挙げている。中庸は人としてなかなか到達できない境地だが、それと一見似て非なるものが「郷原」である。他人の気に入るよう自分...
収録日:2021/03/29
追加日:2024/03/23
阿部正弘は中庸の人なのか?指導者に重要な「狂と狷」
徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編(2)狂者と狷者
阿部正弘の使命は政治を安定化させることだったが、彼の行動は大奥や開明派を呼ばれた人たちとうまくふるまう、いわば「八方美人」的なもの。では阿部正弘の政治家としての本当の力量はどうなのか。問題が山積した中、亡くなっ...
収録日:2021/03/29
追加日:2024/03/16
26歳で老中首座…阿部正弘が幕末の動乱期に担った使命とは
徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編(1)若き老中首座・阿部正弘の使命
阿部正弘は幕末の若き老中首座として、徳川家斉・徳川家慶・徳川家定の時代を支えた。黒船で泰平を揺るがしたペリーが再来し、日米和親条約が結ばれ、鎖国政策は終わりを告げる。近代日本への舵取りを果たしたと評価される阿部...
収録日:2021/03/29
追加日:2024/03/09
リーダーは常に高い位置に運気を持っていかねばいけない
経営者の運と使命(1)「ツキの管理」とは何か
企業経営のような不確実性の高い営みは、しばしば「運」の要素を用いてその成否が語られる。一般的には、コントロールできないと思われている「運」だが、(株)船井財産コンサルタンツなどを設立した経営者・平林良仁氏によれ...
収録日:2023/11/21
追加日:2024/03/05
「侵略的行為」「領土拡張」へのソヴィエト側の論理とは
歴史から考える「ロシアの戦略」(3)ロシアの領土拡張と「2つの願望」
日露戦争を経て、アジアからヨーロッパ諸国へと侵攻の矛先を変えていったロシア。一見、拡張主義的な侵略行為に見えるロシアの動きだが、そこにはどのような意味があったのだろうか。第1次世界大戦期までを振り返り、ロシアの領...
収録日:2024/01/18
追加日:2024/03/04
新しい価値を提供して既得権を打ち破るのが企業の使命
日本企業の病巣を斬る(12)最大の既得権とは
現代社会で一番どうしようもない状態になっているのが既得権の問題である。この問題を解決できないと、日本も世界も、どの国の経済も、いい状態に戻ることはできない。そして今、最大の既得権となっているのは、社会保障である...
収録日:2023/10/18
追加日:2024/02/16
ガザの安定と復興は可能か…パレスチナ自治政府の可能性
パレスチナ問題…解決への道(3)ガザ再建への早すぎる問い
いかにすればガザの安定と復興は可能なのか。戦争終結が見えてこない現在、このガザ再建への問題提起は現状では早すぎるといわれるだろうが、今後の中東を平和と秩序に導く核心的な問いである。政治主体をパレスチナ自治政府に...
収録日:2023/12/11
追加日:2024/01/29
数字を追いかけるな、説明責任を求めるな…共感経営への道
日本企業の病巣を斬る(9)社会的共感経営の実現
野中郁次郎氏の唱える「知識創造企業」を築くには、「暗黙知」の活用と、地域やお客さんとの「共感」が重要である。まさに「共感経営」が重要だが、そのためには、数字を追いかけたり、説明責任を求めたりするのが間違いだとわ...
収録日:2023/10/18
追加日:2024/01/26
ギリシアの将軍が驚いたローマの元老院、老人の見識の高さ
キケロ『老年について』を読む(2)老年が公の活動から引き離される理由
老年になっても、公の活動から引き離されるとは限らない。肉体は弱っても精神的に役に立つ老人向きの仕事はあるだろう。カトーも元老院に指図する立場で、元老院自体が見識を持った老人を中心につくられていた。紀元前3世紀半ば...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/01/13
『老年について』の著者キケロとはどんな人物なのか
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
『老年について』の著者キケロは、カエサルやポンペイウスと同時代にあたり、古代ローマ史上随一の弁論家で、哲学者、また政治家でもあった人物である。多くの著作を残したが、政治的発言がしにくくなり、引退生活を送る中で著...
収録日:2023/06/12
追加日:2024/01/06
政治資金を裏金に?…マネー・ロンダリングの逆をなぜやるか
「政治とカネ」の裏の意味-政治資金不記載問題
2023年の年末に急浮上した自民党議員の裏金問題。だが、その発端となっている「政治資金不記載問題」は昔から続く政治とカネの大きな問題の一部でもあります。政治献金を明瞭化するための政治資金規正法がつくられ、さまざまな...
収録日:2023/12/21
追加日:2023/12/28
生と死の往来…助けられながら達成する最弱にして最強の神
大国主神に学ぶ日本人の生き方(3)一番弱いが、一番強い
大国主神はいったいどのような神様だったのか。出雲系の神々の1人である大国主神は、神話の中でどのような位置づけだったのか。「一番弱いけれども、一番強い」と鎌田氏は評する。また、生と死を行き来して、死からも力を得る神...
収録日:2023/08/08
追加日:2023/12/24
聖徳太子虚構説こそ間違い…その存在の世界史的意義とは?
聖徳太子「十七条憲法」を読む(3)聖徳太子の謎とその存在意義
聖徳太子とはいったいどのような人物なのか。「聖徳太子はいなかった」という虚構説も飛び交うが、それは本当なのか。十七条憲法の作者と目される聖徳太子の謎に迫っていく第3話。日本を氏族社会から脱皮させ、統一国家として成...
収録日:2023/08/24
追加日:2023/12/21
最善が堕落したものは最悪である…無限なのは理想や魂のみ
日本企業の病巣を斬る(3)足るを知る
日本の企業には伝統的な成功パターンがある。三井越後屋は地域密着型の商売を行い、300年繁栄を続けているが、これは当主が「足るを知る」をわきまえていたからだ。ローマ帝国の有名なことわざに「最善が堕落したものは最悪であ...
収録日:2023/10/18
追加日:2023/12/15
予算、人員…制約を乗り越えるところから自由は出てくる
日本企業の病巣を斬る(2)「商売の原点」に戻る
「なぜ売れないか」をデータから分析しても正解は出てこない――かつてキリンビール高知支店はこの問題に直面していた。必要なのは、人の心の流れを市場全体の流れとして捉えることで、「お客さんのため」に行動することだった。...
収録日:2023/10/18
追加日:2023/12/08
公共心だけで人材確保は無理…迫られる給与体系の見直し
経済と社会の本質を見抜く(6)公的機関の人材確保
官僚を志望する優秀な学生の減少が取り沙汰されているが、日本銀行にも優秀な人材がなかなか集まらなくなっているという。それは、若くて優秀な人材が民間企業に流れてしまうからだが、ではパブリックセクター(公的機関)とし...
収録日:2023/08/09
追加日:2023/12/03
西郷隆盛、ガリレオ…偉人伝が教えてくれた人間のモデル
哲学の役割と近代日本の挑戦(6)歴史を動かす人物と歴史の見方
戦前はとても国際的で、三木清や九鬼周造がドイツに留学し、当時の最先端の哲学を現地で学ぶなど、世界的にも哲学に切磋琢磨した時代だった。その時代についてもちゃんと覚えておくべきだし、さらにいえば、そうした時代に歴史...
収録日:2023/07/28
追加日:2023/11/04
「近代の超克」――見直すべき哲学に期待した時代の挑戦
哲学の役割と近代日本の挑戦(5)「近代の超克」の時代
1942年、当時の名だたる哲学者や論者、芸術家などが集まった「近代の超克」というシンポジウムがあった。戦後、戦争とファシズムを支持したものとして批判され、忘れ去られるようになったが、日本の思想史にとって、彼らの主張...
収録日:2023/07/28
追加日:2023/10/28
ネタニヤフ首相の政治責任と中東の未来…何が否定されたか
イスラエル対ハマス…その背景、影響、未来(4)中東の未来は?
これまで中東和平では、「two state solution」と呼ばれる2国家並立・共存案が模索されてきた。だが、イスラエルのネタニヤフ首相は元来、そのようなあり方を否定する行動を重ねてきた人物である。国内での汚職への批判も根強い...
収録日:2023/10/17
追加日:2023/10/26
大奥からもっとも嫌われた男・徳川斉昭の致命的な欠陥
徳川将軍と江戸幕府~家慶と烈公斉昭(4)斉昭と水戸藩、その個性と宿命的矛盾
なぜ水戸藩主・徳川斉昭は大奥からもっとも拒否されたのか。一般的には優れた政治家として知られる斉昭には見逃せない致命的な欠陥があり、最終的に幕府政治から外されることになる。それは彼の側近である藤田東湖が心配してい...
収録日:2021/03/08
追加日:2023/10/24
自由主義、保守主義、全体主義…真の社会全体の利益とは?
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(13)「自由な社会」を守るために
現代では「保守主義と自由主義(リベラル)は対立する」と思っている人も多い。だが本来、自由主義と保守主義は対立する概念ではない。そして、本当に自由主義と対峙するものは全体主義である。最終話である今回は、「保守主義...
収録日:2022/07/25
追加日:2023/10/20
【会員アンケート企画】どのメディアが問題か?
編集部ラジオ2023:10月19日(木)
会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく「会員アンケート企画」。今回は、ジャニーズ問題などで注目が集まった、「日本のメディア」についてご意見をいただきました。
メデ...
収録日:2023/10/12
追加日:2023/10/19
なぜ将軍家慶は忌み嫌っていた斉昭の子をかわいがったのか
徳川将軍と江戸幕府~家慶と烈公斉昭(3)家慶と斉昭の歪な関係性
優秀な政治家だと思われた水戸の徳川斉昭を、徳川家慶は幕府から外す決断をする。厳しい倹約政策を行いすぎた斉昭に圧力がかかったわけだが、斉昭が引退を迫られたのはそれだけが理由ではなかった。家慶と斉昭の間にどのような...
収録日:2021/03/08
追加日:2023/10/17
福沢諭吉ら第一世代の慧眼と夏目漱石ら揺れる世代の対比
哲学の役割と近代日本の挑戦(3)明治の哲学とペリクレスの民主政
幕末・明治初期の日本人が慧眼だったのは、初めて遭遇した西洋を知るため、福沢諭吉や岡倉天心をはじめ第一世代といわれる彼らが恥じらいなく西洋へ飛び出し、また西洋から入ってきた新しい学問を一斉に勉強したことだ。一方、...
収録日:2023/07/28
追加日:2023/10/14
「新自由主義」も「新保守主義」も元々の意味が全然違う?
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(12)「新自由主義」「新保守主義」とは
いままで見てきたように、ニューリベラリズム、ネオリベラリズム、リバタリアニズムは、それぞれ意味が全く異なる。にもかかわらず、いずれも日本語では「新自由主義」と訳されている。実は、そこに日本でこれらの違いがなかな...
収録日:2022/07/25
追加日:2023/10/13
烈公の光と影…徳川斉昭のビジョンと政治家としての資質
徳川将軍と江戸幕府~家慶と烈公斉昭(2)家慶が比較された徳川斉昭の実像
12代将軍・徳川家慶にとって常に意識せざるを得ない存在、それは水戸藩主の徳川斉昭だった。斉昭は非常にスケールの大きな政治家で、ビジョンや理想を描き、実際に北海道開拓に乗り出すなどを行った。だが、斉昭はこのような良...
収録日:2021/03/08
追加日:2023/10/10
アヘン戦争の脅威…鎖国の限界が見えた徳川家慶の時代
徳川将軍と江戸幕府~家慶と烈公斉昭(1)12代将軍・徳川家慶とはいかなる人物か
「平凡な将軍だ」と揶揄される徳川第12代将軍・家慶(いえよし)だが、実際にどのような人物だったのか。徳川家慶が将軍職に就いた頃、国内では飢饉の問題などがあり、日本近郊には外国船が出没し、また中国・清朝ではアヘン戦...
収録日:2021/03/08
追加日:2023/10/03
CHIPS法成立!半導体支配を目論むバイデン政権2つの理由
半導体から見る明日の世界(4)米国「CHIPS法」成立と中国の脅威
5G通信で先行した中国に対して、アメリカは情報ネットワークの脅威に直面した。中国への危機意識は、トランプ政権からバイデン政権に代わってもますます強まっている。そこでバイデン大統領は「CHIPS法」といわれている半導体製...
収録日:2023/07/14
追加日:2023/09/18
天安門事件や南米の独裁者への評価分析も間違いばかり?
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(3)天安門事件と独裁者とクラインの矛盾
ミルトン・フリードマンの「ショック療法」の議論を曲解し、的外れな批判を展開するナオミ・クライン。その議論は、中国の歴史的事件である天安門事件へと波及する。民主化を支持していたフリードマンを保守派として批判したク...
収録日:2023/07/20
追加日:2023/09/08
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
江戸時代のまちづくりや人々の暮らしを振り返るとき、その助けになるのが江戸時代後期に書かれた地誌『江戸名所図会』(えどめいしょずえ)だ。当時の江戸の様子を収めた貴重な資料である『江戸名所図会』から江戸時代をひもと...
収録日:2023/06/07
追加日:2023/09/02
フリードマンの主張と電気ショックは本当に似ているのか?
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(2)曲解された「ショック療法」
「ショック療法」という概念こそミルトン・フリードマンの核心であるとし、それを拷問や電気ショック療法と重ね合わせて批判を展開したナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』。しかしフリードマンは、本当にクラインのい...
収録日:2023/07/20
追加日:2023/09/01
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
カナダのジャーナリスト、ナオミ・クラインが2007年に著した『ショック・ドクトリン』は、その邦訳書も増刷を重ねるなど、世界で多くの読者を獲得している。本書の論旨は、経済学の権威であるミルトン・フリードマンを痛烈に批...
収録日:2023/07/20
追加日:2023/09/01
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
世界的な半導体不足によって、一時、自動車や家電製品の生産に大きな影響を及ぼした。さらに新型コロナウイルスのパンデミックとロシアのウクライナ侵攻が拍車をかけ、半導体生産の不安は全世界に広がった。今や自動車から家電...
収録日:2023/07/14
追加日:2023/08/28
嘘をつかなければ人を愛することができない場合もある
人生のロゴス(14)虚偽の真実とは何か
今の日本人は「虚偽は悪い」と思っているが、「嘘も方便」とあるように、いい虚偽もある。嘘をつかなければ、できないこともあるし、人を愛することもできない場合もある。そういうことが、現代人はわからなくなっている。その...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/08/25
志賀直哉、太宰治、小林秀雄…対立する『ハムレット』批評
深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話(6)現代への影響と文化的財産
シェイクスピア作品は現在もさまざまな形式で翻訳され、また再演され続けて、その解釈や批評も更新されている。中でも『ハムレット』に関しては、ドイツ・ロマン主義を代表する文豪ゲーテをはじめ、A・W・フォン・シュレーゲル...
収録日:2023/04/12
追加日:2023/08/17
江戸時代「最悪」の老中・水野忠成が担った「汚れ役」とは
徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉(4)水野忠成の「汚れ役」と大塩平八郎の乱
50年という安定政権を築いた徳川家斉だが、実はその裏では文化として贈答(賄賂)が横行していた。家斉に仕えた老中・水野忠成も、賄賂による政治を行ったことで有名である。だが忠成は、実は家斉政権の財政を担い、さらに「天...
収録日:2020/12/14
追加日:2023/08/16
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
日本の文芸批評に大きな足跡を残した人物といえば、戦前の小林秀雄と戦後の吉本隆明の2人が挙げられる。そして、日本が近代の激動の時代を乗り越えていく中で、文学はその狭間を生きる人々にとって心の支柱となった。今回から7...
収録日:2023/04/07
追加日:2023/08/15
魂の苦悩に耐える「こらえ性」こそ日本人には大切である
人生のロゴス(12)最後には必ず正しい道に到達する
永遠の苦悩に向かって生きようとする人間は、失敗と間違いの連続である。だから、〈心さえ歪んでいなければ、最後には必ず正しい道に到達すると思っている〉というような言葉に感激する感性がないと、苦悩に挑戦もできない。今...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/08/11
熱しやすく冷めやすい日本の国民性、一番の元凶はメディア
ポスト冷戦の終焉と日本政治(7)日本の政治制度、今こそ改革すべし
日本の政治は改革する余地がたくさんあるのに、どんな小さな改革も諦めてしまう。日本の国民性とも関係があるが、そこは政策の議論よりも政局をより多く報じてきたメディアの責任が大きいと中西氏は言う。激変する世界に対応す...
収録日:2023/05/24
追加日:2023/08/08
戦後復興を実現した「ネオリベラリズム」がなぜ悪口に?
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(4)戦後復興と「ネオリベラリズム」
第二次世界大戦後の戦後復興期は、西ドイツやイタリアで「ネオリベラリズム」政策が実施され、その結果、両国とも大成功を収めた。両国の「奇跡の復興」を実現させたものこそ、「ネオリベラリズム」だったのである。そのネオリ...
収録日:2022/07/25
追加日:2023/08/04
プーチン、習近平、トランプ…リーダーの「終わりの始まり」
ポスト冷戦の終焉と日本政治(6)世代交代と民主主義のために
今、欧米では政治の世界で世代交代が起きつつある。それは同時に、プーチン、習近平、トランプという3人のリーダーが率いた時代の「終わりの始まり」、すなわち行く末が決しつつあるということでもある。この新しい世界への移行...
収録日:2023/05/24
追加日:2023/08/01
人間に関心を持って詳しく知っていた、かつての偉人たち
人生のロゴス(10)無関心と人間の劣化
最も非情なのは無関心な人間である。関心を持ったら、家族構成から先祖まで含めて知るように努めるということが、かつてはあった。だが、今はすっかりなくなってしまって、浅い知識で他人をけなしたり、人の言葉尻をとらえるよ...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/07/28
選挙シニシズム・野党・政治への無関心…日本政治の問題点
ポスト冷戦の終焉と日本政治(5)日本政治の混迷と3つの問題点
世界情勢が大きく動いている非常事態の中で、日本の政治は劣化し続けているように感じられる。その問題点として、「選挙シニシズム」とも呼ばれる選挙至上主義をはじめ、野党の責任、そして国民の政治への無関心の3つを挙げるこ...
収録日:2023/05/24
追加日:2023/07/25
いま「自分は庶民の味方」という人たちほど“上から目線”
人生のロゴス(9)古今の「偉い人」の根本的な違い
教養の根本は文学にあり、政治経済の話を文学に置き換えられるのがユーモアである。今、世界的にそのようなユーモアある政治家たちがいなくなった。かつての日本では、政治家が床の間に軸装を飾って言いたいことを示したりして...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/07/21
かつての大物たちはざっくばらんで、かわいくて、やんちゃ
人生のロゴス(8)忍ぶ恋とウィット
忍ぶ恋の本質には、まだ成長していない子どもの純愛のようなところがある。幼稚でも、やんちゃでもいい、変に大人びない純愛。あるいは、正しいことに命を懸け、恋すなわち無限の憧れに生きる。そういう純愛の世界に生きること...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/07/14
親ガチャと学生運動と桃太郎…葛藤なき家族のニヒリズム
『「甘え」の構造』と現代日本(7)桃太郎の鬼退治と「親ガチャ」
1970年代当時、過激化する学生運動を「桃太郎の鬼退治」という側面で捉えた土居健郎氏の『「甘え」の構造』。なぜ学生運動が鬼退治に似ているのか。その理由として挙げられているのは、「家父長的」な親の権威と「反抗期」「思...
収録日:2023/03/13
追加日:2023/07/08
エリート、理念重視、自民党近代化…福田赳夫を深掘りする
福田赳夫と日本の戦後政治(9)ぶれない政治家と自民党での役割
派閥争い、金権政治という荒波を乗り越えて、自身の政治理念を貫き通した福田赳夫の政治家人生。どのようにして、福田のような政治家が生まれるに至ったのか。また、福田の掲げた理念は、今の自民党政治にとってどのような意味...
収録日:2022/09/29
追加日:2023/07/07
プーチン・習近平の登場とオバマの罪…ポスト冷戦第3期
ポスト冷戦の終焉と日本政治(2)2012年から始まる世界激変の時代
ポスト冷戦時代の第3期は、世界情勢にとって大きな分かれ道となった2012年からの10年ほどである。この機をさかいに、プーチンのロシアや習近平の中国が強硬路線を前面に押し出すようになってくるが、それを可能にした要因として...
収録日:2023/05/24
追加日:2023/07/04
「福田ドクトリン」と全方位平和外交…福田赳夫の真実とは
福田赳夫と日本の戦後政治(8)福田政権「3つの功績」
1976年に発足した福田政権は、経済、外交の両面で主に3つの大きな成果を残した。経済大国となった責任と平和的な国際協調を重んじる政治理念あってのことだが、その一つが「福田ドクトリン」と呼ばれるものである。「平和に徹し...
収録日:2022/09/29
追加日:2023/06/30
人生はどうでもいい…何事が起こっても全部、自分の責任
人生のロゴス(6)人間はなりたいようになる
「魂の苦悩」に堪えられるのはほんの少数だが、その少数が影響力を持てる国は興隆する。最たる例が、ローマ帝国の元老院議員たちであった。彼らはもとをたどると神話に行き着く家系で、自分たちを「神の子孫」と考えていた。そ...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/06/30
冷戦終焉から30年、激変する世界の行方を追う
ポスト冷戦の終焉と日本政治(1)「偽りの和解」と「対テロ戦争」の時代
これから世界は激動の時代を迎える。その見通しを持ったのは冷戦終焉がしきりに叫ばれていた時だ――中西輝政氏はこう話す。多くの人びとが冷戦終焉後の世界に期待を寄せる中、アメリカやヨーロッパ諸国、またロシアや同じく共産...
収録日:2023/05/24
追加日:2023/06/27
なぜ「三角大福」の抗争で福田の行動がわかりづらいか
福田赳夫と日本の戦後政治(7)田中政権から三木政権へ
田中角栄政権成立後に進められた日中国交正常化は、実は自民党の総裁選とリンクしていた。福田赳夫はソ連との関係や台湾問題などに配慮して慎重姿勢を見せていたが、田中は三木武夫を取り込むための大義名分として日中国交正常...
収録日:2022/09/29
追加日:2023/06/23
政策決定…政権の学説つまみ食い、学者からのアプローチ
政権と経済政策~政治を動かす経済学説(3)政治的決断と学説の可能性
学者が生み出す新しい理論、知見は、さまざまな形で政治や政策と関わりあってきた。それは経済政策だけでなく、ケネディ政権によるアポロ計画のように科学政策を採用することで政権基盤を確実なものにしてきた例もある。しかし...
収録日:2023/03/31
追加日:2023/06/20
徳川家康ではなく織田信長…司馬文学が描く「別の可能性」
司馬遼太郎のビジョン~日本の姿とは?(5)移動と破壊と自由の実現
『ペルシャの幻術師』に始まった司馬文学は、『草原の記』で終わる。大陸ロマンを奉じた司馬遼太郎にとって、馬賊への憧れから転じた「移動と破壊と自由の実現」という夢を日本の歴史小説で仮託させたのが「英雄が自由な創意で...
収録日:2023/03/16
追加日:2023/06/18
角福戦争…派閥解消にこだわる福田vs金権政治の田中角栄
福田赳夫と日本の戦後政治(6)角福戦争と福田赳夫の敗北
佐藤栄作首相の絶大な信頼を得て、政権内で確固たる地位を築いていた福田赳夫。佐藤が首相の座をしりぞく1972年、次期総裁の最有力と目されていたのは当然、福田だった。しかし、田中角栄の総裁選立候補がその状況を一変させた...
収録日:2022/09/29
追加日:2023/06/16
『坊っちゃん』の借金問題から考える人間関係の基礎
『「甘え」の構造』と現代日本(3)人間の自立と『坊っちゃん』のエピソード
「輔弼してくれる人が欲しい」という学生からの相談の話が、『「甘え」の構造』の中に出てくる。土居健郎氏はそこから天皇論と結びつけて日本人の特殊性という方向へ話を進めていくのだが、一方、自立という観点からみると、こ...
収録日:2023/03/13
追加日:2023/06/10
司馬遷を意識…“司馬遼太郎”の由来と海音寺潮五郎との縁
司馬遼太郎のビジョン~日本の姿とは?(3)司馬遼太郎ワールドと司馬遷
『国盗り物語』『関ケ原』『城塞』『竜馬がゆく』『燃えよ剣』など、司馬遼太郎は透徹した歴史家の目で読者にも俯瞰する視野を与える作品を次々と描き出していく。いわゆる英雄を一人ひとり描かれた物語を面白く読むうち、大き...
収録日:2023/03/16
追加日:2023/06/04
2つの所得倍増計画…経済計画の福田とスローガンの池田
福田赳夫と日本の戦後政治(4)「所得倍増計画」の2つの系譜
岸信介の側近として、政権内で一気に駆け上がっていった福田赳夫。そこで福田は、いわゆる「60年安保闘争」を経て日本政治の潮目が変わる1960年代を経験することになる。福田は最後まで首相官邸に入って岸を支えた。そして、岸...
収録日:2022/09/29
追加日:2023/06/02
『竜馬がゆく』『坂の上の雲』明治百年を画期した名著秘話
司馬遼太郎のビジョン~日本の姿とは? (2)明治百年と司馬文学の歴史的意義
国民作家として書く作品のことごとくがブームを巻き起こしてきた司馬遼太郎。「明治百年」である1968(昭和43)年、『龍馬がゆく』が大河ドラマとして放映開始となったが、同年から『坂の上の雲』という小説も連載が開始されて...
収録日:2023/03/16
追加日:2023/05/28
自民党結党に大きく関与し、自民党政務調査会の制度も構築
福田赳夫と日本の戦後政治(3)政策通としての役割と岸政権誕生後の躍進
1952年の衆議院議員総選挙に当選し、政治家人生をスタートさせた福田赳夫。1955年にできた自民党では「政策通」として重要な役割を果たしていく。その一つが政務調査会(政調会)の制度を構築したことだ。その動きの中で一番真...
収録日:2022/09/29
追加日:2023/05/26
アウシュヴィッツの悲劇をAIは理解できるか…母語の有無
ChatGPT~AIと人間の未来(2)AIは意味を理解しているのか
第2話では、「AIが意味を理解しているのかどうか」を、深掘りしていく。そもそも「意味」とは何だろうか。AI研究者からは、「AIはそれなりに意味分析も行なっている」という声も挙がる。しかし西垣氏は、人間とAIとでは、言語の...
収録日:2023/03/15
追加日:2023/05/25
河合栄次郎、石橋湛山、ルーズベルト…日米自由主義者の主張
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(6)日本とアメリカのニューリベラリズム
「ニューリベラリズム」は日本やアメリカにも影響を与えていった。日本では河合栄次郎や石橋湛山が紹介に努めることになる。アメリカでは、大恐慌で市場経済への信頼が失墜したことが決定的となり、「ニューリベラリズム=リベ...
収録日:2022/07/01
追加日:2023/05/23
昭電疑獄で大蔵省を去り政界へ…なぜ岸信介に惹かれたのか
福田赳夫と日本の戦後政治(2)政治家への道と岸信介との共通点
順風満帆に見えた福田赳夫の大蔵官僚時代は、昭電疑獄事件を境に急転する。この事件をきっかけに大蔵省を退職することになった福田が志したのは、政治家への道だった。その後、岸信介に惹かれ、やがて政治活動をともに行ってい...
収録日:2022/09/29
追加日:2023/05/19
介入主義?社会主義?…ニューリベラリズムとは何か?
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(5)ニューリベラリズムの台頭
19世紀後半になると、リベラリズムに変容が見られるようになる。自由実現のために政府が積極介入すべきという「大きな政府」を肯定するニューリベラリズムの台頭である。ここでは、ニューリベラリズムが登場した背景やその思想...
収録日:2022/07/01
追加日:2023/05/16
陸軍との予算折衝、汪兆銘政権、そして預金封鎖と新円切替
福田赳夫と日本の戦後政治(1)福田赳夫のイメージと大蔵官僚時代
「福田赳夫」と聞いて、どのようなイメージが頭に浮かぶだろうか。「角福戦争(田中角栄VS福田赳夫)」や「三角大福中(三木武夫・田中角栄・大平正芳・福田赳夫・中曽根康弘)」などと称された権力闘争を、真っ先に思い起こす...
収録日:2022/09/29
追加日:2023/05/12
譲歩の「レッドライン」…ウクライナ問題が示す教訓
世界史から見たウクライナ戦争と台湾危機(5)ウクライナの教訓を生かすために
緊張感を増す台湾問題において、隣国として重要なポジションにある日本。中国への態度を模索する中、ウクライナの現況からどのような指針が得られるだろうか。武力行使による中国の損失の提示や、譲歩的な姿勢が「弱さ」として...
収録日:2023/02/28
追加日:2023/04/26
ポロネーズとは?…ショパンが誇り高い音楽に込めた思い
ショパンの音楽とポーランド(6)ショパンとポロネーズ
ピアノ演奏と講義でショパンを追う連続シリーズ第6話では、「ショパンとポロネーズ」に焦点を当てる。貴族の行進から始まったといわれるポロネーズは、宮廷舞踏として発展したが、ショパンはその誇り高きポロネーズを用いて「ポ...
収録日:2022/10/13
追加日:2023/04/20
儒家の思想「天人相関」…天に代わり愉快な社会をつくる
徳川家康と貞観政要(6)人情と天人相関
儒教に「天人相関」という思想がある。自然現象と人間の行為には密接な関係があるという思想だが、今回は天災による大飢饉が起きたときに太宗が取った政策について、臣下との問答から「長」という立場にある人間が心得なければ...
収録日:2020/02/08
追加日:2023/04/16
ザマの戦いに勝利――スキピオの戦略的発想の転換に学ぶ
世界史から見たウクライナ戦争と台湾危機(3)持久戦から決戦へ――戦略的発想の転換
現在も続くウクライナ戦争は、このまま持久戦が続けば互いに消耗し、どちらが勝とうとも損失の大きい「ピュロスの勝利」になってしまう。そこで重要になるのは、紛争解決に向けて両者が歩み寄るタイミングだが、それはいつ、ど...
収録日:2023/02/28
追加日:2023/04/12
プーチンは三流コメディアン、ゼレンスキーが一流政治家?
世界史から見たウクライナ戦争と台湾危機(2)古代アテネとウクライナの比較
勝ったとしても得るものが少ない「ピュロスの勝利」の教訓は、長期化の様相を呈するウクライナ戦争にも当てはめて考えることができる。ロシアとウクライナ両国の市民や企業がダメージを負い、消耗していく状況を解説するととも...
収録日:2023/02/28
追加日:2023/04/05
教育のトップを変えず幼年教育も徹底…学び重視の見事さ
徳川家康と貞観政要(4)学問第一と江戸の幼年教育
武断政治から文治政治に転換して「学問を第一」とした唐の太宗に倣い、徳川家康は学問所の創設に尽力し、その後、幕末まで教育のトップを変えることはなかった。そのおかげもあり、江戸の幼年教育はとても充実していた。3歳から...
収録日:2020/01/11
追加日:2023/04/02
60年安保、米中との関係からみた岸信介の神話化
岸信介と日本の戦前・戦後(7)時代が求めた岸信介
経済政策の改革を求める時代のニーズに応える存在として台頭してきた岸信介だが、外交や安全保障に対してはどのような姿勢を取っていたのか。シリーズを通して解説してきた岸の人物像や政策ビジョンの一貫性をさらに深掘りして...
収録日:2022/09/02
追加日:2023/04/01
ウクライナ戦争は何年続く…世界史が物語る戦争の不可思議
世界史から見たウクライナ戦争と台湾危機(1)長期戦の歴史と「ピュロスの勝利」
2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻。両者の攻防は1年が経過してもなお続いているが、いったいこの戦争はどのような終結を迎えるのか。さらなる長期化の可能性を考えたとき、過去に長期化した戦争の歴史を振り返ること...
収録日:2023/02/28
追加日:2023/03/29
なぜ岸信介は戦後世界で復活できたのか?貫戦史でみる意味
岸信介と日本の戦前・戦後(6)貫戦史からみる岸信介
1953年に自由党から国会議員となった岸信介は、その4年後には内閣総理大臣に就任する。今では考えられないその足取りの速さの背景には、戦前から知見を蓄えていた計画経済の担い手としての期待があった。その後、強力な党体制を...
収録日:2022/09/02
追加日:2023/03/25
自由党への葛藤と決断――政治家・岸にとって最大の転換点
岸信介と日本の戦前・戦後(5)国民運動の挫折と自由党入党
日本の将来を見据えてあるべき政治体制を模索してきた岸信介は、戦時中から政治活動の基盤となる組織形成に尽力していた。しかし、戦後、A級戦犯処分を受け、不起訴で釈放となるもしばらく隠遁生活を送ることになる。その後、国...
収録日:2022/09/02
追加日:2023/03/18
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
理想的なポリスから劣悪な社会への堕落が起こる過程で、最も重要なのは「民主制」を経て最後の「僭主制」に移行する段階である。なぜ最も重要なのかというと、そもそも『ポリテイア』の問題提起が「僭主制が一番いい」という議...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/03/17
哲人政治から寡頭制、民主制への堕落…金銭欲と分断の末路
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(13)ポリスと魂の堕落過程〈上〉不正の考察
不正とは何か。この議論のキーワードは「欲望」と「分断」。この2つによって、理想的なポリスとしての形が「優秀者支配制」からだんだんと「名誉支配制」「寡頭制」「民主制」、最後の5番目に「僭主制」という順番に堕落したも...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/03/10
「貨幣量と物価」の現代経済史…そしてスタグフレーション
本当によくわかる経済学史(14)ケインズ政策の限界と転換
フリードマンの研究によって次第に金融政策の重要性への認識は高まってきたものの、いまだケインズ政策への支持は強かった。だが、ケインズ政策がうまくいかない局面が多くなっていく。ここでは、サッチャー政権時のイギリスや...
収録日:2022/06/08
追加日:2023/03/08
左遷をバネに勇躍する岸信介、その成長の契機に迫る
岸信介と日本の戦前・戦後(3)満洲への「左遷」
商工省で統制経済の知見を深めていた岸信介だが、官僚時代のキャリアにおいて大きな転機となったのは、満洲への「左遷」だった。近年の研究を参照すると、満洲での功績として挙げられる「満洲産業開発五カ年計画」の内実は、こ...
収録日:2022/09/02
追加日:2023/03/04
太陽の比喩、線分の比喩、洞窟の比喩…「善のイデア」とは
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(12)善のイデア、洞窟の比喩
哲学者=統治者が学ぶべき最大のものは「善のイデア」である。そこに向かうためにプラトンが駆使するのは「太陽の比喩」「線分の比喩」「洞窟の比喩」の3つだ。中でも有名な「洞窟の比喩」は、私たち人間の本性と、そこから脱出...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/03/03
平和ボケの日本人に問いたい「自分の国を自分で守る」覚悟
台湾有事を考える(9)日本の未来への再出発のために
日本にとって一番の大きな問題は平和ボケである。台湾有事についてさまざまな角度から考察してきたこのシリーズで最後に問いたいのは、「自分の国を自分で守る」覚悟があるかどうかということだ。可能性が高まる中国の武力侵攻...
収録日:2022/12/19
追加日:2023/02/27
「統制経済」で重宝され…喧嘩っ早い岸の官僚時代の武勇伝
岸信介と日本の戦前・戦後(2)統制経済を研究した官僚時代
官僚を目指す東京帝大卒業生の多くが内務省を選ぶ中、岸信介が進んだのは農商務省だった。将来的な日本の変革を見据えてのことだが、その先見性は当たり、世界の潮流と合致していく。そこで岸が向き合ったのは「統制経済」であ...
収録日:2022/09/02
追加日:2023/02/25
船乗りの比喩…哲学者の「哲人政治」は理想か全体主義か
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(11)哲人統治論
理想の国家を目指すための第3の大波が「哲人政治」である。哲学者が訓練を積んで国を支配する、あるいは政治家が真正に哲学をすることで、その役割を果たす。その必要性と最善性を説明するために用いられるのが「船乗りの比喩」...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/02/24
一直線…コシノ芸術の「生命的自由」と「重力」の代表例
勢いと余白(11)作品を味わう…一直線
「一直線」もコシノ芸術の典型の一つである。暗黒の中を1本の「金」が垂直に流れている。これは、宇宙の生命エネルギーの「垂直軸」の流れを表している。この作品をコシノジュンコ氏は、那智の滝を「日本の一番の象徴」と言っ...
収録日:2022/10/06
追加日:2023/02/24
「ヒトラーの経済政策はケインズ的で大成功だった」は大嘘
本当によくわかる経済学史(12)ヒトラーの経済政策への誤解
「ヒトラーはケインズ的な政策でドイツ経済を復活させた」などと、ナチスの経済政策を評価する言説も日本では多い。だが、これはとんでもない間違いだという。では、当時のドイツの実状とは、いかなるものだったのか。そこには...
収録日:2022/06/08
追加日:2023/02/22
「昭和の妖怪」岸信介の知られざる実像を検証する
岸信介と日本の戦前・戦後(1)毀誉褒貶相半ばする政治家
戦後、A級戦犯容疑者として獄中生活を送ったのち、政界復帰からわずか4年で内閣総理大臣にまで上り詰めた岸信介。戦前と戦後を跨いだその激動の政治家人生は、どのようなものだったのか。晩年になって「昭和の妖怪」といわれた...
収録日:2022/09/02
追加日:2023/02/18
オーストリア学派…ミーゼス、ハイエク、シュンペーター
本当によくわかる経済学史(11)オーストリア学派の真実
世界大恐慌の後、マルクス主義経済学の計画経済を批判したのが、オーストリア学派といわれるグループであった。彼らは、「そもそも計画経済が可能なのか」という本質部分や、その大きな弊害を鋭く突いた。また、企業家の役割や...
収録日:2022/06/08
追加日:2023/02/15
異国が乱れるときは…徳川家康に学ぶ「国家安全保障戦略」
日本の外交防衛政策…家康の教訓(1)徳川家康が考えた「日本の安全保障」
2022年12月、日本の安全保障戦略に関する「防衛3文書」が発表された。そこでは外交を軸にした安全保障戦略が掲げられているが、そこで思い出されるのが徳川家康である。家康こそ、外交としての安全保障戦略を考え抜いた人物だか...
収録日:2022/12/26
追加日:2023/02/14
理性・気概・欲望…ポリスとの類比でわかる「魂の三部分説」
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(9)魂の三部分説
国家論を議論しているようにみえる『ポリテイア』だが、本当のテーマは「魂(プシューケー)」ではないか。ポリスにおける正義・不正を見ることで、類比的に、人の魂を考察できるからだ。ポリスの階層(守護者・軍人・生産者)...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/02/10
ケインズ革命への誤解…真に独創的なのは、どの部分か?
本当によくわかる経済学史(10)「ケインズ政策」の誤解と真実
不況の際は政府の財政出動によって景気回復を図る。これがケインズの政策であり、1929年の大恐慌を救ったのはケインズ革命によるものだと一般にはいわれるが、実はこれは必ずしも正しい理解ではないと柿埜真吾氏は言う。ケイン...
収録日:2022/06/08
追加日:2023/02/08
法の支配があるから自由がある…信仰の自由と政治の基本
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(5)成文憲法・自由・人権・法の支配
植民地だったアメリカは、イングランド国王から独立するため、政府をつくり大統領を立てて独立戦争に臨んだ。そこで必要になったのがアメリカの基本的な考え方を書いた契約書で、それが成文憲法である。そこには条件があり、一...
収録日:2022/11/04
追加日:2023/02/03
国際政治を理解するために知っておくべき「3つの危機」
戦争と平和の国際政治(3)3つの危機と「国家と社会の関係」
ロシアのウクライナ侵略や台湾危機などの国際的緊張だけでなく、感染症や気候変動といった人類規模の問題に直面している現代。かつてないほど「安全」というものの価値が高まる中、いかにして個人の「自由」を守っていくべきだ...
収録日:2022/12/01
追加日:2023/01/26
哲学者になるには「数学」「天文学」「音楽理論」が必須?
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(8)2つの教育論〈下〉高等教育
高等教育は哲人王をめざす哲学教育のステップである。哲学を学ぶ人間は、算術と幾何学に始まり、天文学と音楽で完成する5つの数学的諸学科を学ばなければならない。数学により、人は感覚的世界から離れ、純粋に抽象的思考に至る...
収録日:2022/07/08
追加日:2023/01/05
2023年頭所感…未来をつくるため、今こそ抜本的改革を
人類史的な転換点における日本人の課題
各所で戦争が続き自国優先のはびこる世界は、一見、まことに「愚かしい」ようにも見える。だが、一方でCOP27やSDGsのような人類全体に貢献する「理性的な」活動が大きな潮流となっている。まさに「愚」と「賢」があざなえる縄の...
収録日:2022/12/08
追加日:2023/01/01
私心を捨てる――幕臣・山岡鉄舟が体現した武士道
江戸とローマ~「父祖の遺風」と武士道(6)武士道の喪失と現代社会の問題
新渡戸稲造の『武士道』には、古代ローマの「父祖の遺風」に訴えるエピソードが多数盛り込まれていた。「義」を貫き、相手への思いやりを「惻隠の情」として表し、私心を捨て捨て身になることの大切さである。幕末には武士道を...
収録日:2021/07/16
追加日:2022/12/17
「正義とは何か」第1巻の重要性と全10巻の全体構造
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(4)第1巻の問題提起
全10巻からなる『ポリテイア(国家)』の中で最も重要なのは、「正義とは何か」という主題が明確に示される第1巻だと納富氏は言う。第1巻では、ケファロス、ポレマルコス、トラシュマルコスの3人がソクラテスの対話相手として登...
収録日:2022/07/08
追加日:2022/12/08
徳政、御成敗式目の制定…北条泰時が成し遂げたこととは何か
源氏将軍断絶と承久の乱(12)新たな朝幕関係と北条泰時政権
承久の乱は、朝廷と幕府の関係にとって劇的な転換点であった。朝敵と名指しされつつも戦いに勝利した北条義時は、乱の3年後で急死。息子の泰時が三代執権を引き継ぐ。徳政に徹した泰時は権力を独占せず、評定衆による合議制を取...
収録日:2022/07/13
追加日:2022/11/27