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「聖書」の検索結果

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なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景

民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教

ロシアや中華人民共和国など、自由と民主主義を否定する権威主義国の脅威の増大。一方、日本、アメリカ、西欧など自由主義諸国における政治の劣化とポピュリズム……。いま、自由と民主主義は大きな試練の時を迎えている。このよ...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/03/26
橋爪大三郎
社会学者

「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?

キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか

キリスト教とは何か。「文明の衝突」が世界中で現実化する中、この問題は日本人にとっても重要なものになっている。上智大学神学部教授・竹内修一氏は、「キリスト教とは何か」という問いは、同時に「イエスとは誰なのか」も意...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/02/28
竹内修一
上智大学神学部教授

人類の祖先たちの「出アフリカ」…その時期はいつ頃?

核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり

日本に現在住んでいる私たちは、いったいどこからやってきたのか。国立遺伝学研究所教授の斎藤成也氏は、DNAの研究を通して、この問いに挑んでいる。まずは、人類の起源と、彼らがどのようにして日本に来て、他の地域にも広がっ...
収録日:2018/09/26
追加日:2019/03/23
斎藤成也
国立遺伝学研究所教授

スローフード運動とは?…イタリア発の歴史と新たな展開

スローフード思想と新しいガストロノミー

スローフード思想は、ファストフードに代表されるモダニズム的価値観への対抗として誕生した。その活動は、地域の伝統的な食や持続可能な食の在り方の保存として展開され、近年「新しいガストロノミー」という考え方に行き着い...
収録日:2018/04/26
追加日:2018/09/27
石田雅芳
立命館大学食マネジメント学部 教授

明治の元勲は責任を持って任せたけれど逸脱はさせなかった

敗戦から学ぶ戦前のリーダーシップ(1)明治の指導者

時代とともに世の中が複雑になり、戦争に影響を与えることになったリーダーリップの変質。敗戦から何を学ぶべきか。明治から昭和の時代を駆け抜けた先人たちの話を紹介しながら、明治の指導者、エリートについて齋藤健氏が語っ...
収録日:2014/02/18
追加日:2014/06/12
齋藤健
衆議院議員 経済産業大臣

ジョン・ウェスレーが提示した「寄付」という方法の背景

グローバル化時代の資本主義の精神(2)世俗倫理と資本主義の精神

今、ポスト世俗化の時代と言われているが、世俗化には二つの意味があると話す中島隆博氏。典型的なのは、フランス・カトリックとドイツ・プロテスタントだという。そこで、今回はこの二つの違いから、近代の世俗倫理と資本主義...
収録日:2014/11/07
追加日:2015/05/18
中島隆博
東京大学東洋文化研究所長・教授

不思議なことに人類の歴史は千年ごとに大変化を見せている

三つの千年紀から見た世界の変遷

国家百年の計というが、人類史には千年ごとの変化があると、高橋一生氏は言う。普段は使わない長大なスコープを通して見ると、人類と世界の課題も、将来への展望も、手に取るように見えてくる。いざ、三つの「千年紀」が語る世...
収録日:2014/10/28
追加日:2015/02/04
高橋一生
元国際基督教大学教授

感動した言葉は野球部監督の「あいさつは野球より難しい」

真理は平凡の中にある

志ネットワーク代表・上甲晃氏の持論は「真理は平凡の中にある」だ。人とは違った特別なことより、当たり前のことを徹底してやることを重視して、若者を指導してきた。上甲氏がこう考えるきっかけとなった松下幸之助の言葉、大...
収録日:2015/03/20
追加日:2015/04/07
上甲晃
志ネットワーク代表

司馬遷の「天道是か非か」と「歴史とは何か」

『歴史とは何か』を語る(10)天道、是か非か

古今東西の歴史には、悪ながら栄えた人物も、善にして非業の人物も、無数にいる。『史記』『旧約聖書』『太平記』にそうした例を見つつ、司馬遷が発した永遠の問い「天道、是か非か」をめぐって、歴史の不条理と、司馬遷の歴史...
収録日:2014/12/03
追加日:2015/08/10
山内昌之
東京大学名誉教授

チャレンジ精神、神経ニューロン、認知症にも影響!?

男性医学とテストステロン(1)リーダーと男性ホルモン

あるホルモンの量が、リーダーとして優れているかどうかに関係しているという。そのホルモンとは一体何か。順天堂大学医学部大学院医学研究科教授・堀江重郎氏が語る。(2015年7月24日開催日本ビジネス協会JBCインタ...
収録日:2015/07/24
追加日:2015/10/08
堀江重郎
順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授

弾圧していたメディアがエルドアンを救った

トルコの一番長い夜とクーデター(3)メディアの恩恵

革命史とメディアの変遷は切っても切れないと歴史学者・山内昌之氏は言う。ルターの宗教改革とグーテンベルク印刷術の関係に始まり、改革者の声を民衆に届ける乗り物は今日の電子メディアへと直結している。トルコのクーデター...
収録日:2016/07/20
追加日:2016/08/18
山内昌之
東京大学名誉教授

「神の国は近づいた」…では、それはどこにあるのか?

キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(2)「神の国」はどこにあるのか

イエスが伝道を始めた最初の言葉は、「神の国は近づいた」だった。では神の国とはどこにあるのか。この問いは重要だ。上智大学神学部教授・竹内修一氏によれば、神の国とは私たちが想定するような「あの世」ではない。神の国は...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/03/07
竹内修一
上智大学神学部教授

キリスト教が教える「愛」とは

キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(3)キリスト教の愛とはどんなものか

上智大学神学部教授・竹内修一氏は、キリスト教でいう「愛」とは決して抽象的なものではなく、具体的な行為で示されるものだという。その典型は、「最後の晩餐」でイエスが弟子たちの「足を洗う」ことだ。それは当時の文脈で何...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/03/14
竹内修一
上智大学神学部教授

キリスト教では、神への愛と隣人愛は等しいものである

キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(4)「隣人愛」とはどういうことか

「隣人愛」は、キリスト教を知る上での重要なキーワードだ。これについて、イエスは何と言っているか。上智大学神学部教授・竹内修一氏はここで、イエスとファリサイ派律法学者の問答を紹介する。エリート学者の挑発的な問いか...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/03/21
竹内修一
上智大学神学部教授

愛は赦しであり、赦しは平和であり、平和とは沈黙である

キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(5)「赦す」とはどういうことか

愛とは何か。それは「赦し」である。しかし上智大学神学部教授・竹内修一氏は、この「赦し」は「水に流す」ことではないと強調する。さらに愛とは、「平和」であり「沈黙」であるとも言われる。キリスト教の愛は、さまざまな言...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/03/28
竹内修一
上智大学神学部教授

キリスト教の愛の種類「エロス・フィリア・アガペー」とは

キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(6)聖書とはどんな書物なのか

エロス、フィリア、アガペー。これはどれも、キリスト教で「愛」を示す言葉だ。上智大学神学部教授・竹内修一氏によれば、この意味の違う愛をめぐっては、イエスと弟子の間ですらもすれ違いがあった。しかし師イエスは、弟子を...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/04/04
竹内修一
上智大学神学部教授

難民問題とギリシャ問題をメルケル首相は乗り切れるのか

2017年世界と日本(2)BREXITとEUの激動(後編)

EU全体に影を落としているのが、難民問題とギリシャ問題だ。ドイツのメルケル首相は、果たしてこの難局を乗り切れるのだろうか。(2017年1月24日開催島田塾第142回勉強会島田晴雄会長講演「2017年 年頭所感」より、全11話中第3話)
収録日:2017/01/24
追加日:2017/05/03
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

一人の人間の弱さを知り、弱者の視点に学ぶ

これからの社会と働くということ(6)生きる基本<下>

日本労働組合総連合会(連合)第6代会長の古賀伸明氏が「これからの社会と働くということ」について論じるレクチャーシリーズ。最終話は、働き・暮らし・生きる基本についての後編をお届けする。テーマは政策立案・実現能力の強...
収録日:2017/12/27
追加日:2018/03/15
古賀伸明
元日本労働組合総連合会 会長

アウグスティヌス:神は自分の外でなく内にあるという思想

西洋哲学史の10人~哲学入門(4)アウグスティヌス キリスト教の基礎

無味乾燥になりがちな宗教や哲学を、中世の哲学者であるアウグスティヌスは人間味のある文体と赤裸々な心情から論じた。現代キリスト教における教義を確立する中で彼が見いだしたのは、「人間はいかに救われるか」に関するそれ...
収録日:2018/02/09
追加日:2018/05/18
貫成人
専修大学文学部教授

デカルト:「我思うゆえに我あり」に込められた意味

西洋哲学史の10人~哲学入門(5)デカルト「我思うゆえに我あり」

近世の哲学者デカルトは、教会の権威が動揺していった同時代の状況の中で、疑いの余地がない確実なものとは何かを問題にし、その結果「我思うゆえに我あり」というフレーズに帰着する。専修大学文学部教授の貫成人氏は、この発...
収録日:2018/02/09
追加日:2018/05/25
貫成人
専修大学文学部教授

ニーチェ:超人、ニヒリズム…善悪は弱者の嫉妬心にすぎない

西洋哲学史の10人~哲学入門(10)ニーチェ 超人

ニーチェは牧師の家庭に生まれつつ、キリスト教の価値を全否定した。そこから見いだされた「強いニヒリズム」は、何が「善い」のかを価値付けするのが困難な中で、いかに現実と向き合うかを教えてくれる。こうした「超人」の思...
収録日:2018/02/09
追加日:2018/06/29
貫成人
専修大学文学部教授

エチオピア正教会から邪教とされる憑依儀礼「ザール」

映像で考えるエチオピア(3)宗教儀礼「ザール」とは何か

エチオピアの人々は実際に、どのように宗教を信仰しているのだろうか。国立民族学博物館人類基礎理論研究部准教授の川瀬慈氏は、エチオピア北部の「ザール」と呼ばれる憑依儀礼に着目する。霊媒者が精霊と人々のコミュニケーシ...
収録日:2018/07/13
追加日:2018/12/09
川瀬慈
国立民族学博物館学術資源研究開発センター准教授

元旦は9月、1年は13か月―エチオピアの複雑な暦

映像で考えるエチオピア(4) エチオピア暦とティムカット

多様な文化を持つエチオピアでは、暦も独特だ。長い歴史を持つエチオピア暦はグレゴリオ暦と異なり、新年は9月に始まる。また、13の月があり、ユニークな祝日も多くある。エチオピアの代表的なお祭り「ティムカット」の映像を観...
収録日:2018/07/13
追加日:2018/12/10
川瀬慈
国立民族学博物館学術資源研究開発センター准教授

一貫性と戦略性を欠くトランプの中東戦略

深刻な中東情勢(3)トランプ大統領の戦略と反発

トランプ大統領による中東政策では、何が重要で何が重要でないかが目くらましされているようだが、これは英語の"wag the dog"、日本語でいうところの「本末転倒」だと山内昌之氏は指摘する。確固たる政治戦略と軍事作戦をもつロ...
収録日:2018/11/29
追加日:2019/02/05
山内昌之
東京大学名誉教授

福沢諭吉の凄さ…どんな人物で何をしたのか?

明治維新から学ぶもの~改革への道(18)福沢諭吉と慶應義塾

福沢諭吉の著書『西洋事情』『学問のすゝめ』『文明論の概略』は今なお続くロングセラーとして、老若男女の向学心を後押ししている。では福沢諭吉とは一体どんな人物だったのか。明治維新においてどのような役割を果たしたのか...
収録日:2018/11/13
追加日:2019/05/04
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

キリスト教は他の一神教と比べ異質?神様と法律の関係性

宗教で読み解く世界(1)キリスト教の世界

橋爪大三郎氏が世界の宗教について解説するシリーズレクチャー。第1回目はキリスト教について。キリスト教はユダヤ教やイスラム教と同じく一神教だが、他の一神教と決定的に異なる考え方を持つ。橋爪氏はその違いこそが、西洋の...
収録日:2019/01/21
追加日:2019/05/18
橋爪大三郎
社会学者

イスラム教とアッラーの意味…キリスト教との関係と違い

宗教で読み解く世界(2)イスラム教の世界

イスラム教は唯一神アッラーを信仰し、預言者ムハンマドに下された神の啓示を記したコーランを第一の法律とする。そして、イスラムそのものが全ての一神教の中で一番格上と位置づけている。今回は日本人にとってなじみの薄いイ...
収録日:2019/01/21
追加日:2019/05/25
橋爪大三郎
社会学者

全人種をホモ・サピエンスと分類したリンネは画期的だが…

人類学と「人種差別」(1)キリスト教世界観と人類学

人類学が「人種」というものをどう定義し、扱ってきたかという経緯を解説するシリーズレクチャー。人類学の背景にはキリスト教世界観があるため、生物は神の下、「自然の梯子」の序列の中に置かれ、さまざまな人種についても多...
収録日:2019/03/04
追加日:2019/06/25
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長

ホッブス『リヴァイアサン』とスピノザ、ロック、ルソー

国家の利益~国益の理論と歴史(4)「リヴァイアサン」を考える

「リヴァイアサン」は、旧約聖書に登場する海の怪獣である。ホッブズは、その身体を無数の人民からなると考え、国家の象徴とした。「正当化された暴力の独占」を国家に見たのは後世のマックス・ウェーバーである。ホッブズの問...
収録日:2019/03/28
追加日:2019/06/30
小原雅博
東京大学名誉教授

明治期、日本の人類学者は「先住民」をどう捉えていたのか

人類学と「人種差別」(2)人類学の成立と先住民の扱い

人類学の成立期は、西欧諸国によって世界中が植民地化して征服されていった19世紀で、先住民への人権というものが広がっていない時代だった。その時、どのようなことが行われていたのか。先住民への扱いはどのようなものだった...
収録日:2019/03/04
追加日:2019/07/02
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長

枢軸時代に世界史の中で重要な思想家たちが登場

教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(3)神々の沈黙と枢軸時代

紀元前1,000年を迎えると、人間の世界は「神々のささやく世界」から「神々の沈黙」へと変化する。またこの時代は、世界史において非常に重要な思想家がさまざまな地域で登場した、「枢軸時代」でもあった。このような変化は、な...
収録日:2018/11/28
追加日:2019/07/20
本村凌二
東京大学名誉教授

一神教のキリスト教が広まった理由…迫害から公認への歴史

教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(4)一神教としてのキリスト教

一神教であるキリスト教の登場と普及は、世界史における重要な転換点である。キリスト教はなぜ普及したのか、そしてなぜローマにおいてキリスト教は迫害されたのであろうか。その理由が、一神教の特徴とローマの文化という観点...
収録日:2018/11/28
追加日:2019/07/27
本村凌二
東京大学名誉教授

「世界哲学」の可能性を日本から追求していく

西洋文明の起源から見るグローバル化(6)「世界哲学」

西洋文明の起源をたどりつつ世界のグローバル化を考えてきたが、現代の位置付けを探るには、ここにいたる全プロセスを俯瞰する必要がある。また、ギリシア・ローマの古典を現代にどう生かすかについても検討が必要だ。日本から...
収録日:2019/05/29
追加日:2019/08/01
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科教授

テンミニッツTVの3つの目的とリベラルアーツの全体像

われわれの求めるリベラルアーツの全体像

テンミニッツTVはさまざまな情報を提供しているが、大きな目的は3点に集約されるという。1点目は、対象の全体像を提供できるかということ。2点目は、その全体像の中で変化するダイナミズム、その方向性を読み取ることができるか...
収録日:2019/08/28
追加日:2019/10/11
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

音楽はなぜ時代を映し出すのか?…音楽と人の歴史の関係

クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教

「歌は世につれ」というように、音楽は常に時代性を色濃く表していく。「音楽ほど、当時の社会状況や人々の欲望、時代のニーズの影響をダイレクトに受ける文化ジャンルも少ない」と片山杜秀氏は著書の中で書いているが、それは...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/10/26
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

ルネサンス音楽とバロック音楽の違い…バッハの特徴とは?

クラシックで学ぶ世界史(2)宗教改革と音楽様式の変化

単純だったグレゴリオ聖歌がポリフォニーに変化したのは、社会の複雑化を反映したものだった。神の教えは教会が占有するものではなく、人が信仰の中に見いだすものだという動きを受け、音楽も民衆的になっていく。宗教改革が起...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/10/26
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

神に助けを求め、感謝を捧げながら作曲した天才・バッハ

バッハで学ぶクラシックの本質(4)バッハの作曲への姿勢

西洋クラシック音楽の源流は、宇宙までを巻き込んだ壮大な調和の世界の中に存在した。バッハはそうした流れを汲み、天才的な作曲家であったにもかかわらず、常に作曲に際して神に助力を乞い、そして作曲後は神に感謝していた。...
収録日:2019/09/19
追加日:2019/11/07
樋口隆一
明治学院大学名誉教授

油絵を完成させたヤン・ファン・エイクの驚くべき技法

ルネサンス美術の見方(3)ヤン・ファン・エイクの油彩技法

北方を拠点としたヤン・ファン・エイクは、油彩技法を完成させたルネサンス期の人物として名高い。外交官としての顔をも持ちつつ、作品の細部にさまざまな卓越した技巧をこらし、美術史上で最重要とも評される作品『ヘントの祭...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/11/07
池上英洋
東京造形大学教授

「最初の近代人」レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』

ルネサンス美術の見方(4)レオナルド・ダ・ヴィンチ~前編~

2019年は、レオナルド・ダ・ヴィンチの没後500年に当たるが、彼の功績はいまだに解読し尽くされていない。しかし、彼の重要性は、彼が「最初の近代人」であるという点にある。美を追求するだけでなく、観察に従った描写を目指す...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/11/13
池上英洋
東京造形大学教授

19世紀のドイツで起こった“バッハのルネサンス”

バッハで学ぶクラシックの本質(5)バッハのルネサンス

自分という小さな存在のためではなく、普遍的な宇宙を表現するために作曲をするというバッハの精神は、彼の死後100年たった19世紀に、幾人もの偉大な作曲家たちに受け継がれていった。こうしたクラシック音楽は、何かとわずらわ...
収録日:2019/09/19
追加日:2019/11/14
樋口隆一
明治学院大学名誉教授

ベートーヴェンの音楽にフランス革命の動乱が与えた影響

クラシックで学ぶ世界史(6)ベートーヴェンの時代-下

「分かりやすい、うるさい、新しい」、ベートーヴェンの前と後で、音楽は違うものになったといわれる。その理由は、彼が受け取り手である市民の状況と流行に細心な目配りをし、「今、時代が求めるもの」を真摯に追求していった...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/11/16
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

ルター派の音楽を受け継ぐ最後の後継者として現れたバッハ

バッハで学ぶクラシックの本質(7)宗教改革と音楽の変化

これまで見てきた教会音楽の隆盛は、宗教改革によって大きくその様相を変化させることとなる。腐敗した教会制度を厳しく批判し、宗教を一般人にも分かりやすいものとして身近なものとしたルター派の宗教改革は、よりなじみやす...
収録日:2019/09/19
追加日:2019/11/28
樋口隆一
明治学院大学名誉教授

文明の共通点は必ず大事な本があるということ

宗教で読み解く「世界の文明」(2)文明の本質と日本の特徴

文明の本質は、正典の存在にある。これにより、同じように考え行動する集団が形成されていった。それに対して日本では、独自のテキストが根付かなかったので、他国にはない方法で文化がつくられていった。(2019年11月12日開催...
収録日:2019/11/12
追加日:2020/05/03
橋爪大三郎
社会学者

イスラム教には民主主義や憲法といった考え方がない

宗教で読み解く「世界の文明」(3)一神教とイスラム教

一神教とは何か。もっとも理解しやすいのはイスラム教である。イスラム教の聖典であるコーランには、ムハンマドが啓示した神の言葉が書いてある。これにより、人々が従うべき法が示されることになる。(2019年11月12日開催日本...
収録日:2019/11/12
追加日:2020/05/10
橋爪大三郎
社会学者

ナショナリズムというやり方で出来上がったキリスト教文明

宗教で読み解く「世界の文明」(4)キリスト教

キリスト教は、聖書およびGodとJesusの関係によって説明される。聖書は法律ではないため、人々が世俗の法に従うことを許した。その結果、主権国家やナショナリズムの成立を促し、ヨーロッパ・キリスト教文明が確立した。(2019...
収録日:2019/11/12
追加日:2020/05/17
橋爪大三郎
社会学者

ヒンドゥー教のカースト制度への対抗の1つが仏教の真理

宗教で読み解く「世界の文明」(5)ヒンドゥー教と仏教

ヒンドゥー教におけるカースト制は、頂点にいるバラモンのみが宇宙の真理に到達できるという考え方からきている。インド文明はこうした発想を基礎として成立しているが、ヒンドゥー教の考え方・やり方に反対して起こったムーブ...
収録日:2019/11/12
追加日:2020/05/24
橋爪大三郎
社会学者

腐敗という深刻な問題を抱える中国が経験した歴史の教訓

宗教で読み解く「世界の文明」(8)質疑応答編その2

腐敗によって特徴づけられるという中国は、今後どのような動きを見せていくのか。重要なのは、すでに中国はアメリカとの戦いを本格化させているということである。講演後の質疑応答編その2。(2019年11月12日開催日本ビジネス協...
収録日:2019/11/12
追加日:2020/06/14
橋爪大三郎
社会学者

ペストが社会を大きく変えた…歴史に学ぶ感染症の影響力

コロナパンデミックと闘う世界と今後の課題(7)ペストと世界の大変化

歴史を紐解いてみると、現在の新型コロナウイルスと似た感染症として14世紀のペストと100年前のスペイン風邪が挙げられる。ペストは都市化の進展とともに現れ、主にヨーロッパで猛威を振るった。その結果、農奴制の解体やカトリ...
収録日:2020/07/16
追加日:2020/08/30
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

なぜ『ロビンソン・クルーソー』は“最初の近代小説”なのか

『ロビンソン・クルーソー』とは何か(1)読み続けられる18世紀の小説

『ロビンソン・クルーソー』といえば、無人島。知恵と工夫と冒険心あふれるヒーローとして、だれもが認識している。しかし、実際にその小説を読んだ人は意外に少ないのではないだろうか。この小説が出版された時代背景や著者の...
収録日:2020/07/22
追加日:2020/09/01
武田将明
東京大学総合文化研究科言語情報科学専攻教授

「人民の敵」と形容される主要メディアの報道が分断を加速化

2020年度独立記念日演説と第2次米国革命(2)主要メディアの偏向報道

トランプ大統領と米国主流メディアの対立ぶりは有名だ。氏は記者会見よりもツイッター発信を重視し、気に入らないメディアを「人民の敵」呼ばわりしてやまない。彼の「ラシュモア演説」に対して、主流メディアが待っていました...
収録日:2020/07/29
追加日:2020/10/01
東秀敏
米国安全保障企画研究員

コロナ禍で本当に安全を守っている政党はどこなのか

米中関係の行方と日本の今後を読む(4)国民を代表する党と対中強硬路線

コロナ禍において、米中両国でデモと鎮圧が起こり、メディアの映像を通して相似した図式が露わになっている。人類にとって究極の恐怖は安全を脅かされること。アメリカでトランプ大統領に対する支持が盛り返している背景には、...
収録日:2020/09/08
追加日:2020/10/10
小原雅博
東京大学名誉教授

「私は私でない私」李登輝は神の目で台湾統治を考えた

李登輝に学ぶリーダーの神髄(3)「我是不是我的我」

妻の影響で敬虔なクリスチャンだった李登輝。台湾統治も「イエス・キリストならどう考えるか」と神の目線で考えた。そんな李登輝は日本に対しても、「アメリカに依存している」などと厳しい目で見ていた。そこには青春時代を日...
収録日:2020/08/24
追加日:2020/11/11
江口克彦
株式会社江口オフィス代表取締役社長

中東での感染拡大の背景にある3人の独裁者とは

中東におけるコロナ問題(2)独裁者と陰謀論

多宗教、多民族ゆえに国家としてのまとまりに欠ける中東諸国は、国としての形式を維持するために独裁者を冠しているケースが少なくない。山内昌之氏はこの独裁者を「世俗的独裁者」「神権的独裁者」「超俗的独裁者」に分類し、...
収録日:2020/09/01
追加日:2020/11/10
山内昌之
東京大学名誉教授

コペルニクスによる地動説の再発見がもたらした影響

「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(3)宇宙観の変遷その2

「コペルニクスは地動説を再発見した」とは、どのようなことを意味しているのか。アリストテレスたちが発達させた天動説はその後体系化され、1000年以上も信じられてきたが、ルネサンス期になって一転。コペルニクスが登場し、...
収録日:2020/08/25
追加日:2020/12/27
岡朋治
慶應義塾大学理工学部物理学科教授

非常事態のときには独裁政を認めるべきなのか

独裁の世界史~ファシズム編(6)「デジタル独裁政」とどう向き合うか

独裁について考える上では、ヒトラーもそうだが、なぜそれが必然として起こったのかという問いから目を背けないことが重要である。かつてローマのシステムには独裁官と護民官があったが、現代の民主政下にそれに代わるものはな...
収録日:2020/01/30
追加日:2021/04/16
本村凌二
東京大学名誉教授

世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある

世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ

日本神話の特徴とはいったい何だろうか。世界神話と比べた際にもっとも大きな違いは、「人間の格づけ」である。では世界神話の中での人間の位置づけ、さらには日本神話の中での人間の位置づけは、どのようなものだろうか。(全9...
収録日:2020/10/05
追加日:2021/03/31
鎌田東二
京都大学名誉教授

八反田友則が絵に込めた、将来に対する「憧れ」と「呻吟」

「壁」ありてこそ(8)特別編:芸術の中の憧れと呻吟

 未来に残すべき芸術とはどのようなものか。今回、執行草舟は、まだ若き画家・八反田友則の作品を紹介する。若いがゆえに、一枚の絵に込めることができた「将来に対する憧れ」。一方、別の二枚に描かれたのは「混沌とした未来...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/04/09
執行草舟
実業家

古代国家が理想としたのは聖徳太子の「徳治政治」

「万葉集」の聖徳太子――語りかける人(5)聖の徳

聖徳太子の歌には後日談がある。太子があわれみをかけた行旅人は、死体を残さず消えていた。そう聞いた太子は「神様だったのかもしれない」という。聖を知る太子はまさに聖だと世の人は畏れかしこんだ。そのような太子の徳は、...
収録日:2021/06/04
追加日:2021/08/13
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)

不老不死と黄金のリンゴ…神話が教える世界と日本の違い

神話の「世界観」~日本と世界(4)不老不死と「黄金のリンゴ」

北欧神話と日本神話の決定的な違いは終末論の有無であり、そこから死の問題へとつながっていく。不老不死は人間の探求する一つの究極の理想ともいえるが、それと関連する神話として「黄金のリンゴ」という物語がある。それはど...
収録日:2020/12/07
追加日:2021/10/10
鎌田東二
京都大学名誉教授

ルターの宗教改革…「免罪符」は実は誤訳?真の意味は?

渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(2)カトリックとプロテスタント

渡部昇一氏は『わが体験的キリスト教論』(原題『ドイツ留学記(下)』)で、「猿の神学、猫の神学」という興味深い話を紹介している。これはカトリックとプロテスタントの違いを、動物の習性になぞらえて説明したものだが、こ...
収録日:2021/08/06
追加日:2021/10/30
渡部玄一
チェロ奏者

中華人民共和国憲法は人権型ではない

中国共産党と人権問題(5)そもそも人権思想と憲法とは?

中国の国際社会でのプレゼンスが高まると同時に、西欧諸国との思想的なズレも浮き彫りになっている。その原因として挙げられるのが、人権に対する位置づけの違いである。そもそもヨーロッパ・キリスト教社会で考えられてきた「...
収録日:2021/10/15
追加日:2022/01/21
橋爪大三郎
社会学者

中国が暴走しないように日本がやるべきこと

中国共産党と人権問題(6)米中対立で問われる日本の姿勢

中国の人権問題について考えるには、中華思想を背景とした統治システムを理解する必要がある。日本は中国の文化から多大な影響を受けつつ、西洋から人権の尊さを学んできた。米中の対立が激化する中、日本はどうあるべきか。(...
収録日:2021/10/15
追加日:2022/01/28
橋爪大三郎
社会学者

ユング的な生得説の可能性――深層心理に神話の原型がある

古事記・日本書紀と世界神話の類似(5)2つの類似要因

世界神話の類似には2つの要因が考えられる。一つは経験論的な「神話伝播説」で、もう一つがユング的な考え方による「生得説」だ。なぜ人類が違った場所で違った時代に同じ夢を見るといった、シンクロニシティのようなことが時空...
収録日:2021/09/29
追加日:2022/04/17
鎌田東二
京都大学名誉教授

キリスト教の死生観…カトリックとプロテスタントの違い

死と宗教~教養としての「死の講義」(2)キリスト教の「死」

一神教の考え方は、神が万物を創造したところから始まる。世界も生き物もみな、神の被造物だから、生き死にも神の意思のまま。では、この世界の終わり(終末)には何が待っているのか。キリスト教の死生観をのぞいてみよう。(...
収録日:2022/03/03
追加日:2022/04/18
橋爪大三郎
社会学者

「戦争は勝てば面白いから、みんなやる」という一面の真理

作用と反作用について…人間と戦争(4)出征した父の教え

プーチンはソ連時代のノーメンクラトゥーラの生き残りだが、ノーメンクラトゥーラには極めて狡猾で権力を守るためなら人殺しも辞さないところがある。悪い官僚機構は、ホッブズの言う「リバイアサン」のようなものなのだ。一方...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/07/22
執行草舟
実業家

東大EMP「知の共有」からテンミニッツTVの「知の革命」へ

テンミニッツTVが挑む「知の革命」

従来のメディアでは、多くの時間を割いて知識人・著名人に取材をするものの、使われる部分はほんの一握りであった。その形態を大転換させたのが「テンミニッツTV」である。その根底には、東大EMPが行っている「知の共有」を一般...
収録日:2022/05/16
追加日:2022/09/07
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

ヘシオドスの『労働と日々』で描かれた「5つの時代」とは

ギリシア神話の基本を知る(2) 5つの時代と歴史観

ギリシア神話では大地が誕生したのちの人間の誕生を、どのようなストーリーで語っているのだろうか。有名なヘシオドスは時代を5つに分け、次第に状況が悪化していく叙事詩を描いた。そしてこれは日本の神話には見られない傾向で...
収録日:2022/03/29
追加日:2022/08/25
鎌田東二
京都大学名誉教授

「無理難題物語」としての神話、解決する鍵は2つ

ギリシア神話の基本を知る(5)無理難題物語としての神話

世界の神話にはさまざまな「無理難題物語」が登場する。その典型はギリシア神話の苦難の道を歩む「ヘラクレスの選択」で、日本ではオオクニヌシ神話である。なぜ神話には無理難題物語が数多くあるのか。そしてそれが私たちに伝...
収録日:2022/03/29
追加日:2022/09/15
鎌田東二
京都大学名誉教授

「宗教の時代」が終わってしまったからこそ重要な長篇詩

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(1)霊性文明の時代に

執行草舟は、スペインの哲学者ウナムーノが著した『ベラスケスのキリスト』の本邦初訳を監訳した。本シリーズでは、この『ベラスケスのキリスト』について、その要点を解説していく。本書は20世紀初頭の哲学者であるウナムーノ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/09/09
執行草舟
実業家

近世の精髄、中世の精髄、近代の精髄とは何か?

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(5)ダンテ『神曲』とミルトン『失楽園』

『ベラスケスのキリスト』には「騒音と沈黙」「永遠と欲望」「霊と肉」などの対決が書かれている。その対決からウナムーノは、ヨーロッパの本質を紡ぎだした。本書を読めば錬金術やキリスト教、さらには現代科学までわかる。あ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/10/07
執行草舟
実業家

なぜ「無垢だった人たち」と一生涯対決するしかないのか

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(6)偉大な宗教家のエキス

昔の仏教者の生き方は武士道そのままであった。日本への渡海に失敗して失明しても挫けず、ついに日本にやってきた鑑真も、その一人である。大事なのは「脱ヒューマニズム」だが、今の西洋文明はキリスト教のいいとこ取りにしか...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/10/14
執行草舟
実業家

人類の未来を見るうえで一番いけないのは希望である

『ベラスケスのキリスト』を読み解く(8)永遠の命を描いた磔刑図

ウナムーノが対話の対象としてベラスケスのキリストを選んだのは、「永遠の命」を描いた唯一のものだったからである。ベラスケスのキリスト磔刑図は、どれだけ見ていても飽きない。これは「永遠」とつながることを意味する。ウ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/10/28
執行草舟
実業家

ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界

ユダヤ神話の基本を知る

ユダヤ神話はどのような構造と内容になっているのだろうか。世界の始まりと人類の始まり、そして文化の始まりのストーリーや死後の世界についてなど、ユダヤ神話に描かれた「この世界の成り立ち」に迫る。 ※インタビュアー:川...
収録日:2022/01/20
追加日:2022/12/25
鎌田東二
京都大学名誉教授

カトリックとプロテスタントの違いは?「救済予定説」とは?

「アメリカの教会」でわかる米国の本質(2)プロテスタントと「予定説」

日本人の中には、そもそもカトリックとプロテスタントの「一番の違い」がどこかも、よくわからない人が多い。さらに「誰が救われて、誰が救われないのかは、予め神様が決めている」という、プロテスタント(特にカルヴァン派)...
収録日:2022/11/04
追加日:2023/01/13
橋爪大三郎
社会学者

知っておくべきアメリカの5つのキリスト教宗派の特徴は?

「アメリカの教会」でわかる米国の本質(4)「5つの宗派」紹介

アメリカの教会には主だった宗派が30、諸派を合わせると約1000ものキリスト教信仰が存在する。今回ではその宗派の中から、イングランド国教会、会衆派、クエーカー、メソディスト、バプティストの5つについて紹介していく。アメ...
収録日:2022/11/04
追加日:2023/01/27
橋爪大三郎
社会学者

法の支配があるから自由がある…信仰の自由と政治の基本

「アメリカの教会」でわかる米国の本質(5)成文憲法・自由・人権・法の支配

植民地だったアメリカは、イングランド国王から独立するため、政府をつくり大統領を立てて独立戦争に臨んだ。そこで必要になったのがアメリカの基本的な考え方を書いた契約書で、それが成文憲法である。そこには条件があり、一...
収録日:2022/11/04
追加日:2023/02/03
橋爪大三郎
社会学者

逆遠近法のこころは「義ならざるものは結局、美ではない」

逆遠近法の美術論(3)高村光太郎の「義」と「真のリアリズム」

高村光太郎の「義ならざるものは結局美でない」を座右銘としている戸嶋靖昌記念館。この言葉は、芸術とは愛ではなく「義」のものであることを意味し、考え方として武士道に近く、イコン文明にも近い。「真のリアリズム」と聞い...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/03/24
執行草舟
実業家

「門」…「精霊に向かって行く」というメッセージ

逆遠近法の美術論(8)八反田友則氏の絵を鑑賞する-3

「愛だけが…」の次に描かれた「門」には、義を感じた。義とは神的使命のために幸福を捨てることでもある。人間的な愛の次に、それよりもっと深い、義のほうに傾いた愛に置かれているのだ。この絵からは旧約聖書の『詩篇』に書か...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/04/28
執行草舟
実業家

キリスト教以前はおおらかだった…古代ローマの遊女文化

江戸とローマ~娼婦と遊女(3)娼婦のインテリジェンスとキリスト教の影響

ローマ遺跡に娼家の痕跡はないが、後代のルネッサンス期イタリアではインテリジェンスが高く知的な高級売春婦が、貴族を顧客としていたことが分かっている。ローマ時代にはおおらかだった活動が、キリスト教支配を経て変化して...
収録日:2021/08/20
追加日:2023/05/01
本村凌二
東京大学名誉教授

ホッブズ、ロック…生命、自由、財産の権利をどう守るか

日本人が知らない自由主義の歴史~前編(2)「自由主義」の誕生

自由主義の登場は17世紀にさかのぼる。その頃、社会は相次ぐ宗教戦争等で政府への不満が高まっていた時期でもあった。そうした背景のもと、政府について議論を展開したのがホッブズやロックといった思想家たちだった。ホッブズ...
収録日:2022/07/01
追加日:2023/04/25
柿埜真吾
経済学者

嘘をつかなければ人を愛することができない場合もある

人生のロゴス(14)虚偽の真実とは何か

今の日本人は「虚偽は悪い」と思っているが、「嘘も方便」とあるように、いい虚偽もある。嘘をつかなければ、できないこともあるし、人を愛することもできない場合もある。そういうことが、現代人はわからなくなっている。その...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/08/25
執行草舟
実業家

「Thank you」か「I am sorry」か…日本人の癖とは?

『「甘え」の構造』と現代日本(2)日本人の自責意識と自由の限界

感謝の言葉として「Thank you」ではなく「I am sorry」と言ってしまう日本人の話が、『「甘え」の構造』に出てくる。そこから著者・土居健郎氏は日本人の本質、「甘え」の背景に迫ろうとしたが、與那覇氏はその分析にコロナ禍の...
収録日:2023/03/13
追加日:2023/06/03
與那覇潤
評論家

ノアの箱舟、ビール…人間の行動の原型とメソポタミア神話

メソポタミア神話の基本を知る(3)大洪水神話のルーツ

世界の神話には大洪水について語られているものが少なくない。現在、もっとも有名なのは『旧約聖書』に出てくる「ノアの箱舟」だろう。だが、世界中の大洪水神話のルーツは、実はメソポタミア神話にあるという。メソポタミア神...
収録日:2022/04/12
追加日:2023/06/28
鎌田東二
京都大学名誉教授

命よりも大切な掟のために自分の命を捧げることが文明

崇高と松下幸之助(2)文明と原始キリスト教

人類は今の文明の崩壊を迎えようとしている。松下幸之助はこのことをPHP理念の中で予言していた。では、なぜ崩壊してしまうのか。また、そもそも文明を創った正体とは何であったのか。ギリシャの哲学者であるソロンの言葉や原始...
収録日:2019/02/06
追加日:2019/04/08

無限経済成長を目指すなんて、おかしい

人間的魅力とは何か(3)日本人は、今や我利我利亡者だ

今、日本人は「幸福病」になってしまった。どこまでも経済成長したい、成功したいという欲望ばかりで生きているように見える。しかし、かつて宗教者たちは、「自我を捨てよ」と説いてきた。なぜ「自我を捨てるのか」。哲学的に...
収録日:2019/04/05
追加日:2019/06/07

1人の人間が心の底から信じたことを書いた本の力

読書と人生(2)「本当のことが書いてある本」の価値

本は「本当のことが書いてある本」を読むべきだという。つまり、ある1人の人間が、本当に信じたことを書いた本を読め、ということである。ヒトラーの『わが闘争』にせよ、マルクスの『資本論』にせよ、あれほどの人を巻き込んだ...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/08/23

天に向かう読書に没入、そして「ただ突き進め」!

読書と人生(4)読書だけが運命を知っている

いい人生を送った人とは、自分の運命だけに体当たりした人である。だが、自分の人生は誰にもわからない。だからこそ、読書をし、過去の偉い人もそうしてきたと知ることで、「自分もやるぞ!」という勇気を得るのである。そのた...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/09/06

「なぜ」と考え、わからぬものはわからぬまま受け入れよ

読書と人生(5)読書の根本は神秘との対面

昔の人間は、わからぬものは、わからぬままに受け入れた。夫婦でも、「男は女をわからない」「女は男をわからない」と考えていたからこそ、かえって離婚も少なかった。だが、いまは、みんな賢しらで「わかった」と思い込み、思...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/09/13

破壊されて立ち上がるところから始まる

読書と人生(10)思想とは破壊である

「怖さ」「恐ろしさ」がないものはダメである。成長のもとは「恐怖」なのだ。そもそも、すべての思想は破壊である。破壊されなければ建設はない。プラトンやアリストテレスから、ニーチェまで、みんなそうである。文学も、たと...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/10/18

なぜ、「大衆民主主義」の「間違いを排除する社会」は滅びるのか

魂の芸術(8)民主主義は再考せられねばならない

大衆民主主義が絶対に滅びることは、すでにキルケゴールや、オルテガが喝破していることである。しかも、日本や独仏など多くの国が、「間違いを排除する」社会になってしまっている。だから、子どもがケンカすらできないような...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/27

ポピュリズム化する社会で「正しさ」をどう考えるべきか

哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(7)ポピュリズムと言葉の問題

今日のポピュリズム的潮流に対して、古代哲学の「正しさ」の観念はいかに示唆を与えてくれるのか。ポイントとなるのは、「正しさ」が原理原則によって判断される法廷的なイメージではなく、文脈依存的な「正しい人」に向かうプ...
収録日:2019/10/26
追加日:2020/03/23

昔の民主主義は全部「神を持っていた」

民主主義の根源とは(1)民主主義は宗教から起こった

執行草舟が民主主義の根源に迫る、全6話シリーズ。世界中が民主主義となった現代では、「民主主義を知ること」は人生をよく生きるうえで必要不可欠である。今の日本人は民主主義を「甘え」に使ってしまっているが、本来は「自分...
収録日:2019/12/25
追加日:2020/03/27

民主主義という「史上最低の宗教」に覆われた時代

民主主義の根源とは(2)人間が神になった社会の危険性

よく知られているようにアメリカ合衆国を生んだのはプロテスタント信仰だった。神の代理人たる教会から免罪符をもらえるカトリックと違い、プロテスタントは一人ひとりが神と対面する。そしてプロテスタントと同様の良心を持つ...
収録日:2019/12/25
追加日:2020/04/03

民主主義は、餌に食いつく民主主義者には決してわからない

民主主義の根源とは(6)絶対者なき民主主義は手前味噌

民主主義という制度を作り出した最初の1人である古代ギリシャの政治家・ソロンは、「我々は人間なのだから、人間のことを思わなければいけないと言う人たちに従ってはならない」という言葉を残したと言われる。自分たちで自分た...
収録日:2019/12/25
追加日:2020/05/01

自分が死んで次の生命を生む自己犠牲的な「星」のシステム

毒を食らえ(2)なぜ宇宙の本質が「愛」なのか

 キリスト教にも仏教にも「すべてを捨てよ」と説く厳しさがあった。なぜなら、本当の愛とは、どんな危険にあっても、自らを顧みず、危険を冒して自分のなかの犠牲的精神を発揮することにあるからである。すべての星も、自らの...
収録日:2020/10/13
追加日:2020/12/25

カストロとゲバラは「生命の本当の真実」を知っていた

毒を食らえ(5)信じるものに殉じる覚悟

「そうすれば、結果的に成功するのですね」。このような「成功」や「評価」という結果から逆算する考え方は、間違っている。キリスト教も、本来は「聖書のために死ぬ」というのが基本であった。もちろん、結果として成功するこ...
収録日:2020/10/13
追加日:2021/01/15

「愛」こそが宇宙の根源、それを認識するのが人類の役目

脱人間論(3)なぜ大宗教家たちは「愛」を語るのか

「愛」を認識する力を持っていることが、人間が他の動物と違うところであり、世界中の宗教家が語っているのも「愛を認識せよ」ということである。宇宙のシステムは、寿命がきた星が爆発して星雲となり、やがてそこからまた新し...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/07

ニーチェの「神は死んだ」という言葉は、400年間の総決算

脱人間論(4)人類は「戻る」ためのホックさえ失った

宇宙には神の摂理があるが、それを捨てた始まりがルネサンスの人間中心主義で、その行き着く先が20世紀の物質文明である。信仰心を失いながらも「信仰心は大事だ」と思い、葛藤(かっとう)していたのがヴィクトリア朝のイギリ...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/14

トインビーが述べた、民族が滅びる「3つの条件」とは?

脱人間論(11)理想、歴史、数量化

20世紀以降、「ヒューマニズム」の名のもと、世界中でエリート教育をしなくなった。だが昆虫ですら、エリートがいなくなれば、その種は滅びる。人類が築き上げてきた諸文明にも、エリート製造システムが機能していた。歴史家の...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/07/02

『葉隠』の「同じ人間が、誰に劣り申すべきや」を信じて

憂国の芸術(2)ベートーヴェン第5交響曲と内村鑑三全集

執行草舟は、ベートーヴェンの交響曲第5番も小学5年から毎日欠かさずに聞き続けた。すると、ベートーヴェンが音符として打ち込んだ言葉の意味が、全部分かるようになった。内村鑑三も好きで、小学生のときから読んでいた。30歳...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/01/21