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「芸術」の検索結果

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「ずる賢い考え方」をしたがる人類に科学や民主主義は無理

電脳社会の未来(8)やはり最後の記念碑は芸術である

「法の前の平等」は、人間が裁判官をやっている限り絶対に達成できない。人間は平等、正義、科学を標榜しているのに、例えば、縁故とずる賢さと自分だけうまいことをしたいという、さもしい根性を捨てないからだ。AIに、全面的...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/11/03
執行草舟
実業家

「磔刑 再会」「磔刑 ただひとつ」…芸術の見方とは?

逆遠近法の美術論(6)八反田友則氏の絵を鑑賞する-1

最初に作品解説する八反田友則氏の絵は二つの「磔刑」。一つ目の絵には「磔刑 再会」という題名が付けられている。この絵には、天から降り注ぐ精霊を感じる。それは三島由紀夫が『豊饒の海』で表そうとした仏教の唯識論に出て...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/04/14
執行草舟
実業家

ショパンはいかにマズルカを芸術的な作品に高めていったか

ショパンの音楽とポーランド(3)ショパンのマズルカ

ピアノ演奏と講義でショパンを追う連続シリーズ第3話では、「ショパンとマズルカ」に焦点を当てる。ショパンの心の日記とも称されるマズルカ。実にショパンは、生涯で50曲以上も作曲している。元々、農村の楽しい民族舞踊であっ...
収録日:2022/10/13
追加日:2023/03/30
江崎昌子
洗足学園音楽大学・大学院教授

一直線…コシノ芸術の「生命的自由」と「重力」の代表例

勢いと余白(11)作品を味わう…一直線

「一直線」もコシノ芸術の典型の一つである。暗黒の中を1本の「金」が垂直に流れている。これは、宇宙の生命エネルギーの「垂直軸」の流れを表している。この作品をコシノジュンコ氏は、那智の滝を「日本の一番の象徴」と言っ...
収録日:2022/10/06
追加日:2023/02/24

『潮騒』と『太陽の季節』…美への憧憬vs煽情的な太陽族

石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(4)三島と石原の芸術性は対極的

三島由紀夫と石原慎太郎はほぼ同時代に活躍した作家であるといえる。しかし、二人の作品を見ると、似たモティーフを用いつつも、その扱い方が全く異なることが見て取れる。交流があり影響し合った二人が、それぞれ何に重きを置...
収録日:2022/03/18
追加日:2022/06/29
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

愛のために一生苦悩するか、魂の苦悩を捨てて幸福になるか

憂国の芸術(9)人間は家畜に向かっている

カトリック信者だったミゲール・デ・ウナムーノは、「人間とは、愛のために一生苦悩して生きるか、それとも魂の苦悩を全部捨てて幸福になるか、どちらかしかない」と書いた。しかし、今を生きる人間の多くが、苦悩を捨てて、「...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/03/11

西郷隆盛と山岡鉄舟の友情と燃える想いが込められた書

憂国の芸術(8)西郷隆盛と山岡鉄舟の「友達の書」

「憂国の芸術」には西郷隆盛と山岡鉄舟の書もある。今回紹介する西郷隆盛の書は、執行草舟が「友達の書」と名づけたもの。政府の特使として西南戦争を止めに来た山岡鉄舟に送ったものである。死を決して薄墨で書かれ、これを見...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/03/04

ウナムーノが霊的体験を記した『ベラスケスのキリスト』

憂国の芸術(7)ウナムーノの『ベラスケスのキリスト』

芸術作品にほれ込んで、素晴らしい体験をした一人にスペインの哲学者ミゲール・デ・ウナムーノがいる。彼はベラスケスの描いた「十字架上のキリスト」の絵が好きで、プラド美術館でいつもキリスト像と対面しているうちに、キリ...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/02/25

真に優れた芸術は「汚い色」が「綺麗な色」になる

憂国の芸術(6)泥水を描いて「蓮の花」になる

洋画家 戸嶋靖昌は「優れた芸術は、汚い色が綺麗な色になる」と言った。同じことはコシノジュンコ氏の絵にも言える。まさに泥水を描いているように見えて「蓮の花」が現われてくるのが、真の芸術家なのである。ところで、芸術作...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/02/18

なぜコシノジュンコは60年以上、トップを維持できるのか

憂国の芸術(5)一流であり続けることのすごさ

「現世的に成功するかどうかは、親や先祖で決まる」と考えれば、成功しなくても気にする必要はなくなる。自分とは関係ないことだからだ。コシノジュンコ氏がすごいのは、19歳で賞を獲って以降、80歳を超えても一流を維持してい...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/02/11

現世で成功できるかどうかは本人ではなく親や先祖で決まる

憂国の芸術(4)現世的成功をもたらす「徳」の根源

コシノジュンコ氏は戦後の焼け野原だった大阪から出てきた。日本が豊かになると、彼女のような強い個性の作家は出なくなった。強い個性は枯渇感がなければ出てこないのだ。ところで、コシノジュンコ氏はとても温かくて親切で、...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/02/04

コシノジュンコの絵画作品に感じる「真の反骨精神」

憂国の芸術(3)コシノジュンコの魂と芸術

一番新しい執行草舟コレクション収蔵作品は、ファッションデザイナーのコシノジュンコ氏の絵である。彼女と話すと、日本人の燃える魂を感じる。そして、コシノ氏の母も、とても素晴らしい。生活そのものが芸術になっているよう...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/01/28

『葉隠』の「同じ人間が、誰に劣り申すべきや」を信じて

憂国の芸術(2)ベートーヴェン第5交響曲と内村鑑三全集

執行草舟は、ベートーヴェンの交響曲第5番も小学5年から毎日欠かさずに聞き続けた。すると、ベートーヴェンが音符として打ち込んだ言葉の意味が、全部分かるようになった。内村鑑三も好きで、小学生のときから読んでいた。30歳...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/01/21

良き日本人の魂を思い出すのは芸術作品と会ったときだけだ

憂国の芸術(1)芸術作品こそが心を動かす

執行草舟が、自身の芸術コレクションの中から、コシノジュンコ氏の作品などを紹介するシリーズ。執行草舟は、芸術として優れているのに加え、魂の燃焼に命をかけて生きた人たちの作品を「憂国の芸術」と名づけて集めている。そ...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/01/14

八反田友則が絵に込めた、将来に対する「憧れ」と「呻吟」

「壁」ありてこそ(8)特別編:芸術の中の憧れと呻吟

 未来に残すべき芸術とはどのようなものか。今回、執行草舟は、まだ若き画家・八反田友則の作品を紹介する。若いがゆえに、一枚の絵に込めることができた「将来に対する憧れ」。一方、別の二枚に描かれたのは「混沌とした未来...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/04/09
執行草舟
実業家

「本物の芸術作品」には、作者のすべてが入っている

「壁」ありてこそ(6)作品の中に生きつづける魂

価値のあるものを残しておけば、何百年経とうが、才能のある人がその魂を受け取ってくれる。そう思って魂の芸術を集めている。優れた芸術には、作者自身の人となりがすべて入っている。だから『万葉集』を読めば当時の人と会話...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/03/26

もはや純粋に生命を捧げることができるのは「芸術」のみ

「壁」ありてこそ(4)そして芸術のみが残った

コロナ禍で世界中が右往左往しているのも、信仰を失った結果である。天皇への尊崇の心があれば、総理大臣も国民に、病気の根絶か経済の建て直しかという選択を迫ることができた。物事をやるには必ず痛みを伴うのに、それを「我...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/03/12

芸術の深みや豊かさを決めるのは「人間の器」か「血」か

渡部昇一に学ぶ教養と明朗(8)芸術の「特性」とは何か

20世紀の大ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタイン。彼の自伝は、『チャップリン自伝』並におもしろい。彼は若いころ遊びまくり、数多くの武勇伝を残してきた。だが、第二次世界大戦を機に、音楽の深みが増していく。そ...
収録日:2020/09/09
追加日:2020/11/27

滅びるとき、多くの人は「理想社会が実現した」と思うだろう

魂の芸術(10)人間が「自分のオリジナル」で生きる社会

IT産業の社長などが言うような、人間が遊んで暮らせる社会、社会保障が行き届いて、AIロボットが嫌な仕事は全部やってくれて、人間は嫌な労働もしないような社会は、きっと実現するだろうが、そう考えることによって実は人類が...
収録日:2019/09/11
追加日:2020/01/10

本当のことは「身も蓋もない」、身も蓋もあるのは「きれいごと」

魂の芸術(9)本当に社会を動かす「悪」の力とは

「家族を捨てた人間は冷たい悪人だ」というなら、仏陀は、まちがいなく「冷たい悪人」の代表例になってしまうだろう。逆にいえば、それが真実なのだ。女房子どもも捨てるような非情な男でなければ、社会を指導するなどというこ...
収録日:2019/09/11
追加日:2020/01/03

なぜ、「大衆民主主義」の「間違いを排除する社会」は滅びるのか

魂の芸術(8)民主主義は再考せられねばならない

大衆民主主義が絶対に滅びることは、すでにキルケゴールや、オルテガが喝破していることである。しかも、日本や独仏など多くの国が、「間違いを排除する」社会になってしまっている。だから、子どもがケンカすらできないような...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/27

偉大な芸術家の「魂を共有する力」

魂の芸術(7)肖像画に見る「根源的共同化」とは

戸嶋靖昌の肖像画は、描く対象の顔と、戸嶋自身の顔が融合している。これこそ、まさにハイデッガーがいう「存在の根源的共同化」なのである。だから、その肖像画は、描く対象には似ていない。だから、戸嶋の肖像画はお金にはな...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/20

自己の魂を信じ、そのなかに芸術を押し込めよ

魂の芸術(6)「自分が愛する芸術」を持つ大切さ

芸術作品について、誰かの解釈を信じたら、その芸術は自らの魂には響いてこない。どの芸術に、どのようなつながりがあるのか。精神的な連関性はどこにあるのか。それらはすべて自分自身で感じ取るべきものなのである。自らの魂...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/13

戸嶋靖昌と平野遼の絵に込められた魂

魂の芸術(5)「宇宙の呼吸」―求心と遠心

戸嶋靖昌は、がんを宣告され、自らの余命を2カ月~3カ月と聞いてから、最後に作品を完成させたいと、治療も受けずに絵を描くことに打ち込み、それが絶筆となった。戸嶋の絵の凄い点は放散していく力。いわば遠心力である。一方...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/06

「正しい」を信じるな、「間違い」のほうが役に立つ

魂の芸術(4)オリジナルとは「間違い」である

松下幸之助は、サミュエル・ウルマンの「青春」という詩を好んだが、自分で好きなところだけを、自己流にピックアップして飾っていた。「自分はこれが好きだ」ということが大切なのであって、それが正しいとか正しくないという...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/11/29

音楽家を「職人」から「芸術家」に劇的に変えた楽聖

ピアノでたどる西洋音楽史(5)「芸術家」ベートーヴェンの凄さ

楽聖ベートーヴェンの存在は、フランス革命を抜きには語れない。また、音楽を娯楽から芸術の地位に高め、音楽家を職人から芸術家へ、歌中心だった楽曲を器楽中心に発展させるなど、音楽史上に数々の革命的変化をもたらしたのも...
収録日:2019/09/04
追加日:2019/11/22
野本由紀夫
玉川大学芸術学部芸術教育学科 教授

なぜ「魂を燃焼させる」芸術を後世に残すべきなのか

魂の芸術(3)芸術だけが魂を賦活する

芸術だけに、魂を揺さぶる力がある。だからこそ、そのような芸術を集め、後世に残していかなくてはならない。感性は「頭」ではよみがえらない。「心」からよみがえるのである。200年後、もし日本人の魂がもう潰れていたとしても...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/11/22

宗教や芸術のために命を投げ出した人こそ幸せである

魂の芸術(2)命を燃やした芸術

人間は「命懸け」のものに感動する。銀行強盗を描いた映画でも、その命懸けの姿を見せてくれるものは、感動するのだ。古来、大宗教家たちは、「俺のために、お前が死ね」と言えるような人だった。明治国家も、全盛期のアメリカ...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/11/15

800年間の涙が沈み込んだ絵

魂の芸術(1)戸嶋靖昌との運命的出会い

執行草舟は、画家・戸嶋靖昌の「街・三つの塔-グラナダ遠望-」という絵を見て、この画家にぞっこん惚れ込み、肖像画の制作を依頼した。なぜ惹かれたか。それはその一枚の絵に、800年間の悲しみが沈み込んでいると感じ、空気中...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/11/08

「芸術家気取り」のネロは民衆には人気があった

ユリウス・クラウディウス朝~ローマ史講座Ⅵ(4)ネロ(上)

暴君の代名詞とされるネロ皇帝。しかし、その初期治世は「善政」に始まったと早稲田大学国際教養学部特任教授の本村凌二氏は言う。16歳で即位した彼の側近には哲学者セネカが控え、生来の派手好きな面は民衆に愛されたという。...
収録日:2017/08/07
追加日:2017/09/15
本村凌二
東京大学名誉教授

ワインは芸術品、日本酒や和牛は?…銘柄とブランド戦略

あなたは「お米」を食べていますか?

 皆さんは、「お米」や「日本酒」などの一般名詞で物を買ったり食べたりしていないのではないでしょうか――曽根泰教氏はこのように問う。それならば私たちは、一体何を買ったり食べたりしているのだろうか? 曽根氏がブランド...
収録日:2014/05/28
追加日:2014/07/17
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

「などてすめろぎは人間となりたまいし」という叫びの真実

「壁」ありてこそ(5)天皇の人間宣言と三島由紀夫

三島由紀夫は、戦後、マッカーサーの命令で出された昭和天皇の「人間宣言」を嘆いた。そして自らの作品『英霊の聲』で「などてすめろぎは人間(ひと)となりたまいし」という叫びを奔出させた。しかし、「なぜ、人間なんかにな...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/03/19

逆遠近法のこころは「義ならざるものは結局、美ではない」

逆遠近法の美術論(3)高村光太郎の「義」と「真のリアリズム」

高村光太郎の「義ならざるものは結局美でない」を座右銘としている戸嶋靖昌記念館。この言葉は、芸術とは愛ではなく「義」のものであることを意味し、考え方として武士道に近く、イコン文明にも近い。「真のリアリズム」と聞い...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/03/24
執行草舟
実業家

スーッと流れる道を行く…「運命を受け入れる」とは?

勢いと余白(9)生命的自由、運命、逆遠近法

生命は表現しようとすると、嫌味になる。だからそれを表現するのは難しい。だが、コシノ芸術はそれが本当に綺麗に表わされている。コシノ芸術とは、人間賛歌であり、生命的自由の賛歌なのである。そのコシノ芸術の特長は、コシ...
収録日:2022/10/06
追加日:2023/02/10

『ベラスケスのキリスト』に感応した絵画とイコンの文明

逆遠近法の美術論(1)八反田友則の絵とビザンティン文明

芸術家・八反田友則氏は『ベラスケスのキリスト』(ミゲール・デ・ウナムーノ著)を読んで感応し、それをもとに描いた13点の絵を執行草舟コレクション・戸嶋靖昌記念館に寄贈した。その寄贈された絵を見て執行草舟は、自身が集...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/03/10
執行草舟
実業家

遠近法は「見る」文明、逆遠近法は「見られる」文明

逆遠近法の美術論(2)遠近法と逆遠近法

遠近法は西欧文明がルネッサンスの時代に発明したもので、我々が見たとおりに表現する。この「遠近法の思想」から、民主主義も生れ、科学文明も生まれた。一方、イコンに象徴的に示される「逆遠近法」は、原始性を持ち、複眼的...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/03/17
執行草舟
実業家

東洋では西洋と違い、自然の力を重視する

岡倉天心『茶の本』と日本文化(5)自然にゆだねる

『茶の本』第五章は「芸術鑑賞」、第六章は「花」である。ここに共通するテーマは「相手」。芸術や華道において、相手に自分を預けて委ねる大切さとは、どういうことなのだろう。東京女子大学名誉教授の大久保喬樹氏にご案内い...
収録日:2018/05/22
追加日:2018/07/01
大久保喬樹
東京女子大学名誉教授

2015年7月にはスマートホテル「変なホテル」開業!

再生ハウステンボス―止まらないイノベーション

当初から「観光ビジネス都市」を目指した新生ハウステンボスだが、5年目の今年はよりダイナミックな展開が始まった。医療観光とスマートホテル開業。そして、その裏では新ビジネス実験場として、広大な敷地が存分に活かされてい...
収録日:2015/03/05
追加日:2015/04/27
澤田秀雄
株式会社エイチ・アイ・エス 最高顧問

東京藝術大学のAIを活用した「新しい伝統の創造」

「舞・飛天遊」―東京藝術大学COIのチャレンジ

東京藝術大学は、文部科学省と科学技術振興機構が開始した「革新的イノベーション創出プログラム(COI)」の拠点として、芸術と科学技術の異分野融合など、さまざまな試みに着手している。今回は、AIを活用して新たな「感動」を...
収録日:2017/11/16
追加日:2017/12/29
松下功
元東京藝術大学副学長

ヨーロッパ中が感染したワーグナーの凄さ

クラシックで学ぶ世界史(9)帝国をつくったオペラ

ベートーヴェンを音楽の理想としたワーグナーは、彼のオペラに不満があった。より良い物語による演劇と舞踊と音楽を一体にした「総合芸術」こそ、ワーグナーの目標となる。さらにユダヤを仮想敵に据えて、空前絶後のナショナリ...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/12/07
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

幕末維新の英傑たちは、皆、生命を捧げた人たちだった

「壁」ありてこそ(7)命を投げ捨てる覚悟はあるか

偉大な民主主義国家だった時代のアメリカは、「国のために何ができるかを考えろ」と言ったケネディが当選できた。今の日本に、それを言える政治家がいるのか。王岐山が、日本の若手政治家たちに三島由紀夫や太宰治のことを聞い...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/04/02

影の構成Ⅱ…優れた作品は断片でも優れている

勢いと余白(10)作品を味わう…影の構成Ⅱ

コシノジュンコ氏の作品「影の構成Ⅱ」を鑑賞する。この作品は、「重さ」の中にある「自由さ」を感じる作品である。黒と白のバランスが絶妙だが、コシノ氏は陰と陽の「太極」のあり方を意識しているという。常に二つで、一つで埋...
収録日:2022/10/06
追加日:2023/02/17

欧米の落ち方は日本の比ではない…これは「人類問題」だ

電脳社会の未来(9)この堕落は「人類問題」

かつて国家は、「働くことが好き」「勉強が好き」という人たちに支えられていた。だが今や、その文化を国家が否定している。知性や合理性、平等、民主主義、科学は全てAIに移行し、われわれホモ・サピエンスが担うのは悪いもの...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/11/10
執行草舟
実業家

燃える魂の痕跡――執行草舟コレクション

人間的魅力とは何か(特別篇1)民族の「魂」を呼び覚ませ

執行草舟は、「人間の魂を本当に伝えられるものは、残っている芸術作品だ」という信念に基づいて、書画を蒐集している。その作品から、作者の魂が確かに伝わってくるのである。この「特別篇」では、そのようにして集められた芸...
収録日:2019/04/05
追加日:2019/07/19

20世紀のクラシック音楽の特徴と「2つの方向」とは?

クラシックで学ぶ世界史(12)革命と戦争の20世紀音楽

20世紀の大衆の時代を迎え、音楽は国民を総動員するため、一層の分かりやすさを求められるようになる。また一方では、進歩の時代を体現するように、「新しさ」が最大のテーマにもなる。第二次大戦後の冷戦時代、東西の音楽はど...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/12/28
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

年齢を「なし」にすれば、みんなが平等になり面白くなる

勢いと余白(5)肉体にも年齢にも囚われない

コシノジュンコ氏はブロードウェイミュージカル『Pacific Overtures』の100着以上ある衣装のすべてを3日でデザインした。これは、江戸時代から、明治、さらに現代にまでわたる衣装のデザインだった。映画『火の鳥』の衣装デザ...
収録日:2022/10/06
追加日:2023/01/13

「これが日本よ!」独立宣言の町で遭遇した、しつらえの感動

『歩こうアメリカ、語ろうニッポン』レポート(4)フィラデルフィア篇-1 美術館の茶室と浮世絵に見る貴重な日本研究

 『歩こうアメリカ、語ろうニッポン』の旅も後半となり、島田晴雄氏以下メンバーはいよいよ「独立宣言の町」フィラデルフィアへ。フィラデルフィア美術館にあるのは、ロッキーが駆け上がった階段だけではない。日本の美術を研...
収録日:2014/06/24
追加日:2014/09/04
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

「音楽の父」と呼ばれたバッハが影響を与えた名作曲家たち

バッハで学ぶクラシックの本質(9)「音楽の父」の晩年

バッハの晩年は、ヨーロッパの歴史を受け継いできたという自覚を持ち、非常にスケールの大きな曲を作っていった時代であった。最後の曲、「ミサ曲ロ短調」もおそらくカトリックの影響下で書かれており、キリスト教との強い関係...
収録日:2019/09/19
追加日:2019/12/12
樋口隆一
明治学院大学名誉教授

「努力する天才」が最初に世に知られたのは早稲田の応援歌

古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(3)大衆性の意味を知る

コロムビアの作曲家になった古関裕而を待ち受けていたのは、自分の求める音楽性と、ヒット作に求められる大衆性との矛盾だった。葛藤すること8カ月、苦悩しながらレコード化に漕ぎ着けるも、鳴かず飛ばずの日々。そんな時に出会...
収録日:2020/08/18
追加日:2020/10/13
刑部芳則
日本大学商学部准教授

AIはヒット商品を予測できるか…人間の真の創造性とは?

ChatGPT~AIと人間の未来(4)AIは未来を読めるか

AIはヒット商品を予測できるのだろうか。これは論争的な問いだが、ヒット作品に一定の傾向はあるだろうから、「そこそこのもの」はできる可能性がある。だが、AIに丸投げしてしまったら、人間の芸術は破壊されてしまうのではな...
収録日:2023/03/15
追加日:2023/06/08
西垣通
東京大学名誉教授

「着順」は分かりやすいが「判定」や「審査」は難しい

評価をめぐる三つの問題

陸上競技や水泳のように「着順」を競う競技の勝敗は分かりやすいが、体操や柔道などの判定は難しい。「評価」の中に「判定」や「審査」が入ってくるからだ。それらの関係は一体どうなっているのか。また、一点刻みで入試の合否...
収録日:2016/08/29
追加日:2016/09/16
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

マーラーの交響曲はなぜそれほどまでに愛されているのか

クラシックで学ぶ世界史(10)マーラーと国民楽派

マーラーの人気は今やベートーヴェンに匹敵するほどだが、同時代の評価は今ほど高くなかった。彼の音楽が、当時残照を迎えていたハプスブルク帝国のさまざまな響きを映してやまず、ややもすれば混沌となることを恐れない複雑さ...
収録日:2019/08/26
追加日:2019/12/14
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授

人間の命を「数量」で考えて経済や国の活力を論じるバカ

脱人間論(9)ちょっとした幸福が欲しくて破滅を招く

自分の人生を体当たりで生きていれば、死ぬときもジタバタしない。死を宣告されて慌てるのは、何も考えない人生を送った人である。人口についての考え方も、日本ではおかしくなっている。子どもの数が減って「国の活力がなくな...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/06/18

プラトン対アリストテレス、模倣の是非をめぐる悲劇論争

ギリシア悲劇への誘い(3)悲劇をめぐる哲学論争

ギリシア悲劇は文学の領域にとどまらず、哲学にも大きな影響を与えた。プラトンは「模倣(ミメーシス)」は本物から離れているとして悲劇を否定したのに対して、アリストテレスは逆にその概念を用いて悲劇を肯定した。師弟関係...
収録日:2021/03/30
追加日:2022/02/08
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

なぜ「ジョブズと仕事をすると限界を突破できる」のか

スティーブ・ジョブズの成功哲学(7)才能とお金をどう生かすか

開発者としてだけではなく、経営者としても卓越した才能を持っていたスティーブ・ジョブズは、アップルに復帰後、当時どん底だったアップルを劇的に復活させ、世界を代表する企業に押し上げた。相手の才能を引き出す考え抜かれ...
収録日:2022/03/15
追加日:2022/06/04
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト

武士道で生きれば、すべてのことを当事者として考えられる

作用と反作用について…人間と戦争(3)相手の身になって考えよ

日本人は日米安保を信じているが、あれは張り子の虎に過ぎない。いざ戦争が起こればアメリカは日本から引いてしまうだろう。こんなことは歴史の常識である。そのことに真っ正面から向き合わない日本人は、まだ奥底は純真なのだ...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/07/15
執行草舟
実業家

詩人追放論と劇場型政治の批判…イデア論の本質と模倣

プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(15)詩人追放論

プラトンの評判を落としている「詩人追放論」には、存在論的議論と心理学的議論の2つの側面がある。存在論的議論では、「寝椅子のイデア」という話を用いながら、ホメロスの作品を標的にして詩というものの存在意義について挑戦...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/03/24
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科 研究科長・学部長・教授

描きたいけれど手が動かなくなる…余白を残す「感性」とは

勢いと余白(8)余白をどのようにデザインするか

コシノジュンコ氏は、自分がもっと描こうと思っても、本能的に手が動かなくなるという。優れた芸術はみな「足りない」「未完」の部分がある。そうした作品にするには一歩引いて見る視点が大事である。そしてそこには、いい塩梅...
収録日:2022/10/06
追加日:2023/02/03

「私=私」ではなく「私は私ではない」

逆遠近法の美術論(4)霊性文明と「脱聖化」

仏教大国のミャンマーではコシノジュンコ氏のファッションショーが喝采を浴びたが、東洋で評価されるのは平面図で、本来はこれこそが人間の循環の文明の発想である。そのことを理解するためにも八反田友則氏の絵を見てほしい。...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/03/31
執行草舟
実業家

『古今和歌集』仮名序とは…日本文化の原点にして精華

『古今和歌集』仮名序を読む(1)日本文化の原点となった「仮名序」

「やまとうたは、ひとのこころをたねとして」と始まる『古今和歌集』の「仮名序」は、歴史を超えて人の心に響く名文として名高い。著者は撰者の一人である紀貫之。ここでは、日本最初の勅撰和歌集である『古今和歌集』の編纂宣...
収録日:2023/07/05
追加日:2023/11/15
渡部泰明
東京大学名誉教授

毎日「人助けしなければならない」と言われれば嫌になる

価値と人間(3)なぜニュース番組を見られないか

いま、テレビニュースを見ることができないと執行氏はいう。60分のニュース番組でも、ニュース報道の時間はごく少なくなっている。テレビ全体としても、クレームを恐れ、本当に優れた者、強い者を取り上げる番組が作れなくなっ...
収録日:2024/01/31
追加日:2024/04/12

イスラエルの高い防衛意識と世界一の新規ビジネス開業率

イスラエルの今

あらゆる組織に「国際戦略」が求められる昨今、日本人の多くが身に付け損なっている世界の常識がある。それは、世界の大多数の国が直接・間接に関わるパレスチナ問題、とりわけイスラエルとユダヤに対する認識だ。島田晴雄氏の...
収録日:2013/10/04
追加日:2014/07/07
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

ホロコーストのトラウマがイスラエル建国思想の底流にある

イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(2)

国を追われたユダヤ民族は、その知識と能力を武器に各分野で活躍し、ついに念願の建国を果たす。しかし、そのイスラエル建国の思想的底流にあるものは、実は、ユダヤ人にとっての歴史的大惨事のトラウマだった! 歴史の真実をえ...
収録日:2013/10/04
追加日:2014/08/07
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

真か偽か?役に立つか立たないか?面白いか面白くないか?

知識の3類型

知識には3つの類型がある、と曽根泰教氏は語る。知識は、「真か偽か」「役に立つか立たないか」「面白いか面白くないか」で分けられるという。一体どういうことだろうか。
収録日:2015/01/22
追加日:2015/02/20
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

分かった人はプロ! 日中4項目合意に村山談話が隠れている

どうなる?戦後70年「安倍談話」(4)村山談話をコミットした安倍内閣

戦後70年安倍談話では、「侵略」や「植民地支配」という言葉を同様に用いるわけではないと明言した安倍晋三首相。しかし、実はすでに、安倍内閣は村山談話を間接的にコミットしていると、若宮啓文氏は指摘する。一体、何がど...
収録日:2015/01/29
追加日:2015/03/19
若宮啓文
元朝日新聞主筆

万年赤字のハウステンボスを再生させた手法とは?

再生ハウステンボス―失敗と新たな挑戦

18年間赤字を続けたハウステンボスを1年で黒字化した株式会社エイチ・アイ・エス代表取締役会長・澤田秀雄氏。あまりの鮮やかさに「魔法を使ったのか」「どれほどの才人なのか」と疑いたくなるのはもっともだ。しかし、「失...
収録日:2015/03/05
追加日:2015/04/16
澤田秀雄
株式会社エイチ・アイ・エス 最高顧問

パリ同時多発テロは第1次ポストモダン世界大戦の始まり

パリ同時多発テロ(1)新しい世界戦争の始まり

11月13日、突然パリを襲った同時多発テロは、人類の歴史に忘れられない1ページを加えた。それは、いままでの概念とは異なる無秩序をもたらし、新しい世界戦争の予兆とも見て取れる。歴史学者の山内昌之氏が今回のテロの本...
収録日:2015/11/18
追加日:2015/11/20
山内昌之
東京大学名誉教授

文系少年にとって神田古本街は夢のような世界だった

東京はワンダーランドだ

 東京一極集中を是正に向ける議論が活発だが、それが諸悪の根源だとするのは問題設定の誤りだろう、と政治学者で慶応義塾大学大学院教授・曽根泰教氏は言う。例えば大学の世界で、東大の地位を引きずり降ろしたところで、他大...
収録日:2016/04/27
追加日:2016/07/08
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

ローマ人の宗教的な敬虔さはどこの民にも負けないーキケロ

世界史の中のローマ史~ローマ史講座Ⅰ(2)ローマ人は何が優れていたのか

「ローマ人自身が、われわれはなぜ地中海の覇権を握ることができ、なぜこれほどの大帝国を築けたのかと疑問に思っていた」と、早稲田大学国際教養学部特任教授・本村凌二氏は語る。では、ローマ人はいったい何が優れていたのか...
収録日:2016/07/21
追加日:2016/11/30
本村凌二
東京大学名誉教授

ネットと現実―グローバル化時代の国境問題とは?

サイバースペースの国境とは何か

現代はグローバル化が進み、インターネット全盛の時代になったにもかかわらず、国境問題が再燃している。政治学者で慶應義塾大学大学院教授の曽根泰教氏は、経済やサイバースペース上においても、国境や主権、国家を前提とした...
収録日:2017/07/24
追加日:2017/08/21
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

ついには母親殺しまで…暴君ネロのあえない最期

ユリウス・クラウディウス朝~ローマ史講座Ⅵ(4)ネロ(下)

16歳で皇位に就いたネロは、30歳で自殺に追い込まれる。15年足らずの治世で、「暴君」の名を決定的にした彼の後半生には何があったのか。早稲田大学国際教養学部特任教授の本村凌二氏にご案内いただく。(全6話中第6話)
収録日:2017/08/07
追加日:2017/09/22
本村凌二
東京大学名誉教授

『茶の本』の背景にあった激動と争いの時代

岡倉天心『茶の本』と日本文化(2)Teaismに見る日本文化

東京女子大学名誉教授の大久保喬樹氏が明治の美術運動家・岡倉天心と著書『茶の本』について解説。第2話では『茶の本』第1章を取り上げる。茶は中国から日本に渡り15世紀に茶道という形に高められた。その世界観を表すために天...
収録日:2018/05/22
追加日:2018/07/01
大久保喬樹
東京女子大学名誉教授

日本政治の問題を対話の重要性から考える

日本政治の疑問~政治主導と内閣人事局(1)対話と質問の重要性

日本政治の本質的な問題を考えるためには対話や質疑という視点が非常に重要であると、政治学者で慶應義塾大学名誉教授の曽根泰教氏は言う。そこで「ソクラテスメソッド」を取り上げ、マイケル・サンデル氏の大人気講義やAIなど4...
収録日:2018/06/13
追加日:2018/09/07
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

「共創プラットフォーム」とは何か?

創造的な場を支える仕組みを研究する(1)ウェブの可視化

まだウェブが世に知られてなかった時代に、いち早くウェブに注目し、メディアアートとして世に知らしめたのが、国立研究開発法人産業技術総合研究所知能システム研究部門主任研究員の江渡浩一郎氏である。江渡氏の作品を観なが...
収録日:2018/04/19
追加日:2018/10/28
江渡浩一郎
産業技術総合研究所 主任研究員

21世紀のリベラルアーツを定義する

21世紀のリベラル・アーツ

未知の問題に立ち向かい、深みのある意思決定をするためには、「生きるための知的力」が必要だ。知力、すなわち、考える力が生きる力に直結する今、これからの人生を支える「21世紀のリベラル・アーツ」は、どうすれば身に付け...
収録日:2019/01/11
追加日:2019/03/12
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授

破壊されて立ち上がるところから始まる

読書と人生(10)思想とは破壊である

「怖さ」「恐ろしさ」がないものはダメである。成長のもとは「恐怖」なのだ。そもそも、すべての思想は破壊である。破壊されなければ建設はない。プラトンやアリストテレスから、ニーチェまで、みんなそうである。文学も、たと...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/10/18

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か

ルネサンス美術とはいったい何なのか。これを考えるためには、なぜその時代に古代ギリシャ、ローマの文化が復活しなければならなかったのかを考える必要がある。その鍵は、ルネサンス以前のイタリアの分裂した都市国家の状態や...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31
池上英洋
東京造形大学教授

神に助けを求め、感謝を捧げながら作曲した天才・バッハ

バッハで学ぶクラシックの本質(4)バッハの作曲への姿勢

西洋クラシック音楽の源流は、宇宙までを巻き込んだ壮大な調和の世界の中に存在した。バッハはそうした流れを汲み、天才的な作曲家であったにもかかわらず、常に作曲に際して神に助力を乞い、そして作曲後は神に感謝していた。...
収録日:2019/09/19
追加日:2019/11/07
樋口隆一
明治学院大学名誉教授

オペラの始まりとバッハが「マタイ受難曲」を書いた背景

バッハで学ぶクラシックの本質(8)オペラ、和声、対位法

宗教改革に伴って教会音楽が大きく変化する中、新たな音楽のジャンルとしてのオペラが脚光を浴び始めていた。教会とは関係がなく、世俗権力の栄光を讃えるために用いられたオペラの文化に、バッハも作曲上の影響を受けていた。...
収録日:2019/09/19
追加日:2019/12/05
樋口隆一
明治学院大学名誉教授

小林秀雄、根本博、土肥原賢二、清水安三、遠藤三郎との交友

小澤開作と満洲事変・日中戦争(7)親しく交流した人々

北京の小澤公館には、中国の大きな壷が置いてあった。従軍記者として来ていた小林秀雄は、酒を酌み交わしながらその壷を見て、「これは偽物だ、駄作だ」と評した。小澤開作は「偽物であっても、これを作った人にとってはかけが...
収録日:2019/10/09
追加日:2020/10/26
小澤俊夫
小澤昔ばなし研究所所長

世阿弥に自分の夢を全部託した父・観阿弥の戦略眼

日本文化を学び直す(7)観阿弥と世阿弥

縄文の持つエネルギー、その霊力が日本文化として噴出するときがあると田口佳史氏は言う。そこで今回取り上げるのは、日本文化の集大成者である世阿弥だ。世阿弥がその力を将軍のそばに上がって発揮したのは、実は父・観阿弥の...
収録日:2020/02/05
追加日:2020/10/28
田口佳史
東洋思想研究家

福沢諭吉が『学問のすゝめ』で説いた教養の効用

「教養とは何か」を考えてみよう(12)教養は役に立つのか

日本で「教養」という言葉が使われ始めたのは明治末期のことである。その後、教養には「学問と芸術によって知性や人間性などの人格を高めていく」という意味が付加されていく。今は一般に実生活では役立たないもののように捉え...
収録日:2020/10/26
追加日:2021/07/13

だんじりと一緒で、絵を描くときは「勢い」「迷わない」

勢いと余白(3)マグマのようなエネルギー

子どもの頃からだんじりを曳いていたコシノジュンコ氏は、絵も「勢い」で描く。だんじりは「一気」「団結」が重要だが、それと同じで、迷うとおかしくなってしまうからである。また三姉妹で競走しながら育ったため、自分の個性...
収録日:2022/10/06
追加日:2022/12/30

見えない努力、無欲…昔の日本女性の「強さ」と「重力」

勢いと余白(7)見えないところで整える

「見えないところで本当にきちんと整えるのが『日本の感性』」だとコシノジュンコ氏は語る。それは「おもてなし」もそうだし、美空ひばりが日々の暮らしからステージまで、一貫して努力していたのもそこだった。昔の日本女性は...
収録日:2022/10/06
追加日:2023/01/27

「ほんとうの神さま」の謎…宮沢賢治が込めたメッセージ

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む(5)「ほんとうの神さま」論議

銀河鉄道の中で描かれる「ほんとうの神さま」論議。はじめ、ジョバンニと女の子が語りあい、やがてクリスチャンらしき若者の「神さま」とジョバンニが考える「ほんとうのたった一人の神さま」との差違が語られる。はたして、「...
収録日:2022/07/28
追加日:2023/04/03
鎌田東二
京都大学名誉教授

宮沢賢治の浄土教的世界観の根底にあった「隠し念仏」とは

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読む(6)キリスト教と隠し念仏

『銀河鉄道の夜』にはキリスト教的モチーフが多く登場する。この物語へのキリスト教の影響、そして宮沢賢治とキリスト教の関係はどうなのか。ファンならずとも気になるところである。 本講義収録後の質疑応答コーナーに、宮沢...
収録日:2022/07/28
追加日:2023/04/10
鎌田東二
京都大学名誉教授

嘘をつかなければ人を愛することができない場合もある

人生のロゴス(14)虚偽の真実とは何か

今の日本人は「虚偽は悪い」と思っているが、「嘘も方便」とあるように、いい虚偽もある。嘘をつかなければ、できないこともあるし、人を愛することもできない場合もある。そういうことが、現代人はわからなくなっている。その...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/08/25
執行草舟
実業家

小津安二郎映画の「節度ある甘え」…持続可能な甘えとは?

『「甘え」の構造』と現代日本(8)小津安二郎の映画と「節度ある甘え」

『小津安二郎の芸術』(佐藤忠男著)という本が、『「甘え」の構造』と同じ1971年に出版されている。その本では、『「甘え」の構造』を引用しながら小津映画で描かれている「甘え」の美学について分析されているのだが、当時あ...
収録日:2023/03/13
追加日:2023/07/15
與那覇潤
評論家

志賀直哉、太宰治、小林秀雄…対立する『ハムレット』批評

深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話(6)現代への影響と文化的財産

シェイクスピア作品は現在もさまざまな形式で翻訳され、また再演され続けて、その解釈や批評も更新されている。中でも『ハムレット』に関しては、ドイツ・ロマン主義を代表する文豪ゲーテをはじめ、A・W・フォン・シュレーゲル...
収録日:2023/04/12
追加日:2023/08/17
河合祥一郎
東京大学大学院総合文化研究科教授

負の所得税、教育バウチャー…フリードマンの格差是正策

日本人が知らない自由主義の歴史~後編(10)フリードマンが考える福祉政策

フリードマンが“悪しき市場原理主義者”のようにいわれるのは誤解で、彼は政府介入の必要性をきちんと認めていた。そのために提唱した代表的な政策が「負の所得税」と「教育バウチャー」である。この2つを詳しく解説するとともに...
収録日:2022/07/25
追加日:2023/09/29
柿埜真吾
経済学者

デビュー論文「様々なる意匠」小林秀雄の試みと直観の真意

小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(3)小林秀雄の批評

大正から昭和初期にかけて起きた戦争景気、関東大震災、昭和恐慌など時代の荒波は、日本国民の心に多くの影響を与えた。そうした中、昭和4(1927)年に「様々なる意匠」という論文で文壇にデビューした小林秀雄は、これらの人々...
収録日:2023/04/07
追加日:2023/08/29
浜崎洋介
文芸批評家

不倫へのバッシングを「もののあはれ」的にはどう考えるか

もののあはれと日本の道徳・倫理(3)「不倫の恋」ともののあはれ

『源氏物語』で描かれる恋愛の中心は「不倫の恋」である。インモラル(不道徳)ともいわれるその物語に、「もののあはれ」という倫理の基礎を見いだした本居宣長。そこには、切実な「あはれ」を歌や物語といった芸術的にものに...
収録日:2023/08/04
追加日:2024/02/01
板東洋介
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授

ICTを超高齢化社会に生かさない手はない

未活用資源の潜在的可能性(3)情報化とサービス

活用すべき潜在的な可能性を秘める資源は、情報、あそび、観光・旅行、教育の分野にも満ちている。既成の、あるいはお仕着せのやり方に温存するのではなく、バイタリティと豊かな人間性をもって日本の活路をひらく可能性を、島...
収録日:2014/01/14
追加日:2014/03/27
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

貨幣は精神的自由の温床「選択と私有財産の自由」を生んだ

増税はなぜ問題なのか―貨幣と自由の関係論

山田宏氏は、1年半で5パーセントから10パーセントへ倍増する日本の消費増税を批判する。増税の何が、どのように、なぜいけないのか。貨幣と自由の歴史的関係をひもときながら、山田氏が鮮やかに問題点を映し出す。
収録日:2014/04/04
追加日:2014/07/03
山田宏
参議院議員

和漢洋の知を複合的に捉えるための読書

読書とは何か(5)和漢洋の知を複合化し現代に活かす

江戸伝来の知の伝統を再び見直し始めたようにみえる現代日本。和漢洋の教養を身につけ、複合的な知のあり方を示してくれる先人を例にとり、読書とは何か、何を私たちにもたらしてくれるのかを読書の喜びとともに山内昌之氏が語...
収録日:2014/05/22
追加日:2014/08/07
山内昌之
東京大学名誉教授

読書は社会人としての間口を広げることにもつながる

読書とは何か(6)座右の書から得る人生の喜び

今、われわれが当たり前のように使っている数々の言葉には、明治以降、日本の知識人が大変な苦労をして欧米語から翻訳したものが少なくない。私たちが、多大なる知の財産を書物を通して継承していることを再認識し、座右の書を...
収録日:2014/05/22
追加日:2014/08/14
山内昌之
東京大学名誉教授

真のリベラルアーツは日本の大学では学べない

「島田村塾」リベラルアーツ特講(1)生き抜くためのリベラルアーツ

近年、リベラルアーツへの関心が高まっている。しかし、「日本の大学では真のリベラルアーツは学べない」と島田晴雄氏は語る。大学の学長とは別に、若手経営者塾「島田村塾」を主宰する島田氏によるリベラルアーツを考えるシリ...
収録日:2014/12/05
追加日:2015/01/20
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

世界で活躍するために日本の歴史・宗教・文化を知る

「島田村塾」リベラルアーツ特講(5)世界で活躍するために日本を学ぶ

リベラルアーツの仕上げは、やはり自国の歴史・宗教・文化を知ることにある。外から見た日本がいまだに「獰猛な軍国主義国家」の残像を残していることは、何にもまして知る必要がある。その上で、日本人の精神と生活を支える宗...
収録日:2014/12/05
追加日:2015/01/24
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授

すべてはお客様の笑顔のために

再生ハウステンボス―感動は人から、企業も人から

この5年間を振り返り、「断り続けたのが申し訳ないぐらい、今は楽しくて仕方がない」と株式会社エイチ・アイ・エス代表取締役会長・澤田秀雄氏は言う。テーマパークは「感動」を売る事業。それは、自分自身の感動なしには始ま...
収録日:2015/03/05
追加日:2015/04/30
澤田秀雄
株式会社エイチ・アイ・エス 最高顧問

人に言えなかった母のダイナマイト心中

末井昭、「自殺」を語る(1)母のダイナマイト心中

編集者・作家の末井昭氏は、2014年に第30回講談社エッセイ賞を受賞した。著作のタイトルは、なんと『自殺』である。重いテーマを独特のユーモラスな文章で表現し、自殺をタブー視しがちな社会への一投とした。著作の裏に...
収録日:2015/06/16
追加日:2015/07/27
末井昭
編集者・作家