日本チリ修好120周年を迎えた本年、記念事業として東京藝大フィルによる演奏会が6月にサンチアゴにて開催され、満員の観客から大きな喝采で迎えられました。その日の感動を日本の皆様と共有したいとの思いから、この度、チリ大使館主催で演奏会が再び開催されることになりました。日本での再演は両国の友好を願う者としてこの上ない大きな喜びです。
藝大フィルと私どもの関係は2年前の2015年12月に遡ります。藝大奏楽堂で開催された「障がいとアーツ」演奏会において、藝大フィルがスメタナの《モルダウ》演奏時に、東京大学アタカマ天文台(TAO)で撮影した映像を大スクリーンに投影したことが始まりでした。
現在、東大はチリ北部アタカマの標高5640メートルのチャナントール山頂に、6.5メートルという大口径の赤外線望遠鏡を建設中で、2018年の完成を目指しています。《モルダウ》演奏時に使用した映像はそれに先行して設置された口径1メートルのミニTAO 望遠鏡で撮られたものです。 映像と音楽を組み合わせることで得られる臨場感と高揚感を宇宙を想像しながら感じていただけたら幸いです。今回の演奏会によって藝術の分野での両国の友好の絆が一層強くなることを心から願っています。