ビッグデータの実用化~その課題と効果
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
ビッグデータの経済的効果ーその独占力で勝利を掴む
ビッグデータの実用化~その課題と効果(1)動学的規模の経済性
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授の柳川範之氏が、ビッグデータにおける経済的な効果について解説する。人工知能の機械学習の発達に伴い、ビッグデータに注目が集まっている。ビッグデータは動学的規模の経済性を生じさせ、企業の間に学習効果の実現競争をもたらすだろう。いかにして大量のデータを集めるのかが重要だ。(全3話中第1話)
時間:11分31秒
収録日:2017年6月29日
追加日:2017年7月23日
≪全文≫

●データがたくさんあればあるほど、人工知能は賢くなっていく


 最近、ビッグデータが話題です。データをたくさん集めて、分析することに価値があるとされています。今日は、ビッグデータが経済学でどのように捉えられているのか、ビッグデータを実際にビジネスに応用していく際には、どのような点に注意が必要かについてお話しします。

 ビッグデータが注目されるようになったのは、人工知能の発達が非常に大きいでしょう。人工知能の学習は「機械学習」と呼ばれますが、急速な発展を遂げています。人工知能が機械学習をするためには、たくさんのデータが必要になります。データがたくさんあればあるほど、人工知能は賢くなっていきます。そこで、たくさんのデータを集めることが、より重要になってきたのです。また、経済を分析する上でも、データがたくさんあれば、よりきめ細かい分析が可能になります。こうした2点から、データを大量に集めることの優位性が増してきています。これらが一括して、「ビッグデータ」と呼ばれ、注目されているのです。

 将来的には、いわゆるIoT(Internet of Things、モノのインターネット)が発達すれば、ビッグデータの分野もさらに大きく発展を遂げるでしょう。IoTとは、いろいろなものにセンサーが付いており、そのセンサーがさまざまな情報を集め、中央のサーバーにそのデータを貯める、という仕組みです。これを使えば、今までには得られなかった、多様で大量のデータを獲得できる、大きなチャンスになります。こうして、今までは考えられなかったような、きめの細かいデータが集まるだろう、と考えられています。


●データをたくさん持っていれば、競争上有利になる


 ビッグデータを使った学習は、競争上のインパクトを持つことになるでしょう。たくさんのデータが学習の大きなエネルギーになるとすれば、よりたくさんのデータを所有する人や企業の方が、学習スピードが速くなります。

 企業の行動についていえば、例えば、より安く製品が作れるようになったり、より効率的に生産ができたり、品質を改善することができるようになるでしょう。データをたくさん持っている企業と、少ししか持っていない企業が競争すれば、前者の方が、より効率的に生産でき、競争に勝つことができるということです。したがって、データをたくさん持っている方が、競争上有利になるため、各企...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
戦争と平和の国際政治(1)「合理性の罠」とインテリジェンス
国際政治の要諦は戦略とインテリジェンス
小原雅博
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹

人気の講義ランキングTOP10
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
大谷翔平の育て方・育ち方(8)目標に向かう力
なぜ毎日練習したくなるのか?大谷翔平の目標に向かう力
桑原晃弥
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
いま夏目漱石の前期三部作を読む(8)『門』の世界観と日本の近代化
伊藤博文暗殺…日本近代化で本当にいいことがあったのか
與那覇潤
「江戸のメディア王」蔦屋重三郎の生涯(8)大首絵の成功と蔦重の最期
謎の絵師・東洲斎写楽を「役者絵」で起用した蔦重の思惑
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二