アニメで入門「身近なレアメタル」
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屋根瓦に滑走路…身近にレアメタルは存在する
アニメで入門「身近なレアメタル」
岡部徹(東京大学生産技術研究所教授)
レアメタルの重要性や将来性は、これまで一部の専門家しか認識していなかった。しかし十年来のブームを受け、「元素記号も周期表も知らない」化学オンチにレアメタルを説明する困難を東京大学生産技術研究所教授・岡部徹氏は振り返る。そのとき最も役に立つのは、誰もが知っているアニメの、あのヒーローだと言うのだが。(インタビュアー:大上二三雄氏/エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役)
時間:5分40秒
収録日:2014年12月25日
追加日:2015年6月25日
≪全文≫

●ブーム化したレアメタルを主婦や子どもに講演する困難


大上 岡部先生は、何か最近、子どもや「おたく」に大変人気があるとお聞きしました。

岡部 はい。レアメタルが一時期ブームになって、その後、尖閣諸島の問題がありました。そのためにレアアースが「ちまたの流行」になったというのでしょうか。レアアースをはじめとするレアメタルが、主婦から小学生に至るまでの話題に上るようになりました。

 ですから、いたるところで講演を頼まれます。一般にレアメタルの専門家が講演を頼まれるとなると、日本では技術者や学者が相手です。場合によっては、企業経営者の人たちが講演対象に入ってくる感じでした。ところが最近は、ともすると中学校や高校での出張授業のような場所で話をしなければいけないときがあります。

 こうしたときに一番困るのは、レアメタルを説明するには、いわゆる元素の周期表を頭に入れてもらっていないと(話を進めるのがとても)難しいことです。小学生や主婦の皆さんは、周期表や元素記号などは、全く知らないですから、講演するのがとても難しいです。


●化学オンチにレアメタルを伝える「アニメ」の素晴らしさ


大上 ビジネスマンの周期表はほとんど知らないですよ。

岡部 ビジネスマンの方の中には、「私は、ああいう周期表を覚えるのが嫌になったから、理系から文系に移った」と言う方がいます。

 そういう人たちの心をつかむには、アニメが一番いいのです。例えば、ガンダム。ガンダムの、あのボディーは「ルナチタン」というのです。なんと、チタンとレアアースの合金でできています。

 ガンダムの作者(の先見性)は素晴らしいですね。技術的に言うと、今の技術力ではチタンとレアアースを混ぜ合わせることはできない。しかし多分、ガンダムが飛びまわる未来の時代になると、そういったレアメタル同士を混ぜた超合金ができるのでしょう。

 超合金といえば、マジンガーZの「ジャパニウム」。これも、兜(カブト)博士というマジンガーZの設計者が富士山の麓から採掘し、抽出した「ジャパニウム」という未来レアメタルからつくったのが、超合金Zなのです。これは、「ブラストファイヤー」という超高温の炎にも耐える夢の未来材料なのです。

大上 なるほど。アニメのキャラクターにレアメタルが使われていることは、確かにあらためて実感しました。


●浅草...


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