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日本の政治をよくすることも大事だが、それは一部分

松下幸之助の人づくり≪2≫塾設立の究極の目的(3)全人類の幸せに挑戦する

松下幸之助
パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者
情報・テキスト
松下幸之助による松下政経塾設立の真の狙いは、単に日本の政治を良くすることだけにとどまるものではなかった。世界に新たな黎明をつくり、全人類の幸せに挑戦するという幸之助の壮大な使命感にスポットを当てる。(第2章3話目)
時間:14:25
収録日:2015/06/17
追加日:2015/12/24
ジャンル:
≪全文≫

●世界を再編成する


 今の日本の政治を良くするということも大切ですが、もっと大きな、世界の再編成というと語弊があるけれども、世界の上に新創造をする、そのようなことにもつながるわけです。そういう無限大の大きな望みを持っています。


●全人類のためにこの塾は活動する


 この政経塾の真の狙いというものはどこにあるかということについて、今日は話をしてみたいと思う。

 政経塾の規模はこのように小さいものだけど、しかし、その狙いは、日本の将来というもの、あるいはもっと広く言えば、世界の全人類のために何をなすべきかというところまでわれわれは考えに入れて、塾の活動をやらなければいけない。そうすると、それに包含されるものは、人類活動の全てが対象になる。

 諸君が塾生としてここで勉強するということは、諸君個人の将来のために、一つの使命を持った仕事をするということも大事だけれども、併せて塾全体の目標というものは、日本をいろいろな意味において理想化するというか、進歩発展させる。同時に日本だけでなく全人類に及ぼす。そういう目標をこの塾は持っているということを考えてもらいたい。だから、一つは諸君自身のために、一つは日本の将来のために、一つは全人類のために、この塾は活動を続けていく。それがこの政経塾の目標であると、このように考えてもらいたい。

 全て一挙手一投足がそういうことを前提として意義がある。それを忘れて個々にいくら勉強しても事が知れていると、こう思う。そういうことを諸君は考えて、自分は塾生になって、卒業したらこういう仕事をするというだけの目標ではない。その他に、いま僕が言ったように将来の日本をどうするかと、将来の世界はどうあるべきかと、そういうところまで入っていかないといけない。

 まあ、一朝一夕にはできない。けれども、この塾が5年、10年、50年、100年と続く過程には、そういうものが生まれてこないといけない。それを諸君は頭に置いてやらないと、単に自分個人の勉強をやるというだけではいけない。

 自分個人の勉強も極めて大事。しかしその大事なことを達成すると同時に、日本の将来、世界の将来と、未来の人類の活動そのものの基礎づくりをしていく。全ての考えはそういうところに拠点を置いていかないといけない。日本の政治を良くすることは大事だが、それは一部分、という考えを持ってもらいたい。

 僕はまさにそういうことを考えて、塾をやったらいいだろうと、そういう塾が必要であろうと考えた。

 一人の立派な塾生を養成したらそれでいいというのではなく、立派な人を養成しても、日本の将来が幸せにならないといけない。諸君を通じて日本の将来を立派な国家国民に仕上げていくのが、塾の狙いであり目標である。そういう目標を持った塾の一員になる。そして卒業者としてその目標を天下に具現していく。その役割を自分の個人の使命にする。諸君の個人の使命と塾の目標とは自然一体となり、一つになるということになれば結構と思う。そういう考えを持ってやっていったらいい。そうすれば諸君の一挙手一投足というものがどうあるべきなのかということは、自然に分かってくる。

 諸君はここで習って、ある信念を得たり、あるいは勉強して、それが進んであるものを得るということは結構だけどれも、それはそれだけではない。それも一つだけど、それを出発点として、もっともっと大きな目標をわれわれは持っているということを考えてもらいたい。 僕がこの塾をつくったのは、単に諸君を立派な人に仕上げようというだけではない。諸君を立派にする機関はたくさんある。国でもやっているし、市でもやっている。けれども、まだやっていないことを考えてみようというと、僕が言うような目標を持って、辛苦、精魂を打ち込んでやっているところはない。それで、初めは覚束ないような状態であっても、必ずこの目的、使命感というものは達成するに違いない。また達成させることが日本としても必要、世界としても必要であるということで、やった。

 勉強する目標は、単に諸君が実業人であるとか、政治家であるとか、その他の国際人であるとかいう個人の目的を達成しようというために塾に入ったということも一面あるけれども、われわれはそれ以上のことを望んでいる。それ以上のことを望んでいるということは、いま言ったように、この塾を通じて、この塾を中心に、世界に、日本に新たに黎明をつくろうということ。

 そこを皆さんよく考えて、単に自己の完成ということは非常に尊いことだけれども、僕は単に自己の完成だけには満足しない。僕だけでなくて、塾そのものが満足しない。

 大事な目的を達成するのと併せて、究極の目的であるところの全人類の幸せということに挑戦しないといけない。挑戦して、見事にそれを達成し...
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