松下幸之助の人づくり≪1≫真のリーダーとは
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
人間というものは、お互いに飼い合いをしている
松下幸之助の人づくり≪1≫真のリーダーとは(2)羊飼いは羊の性質を知っている―人間の把握
松下幸之助(パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者)
商売も経営も政治も国家も、この世の中は結局は人間が動かしている――だからこそ、松下幸之助は、松下政経塾での教育の一丁目一番地に「人間の把握」を据えた。羊飼いのたとえ話も織り交ぜつつ、幸之助自身の言葉で語る人間の把握、新しい人間観、そして人情の機微。(第1章2話目)
時間:11分31秒
収録日:2015年6月17日
追加日:2015年11月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●羊飼いは羊の性質を知っている


 そういうことを考えるのが、政治家の使命です。それを考えるについては、広範な周囲の分野にも関わる、政治的力量を養っていく必要があります。そして、それにはまず人間というものを、徹底的に理解しなければならない。あたかも、優れた羊飼いが羊の性格や特質というものを「こういうものだ」と見極めているように、人間について熟知していなければなりません。羊飼いが「羊は犬のようなものである」などと思っていたら、これは必ず失敗します。羊飼いとして成功するには、羊の食物の好き嫌いから、もっと広い範囲にわたって、羊の性質を研究しなければならないでしょう。羊の本質というものを十二分に見極めて、そして初めて羊飼いとして成功するわけです。

 われわれ人間というものは、いわばお互いに飼い合いをしているわけですね。私は諸君に飼われているし、また諸君は私に飼われている。そういう飼い合いをしているのです。したがって、皆がお互いに「人間とはどういうものか」という人間の本質を知らなければならない。人間の本質を知って、初めて政治家としての可能性があるわけです。

 「人間はサルみたいなものだ」と考えたら、成功しません。人間は、サルとは違う。サルはこうだけど、人間はこうである。そのように考えて改革していかなければ、何も変わらないわけです。会社の経営をする場合でも、成功しようと思ったら、従業員は人間ですから、「人間とはこういうものである」と、そこから出発しなければいけないわけです。


●新しい人間観と日本人観の確立


 何を言っても基本になってくる。新しい人間観の確立、同時に新しい日本人観ですな。この確立をまずやらなければならない。

 日本の高度成長は一気に進み、非常に結構な姿だと思いますけれど、どうもその内容の基礎に非常に弱いものがあるのではないかと思う。伝統の精神というものをはっきりと見つめなければいけない。その上に立って、国家経営というものを考えなければいけない。


●人情の機微を知っていたら天下でも取れる


 それは(人情の機微をつかむことは)非常に大事なことだけど、一番難しいこと。人情の機微を知っていたら天下でも取れる。だけど、それを知っている人というのは少ない。自分でいろいろ当たって砕けたり、やっていくうちに自然につかむから、自分で悟ってつかむしかない。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
多数派が多数でなくなるとき
悩める多数派…なぜ「多数は少数の集まり」と考えるべきか
曽根泰教

人気の講義ランキングTOP10
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
東秀敏
徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために
「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの
田口佳史
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
人生100年時代の「ライフシフト概論」(3)キャリアの危機〈下〉
40代前半に訪れる「中年の危機」、鍵は「人生の成長戦略」
徳岡晃一郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(6)習近平のレガシー
国力がピークアウトする中国…習近平のレガシーとは?
垂秀夫
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(6)評価制度設計と「夢」の重要性
なぜ二本立ての評価制度が必要か…多種多様な人材の評価法
水野道訓
経験学習を促すリーダーシップ(4)成功を振り返り、強みを伸ばす
なぜ強みが大事なのか?ドラッカー、西田幾多郎の答えは
松尾睦
編集部ラジオ2025(26)ソニー流!多角化経営と人材論
ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留