10MTVオピニオンPREMIUM ログイン

中国の公害問題解決に日本はテクノロジーで貢献せよ

日米同盟を強化し、中国と戦略的対話を~アジア太平洋の10年先を見据えて~

GeraldCurtis
政治学者/コロンビア大学名誉教授
情報・テキスト
日本と中国には長期的に戦略的な競争関係にあり、この関係をいかにマネジメントできるかが日本にとっての課題である。2014年11月10日に行われた日中首脳会談を受けて、ジェラルド・カーティス氏がそのために必要となる二つの重要な対策を提言する。
時間:20:10
収録日:2014/11/10
追加日:2014/11/20
日本と中国には長期的に戦略的な競争関係にあり、この関係をいかにマネジメントできるかが日本にとっての課題である。2014年11月10日に行われた日中首脳会談を受けて、ジェラルド・カーティス氏がそのために必要となる二つの重要な対策を提言する。
時間:20:10
収録日:2014/11/10
追加日:2014/11/20
≪全文≫

●日中間の戦略的競争関係をいかにマネジメントできるかが日本の課題


カーティス 長期的に見れば、日中間の戦略的競争関係はもう永遠にありますよね。中国はますます強くなる。それに対して日本は、一つの脅威というか、中国が強くなって日本がそれに追いつくようなことはあり得ないので、やはり不安です。ただ、戦争をするわけにはいかないですから、戦略的競争、英語で言うと“strategic rivalry”をどうマネージできるかが、日本にとっての課題です。そのためには、僕の考えでは、二つの重要な対策が必要だと思います。


●二つの重要な対策(1)日米同盟の強化


カーティス その一つは、日米同盟の強化だと思うのです。ですから、今考えてみると、集団的自衛権を認めるような憲法解釈をしたのは、よかったと思います。

ちなみに、もしも民主党の野田佳彦さんが総理大臣の時、国会で衆議院も参議院も民主党が過半数を取っていて、党内の敵が一人もいなければ、野田さんも同じようなことをしたと思います。2009年だと思いますが、彼は国会で、やはり集団的自衛権の憲法解釈を考え直す必要があるかもしれないというようなことを言ったことがあります。

ですから、日米同盟を堅持する。そして、日米同盟を堅持するために、やはり日本の役割をある程度、もっと強化しないといけないのです。

日米同盟は冷戦時代に生まれた同盟です。その目的は二つありましたが、一つはソ連を封じ込めることです。それともう一つは、日本の大きな再軍備というか、軍事大国になる必要がないようにすることです。しかし、それは日本を抑えるのではなく、日本が再軍備しなくても、日本は安全であり、国家の安全は大丈夫だと思わせるというもので、それが同盟なのです。

面白い話があります。ヘンリー・キッシンジャーさんが1971年、内密に北京に行って周恩来さんと会った時に、日米同盟の話になると、周恩来さんから「反対だ」と言われました。「この同盟はアメリカの覇権主義のためのものである」などと言われたそうです。それで、キッシンジャーさんはもともとプロフェッサーですから、周恩来さんに3日間にわたりレクチャーしたのです。要は、「この同盟があるから、日本は軍事大国にならなくて済む」「この同盟がなければ、戦前のように日本はまた軍国主義国になりますよ」と話し、キッシンシャーさん自身もそう思って、「日米同盟は中国のために非常に重要である」という話を周恩来さんにして、3日続けて二人で話し合ったら、最後に周恩来さんは「おっしゃる通りだ」と言ったそうです。それから最近まで、中国は、日米同盟は中国のためにもなっていると考えていたのか、少なくとも反対はしていないのです。


●「日米同盟で中国を封じ込める」という考えはナンセンス


カーティス しかし今、全く時代が変わってきて、中国のほとんど誰と話をしても、今の日米同盟の目的は、「中国を封じ込めるためだ」と言っています。「前はソ連だったけど、今は中国を封じ込めるためで、けしからん」という人が圧倒的に多いですね。

日本国内にも、「中国を封じ込めるために、日米同盟が必要だ」という意見があります。「問題は、オバマさんが弱すぎて、やるべきことをやっていないからだ」という不満も、よく自民党の中から出てきますよね。

しかし、日米同盟は、中国を封じ込めるためにあるのではないのです。そもそも中国を封じ込めることなどあり得ないし、やろうと思ってもできません。要するに、...
テキスト全文を読む
(1カ月無料で登録)
会員登録すると資料をご覧いただくことができます。