Monthly Program Guide November 2025
11月プログラムガイド
11月特集ラインナップ
- ・なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み(今井むつみ)
- ・誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム(鈴木宏昭)
- ・認知機能を高めるのに必要なのは脳トレではなく有酸素運動(川合伸幸)
- ・「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題(長谷川眞理子)
私は本当に「理解」できているか? 「間違えた理解」をしていないか?――考えれば考えるほど、人間はどうやって理解するのか不思議に思えてきます。しかも「わかっているつもり」になっていたり、何らかの誤解やバイアスが働いてしまっていたりすることも多いので、なかなか難儀です。理解することの奥の奥を教えてくれる講義をピックアップしてみました。
- ・日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは(中村彰彦)
- ・織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?(小和田哲男)
- ・平安時代の構造と特徴は?激動と転換の400年が持つ意味(関幸彦)
- ・現代人の歴史解釈の基本は「ふりかえれば未来」(山内昌之)
自分自身の人生を生きられるのは1度きり。しかし、歴史を探っていけば、何通りもの人生を追体験できるし、無尽蔵のヒントを得ることができる……。歴史を探る楽しみは、そのようなところにもあるでしょう。歴史を探って「新しい切り口や景色に出会う」とは、どのようなことか。また、歴史から「何かを見つける」とはどういうことか。そのようなヒント満載の講義集です。
11月配信講義ピックアップ
配信予定日:11月2日(日)
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのでしょうか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いですが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのでしょう。この謎について、ベストセラー『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』の著者・今井むつみ氏が認知科学の観点から解き明かす今シリーズ。まずは人間の認知がいかに有限であるかを「スキーマ」をキーワードに解説します。(全3話中第1話)
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事/慶應義塾大学名誉教授
配信予定日:11月3日(月)
「土地勘のあるところ、自分たちの武器を持っていく」
経営は個人戦でなくチーム戦であり、経営メンバーは「人材の組み合わせ」が大事。かつて本田宗一郎には藤沢武夫、井深大には盛田昭夫がいたからホンダもソニーも大きくなれたのです。新規ビジネスを始めるときは大事なのは発案者の熱意です。また、「土地勘のあるところ、自分たちの武器を持っていく」ことも大事で、ソニーがプレイステーションで成功した要因もそこにあります。さらに多角化のポイントとして大切なのが「遠心力と求心力のバランス」。欧米由来の経営に振り回されるのではなく、日本には立ち返るべき経営の心得があることを忘れてはいけないのです。(全6話中第5話)
元ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役CEO
配信予定日:11月5日(水)
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
2025年9月、アメリカのトランプ政権は、国防総省を「戦争省」へ名称を変更しました。それは内戦の構造を根本的に反転させる、大きな変化を象徴する出来事でした。政府から国民に対して行われるトップダウンの内戦とはなにか。ゲリラ戦が起こる一歩手前の状態にあるという、現在のアメリカの状況を解説します。(全3話中第1話)
米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー
配信予定日:11月10日(月)
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
アメリカは一体どうなってしまったのでしょうか。そして今後どうなるのでしょうか。重要な同盟国として緊密な関係を結んできた日本にとって、避けては通れない問題です。このシリーズ講義では、ほぼ1世紀にわたるアメリカ近現代史の中で大きな結節点となっているトランプ主義を中心に、経済と政治の両面からの変化を探っていきます。第1話は「ラストベルトをつくったのは誰か」ということで、雇用が失われたアメリカの労働者たちを生み出した背景について解説します。(全7話中第1話)
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長
配信予定日:11月14日(金)
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
「歴史を探索していく」とは、どういうことなのでしょうか。また、「歴史を活かしていく」とはどういうことなのでしょうか。歴史作家の中村彰彦氏に、歴史を探り、活かしていく方法論を、具体的に教えてもらう本講義。第一話は、歴史文学と時代小説の違いはどこにあるのかから始まり、きちんと史料を集めて読み抜くという流儀をお話しいただきます。具体的にどうやって進めればいいのか。歴史好きなら特に知っていると大変役立つ文献史料の探し方、活かし方の基本とは。(全7話中第1話)
作家
講師紹介~テンミニッツ・アカデミーの講師ってどんな人?
中国が最も恐れる男、第16代在中華人民共和国日本国特命全権大使
元日本国駐中華人民共和国特命全権大使
今回は、垂秀夫先生を紹介します。垂先生は、2020年~2023年まで、駐中華人民共和国日本国特命全権大使をお務めでした。1985年に京都大学法学部をご卒業後、外務省入省。一貫して中華人民共和国、香港、台湾を中心に仕事されてきました。2025年6月に『日中外交秘録――垂秀夫駐中国大使の闘い』(文藝春秋)を発刊されましたが、その本の帯に書かれたキャッチコピーは「中国が最も恐れる男」。常に中国とタフに向きあってこられた垂先生の中国論。まさに必見の講義です。
テンミニッツ・アカデミーからのお知らせ
12月登場予定の新講師&今後配信予定の新講義
大塚有希子(法政大学専門職大学院イノベーションマネジメント研究科准教授):テーマ/プロジェクトマネジメント
また、西野精治氏(スタンフォード大学医学部精神科教授)の新講義(テーマ:熟睡できる環境・習慣)を11月下旬から配信開始予定です。ご期待下さい。