Monthly Program Guide August 2026

8月プログラムガイド


8月特集ラインナップ
  • ・極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか(橋爪大三郎)
  • ・ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来(賴住光子)
  • ・柳田國男『遠野物語』に感銘、折口が説いた「生活の古典」(上野誠)
  • ・「国生み・国作り・国譲り・国治め」と「むすひ」の力(鎌田東二)
迎え火を焚いてご先祖様をお迎えし、いらっしゃったご先祖様をおもてなしし、送り火を焚いてお見送りする――。お盆は、日本人がとても大切にしてきた大切なしきたりです。ところで、なぜ日本人はそのようなことをしてきたのでしょうか。ご先祖様に対して、どのような思いを持っていたのか。死というものをどう考えていたのか。そしてそれをどう乗り越えようとしていたか。今回はそのようなことについて、深く考えたいと思います。

  • ・ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘(門田隆将×早坂隆)
  • ・満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作(小澤俊夫)
  • ・激しい対空砲火の中、着陸に成功した「義烈空挺隊」の最期(渡部昇一)
  • ・『きけわだつみのこえ』を読むと今でも涙が止まらない(野田一夫)
戦争を「歴史的事実」としてだけで見ていくと、大切なことを見落としかねません。けっして忘れてはいけないのは、そこに「血の通った人間」がいることです。様々な立場で戦争の時代に直面し、その時代を生きた人たちが考えたこと、決断したこととは何だったのか。その生き方が、どのようなメッセージを放っているのか。そのことを見つめることのなかから、戦争の真実が浮かび上がってきます。

  • ・消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか(柿埜真吾)
  • ・法の支配があるから自由がある…信仰の自由と政治の基本(橋爪大三郎)
  • ・モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?(川出良枝)
  • ・未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ(本村凌二)
自由は失ってはじめて、その貴重さに気づくもの――。私たちはもしかすると、あとから振り返って「あのときが」と思うような局面の入り口に立っているのかもしれません。価値観の二極化、先鋭化・陰謀論化する言論、ポピュリズム、テクノ・リバタリアン、トランプ現象……。壊れやすい自由を守るために大切なこととは何か? いま、このような時代だからこそ、あらためて「自由のあり方」「自由主義」について学びましょう。

  • ・本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎(板東洋介)
  • ・「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない(津崎良典)
  • ・アリストテレス、ニーチェ…哲学者によるギリシア悲劇批評(納富信留)
  • ・不作為(◯◯しなかったこと)の原因は無限に拡散する(一ノ瀬正樹)
夏の終わりの気分は、いかなるものでしょうか。あるいはそれは、初恋であったり学生時代の怒涛の日々であったりが、もはや遠くなってしまったことに気づいたときの、懐かしさと憧れとが入り混じった、えもいわれぬ感慨に似たものかもしれません。憧れ、喪失、自省から導き出されるものは何か? 今年の「夏の終わりの哲学特集」では、そのようなことを真正面から考えることができる講義を集めてみました。



8月配信講義ピックアップ
配信予定日:8月3日(月)
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
これからの資本主義はどうなるのかを、哲学的に考えていく講義シリーズ。まず、私たちは社会全体が資本主義に覆われていると錯覚しがちですが、実際には医療や教育など資本主義に還元できないシステムが多数存在しており、資本主義はその構成要素の一つにすぎません。また、資本主義は市場経済のことで、アダム・スミスの「見えざる手」のように市場には自己調整機能が効いていると誰もが考えがちですが、それは幻想で、放っておけば機能するものではないのです。そこで注目すべきは、アダム・スミスが『道徳感情論』で提起した感情の問題です。いったいどういうことなのでしょうか。哲学者マルクス・ガブリエル氏の著書『倫理資本主義の時代』(ハヤカワ新書)を切り口に考えていきます。(全6話中第1話)
東京大学東洋文化研究所教授

配信予定日:8月5日(水)
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
現在の日本経済を読み解く最重要キーワードはAIと長寿化。AIは一見、若者向けの技術と思われがちですが、実は長年培った知識や経験を持つシニア層こそ親和性が高いと宮本氏は説きます。AIが提示する回答の成否を評価・判断する局面において、生きた「経験と知識」が不可欠になるからです。さらに、長寿化によって活躍できる期間が延び、便利なテクノロジーが登場した現代は、まさにシニアが活躍できる時代です。後半の質疑応答では、金利や破綻などについての質問に答えながらシリーズ講義を締めくくります。(全7話中第7話)
一橋大学経済研究所教授

配信予定日:8月6日(木)
密航で死刑!?台湾へ渡る根本博の決断と波乱
国共内戦で蒋介石軍が敗走する窮地を知った元陸軍中将の根本博。終戦時に受けた邦人送還の恩義を返すため、単身で台湾へ渡る決意をしました。当時、日本はGHQの支配下にあり復員軍人は厳しく監視されていましたが、根本は釣りの装いで家を出て密航を敢行します。資金難の中、粗末な焼玉船で死線を越え、二度の座礁という危機を乗り越えて台湾へたどり着くも、密航者として逮捕され投獄されてしまいます。その後、根本はどうなったのでしょうか。『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』の著者・門田氏が当時の緊迫した状況を赤裸々に語ります。(全5話中第1話)
作家/ジャーナリスト
ノンフィクション作家

配信予定日:8月20日(木)
桜田門外の変の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
安政7(1860)年に起こった「桜田門外の変」は、江戸幕府大老の井伊直弼が水戸藩の浪士らによって襲撃、暗殺された事件です。これ以降、幕府の権威は大きく失墜し、時代は未曾有の動乱期に入っていきます。本シリーズ講義では、桜田門外の変について私たち現代人が感じる素朴な疑問を通じて、井伊の人物像や時代背景を掘り下げていきます。(全4話中第1話)
東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授

配信予定日:8月24日(月)
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
仏教とキリスト教を補助線に、西洋やアジアの宗教と比較しながら「日本とは何か」という根本的な問いを深く考えていくシリーズ講義。第1話では、神道を切り口にして本居宣長の『古事記伝』を引きながら「カミ」と天皇の関係について解説します。神(カミ)とは何か――人間を超越して実在性が高い一神教の「神」、同様に実在性の高い世界の古代文明の多神教の神に対し、日本の「カミ」は自然や現象に対する人間の主観的体験に根ざす曖昧模糊なものだと指摘する橋爪大三郎氏。こうした日本特有のあり方を象徴するのが、「天皇」の存在です。ではなぜ、天皇は大切なのでしょうか。(全6話中第1話)
社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授



講師紹介~テンミニッツ・アカデミーの講師ってどんな人?
『真実の中国史』『どの教科書にも書かれていない 日本人のための世界史』など注目書籍多数
公益財団法人東洋文庫研究員
今回は宮脇淳子(みやわき・じゅんこ)先生を紹介いたします。大人気の宮脇先生ですが、この7月に《中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む》講義の配信がスタートしました。夫君でいらっしゃった故・岡田英弘先生の名著『皇帝たちの中国』を紹介しつつ、「中国史の真実」を明らかにする痛快講義です。日本人の「常識」を大きく塗り替える内容ですが、しかし、そう考えると中国について腑に落ちることばかり。ぜひご覧ください。また次には満洲史講義の予定も……。



テンミニッツ・アカデミーからのお知らせ
今後登場予定の新講師&新講義
沖田瑞穂(和光大学教授):テーマ/オデュッセイア
宮脇淳子氏(公益財団法人東洋文庫研究員)の新講義(テーマ/満洲史)を9月中旬から、小原雅博氏(東京大学名誉教授)の新講義(テーマ/地政学入門 東アジア編)を9月下旬から、それぞれ配信開始予定です。ご期待下さい。