Monthly Program Guide January 2026
1月プログラムガイド
1月特集ラインナップ
- ・2026年『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る(黒田基樹)
- ・2025年『べらぼう』蔦屋重三郎が吉原遊郭で培った斬新な出版アイディア(堀口茉純)
- ・2023年『どうする家康』徳川家康のイメージが変わる“自由奔放”な人質時代(小和田哲男)
- ・2021年『青天を衝け』 渋沢栄一の曾孫が明かす真実(渋沢雅英)
NHKの大河ドラマは、もちろんドラマではありますが、歴史への関心を大いに高めてくれます。テンミニッツ・アカデミーでは、ドラマの時代考証の先生方を中心に、毎年、大河ドラマの人物や時代を学べる講義を配信してきました。それらをまとめてみると、あたかも歴史絵巻のように、日本史の大切なポイントが見えてきます。最新作から懐かしいものまで、ぜひこの機会にご覧ください。
- ・「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現(津崎良典×五十嵐沙千子)
- ・幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか(為末大)
- ・福田恆存「快楽と幸福」から読み解く日本人の流儀(浜崎洋介)
- ・ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下(西多昌規)
「幸福」になりたい。誰しの願いではありましょう。しかし、幸福になれるかどうかは、実は自分自身の気づきや心がけや生活習慣の問題であったりもします。テンミニッツ・アカデミーの先生方が、その点についてどのようなお話をしてくださっているのか。今回、様々な確度からの「幸福論」を集めてみました。ぜひ目に留まったものからご覧ください。
- ・江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事(與那覇潤)
- ・ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは(西垣通)
- ・10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情(岡野原大輔)
- ・人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質(今井むつみ)
「AI」が怖ろしいほどの勢いで、目に見えるかたちでも、あるいは目に見えないかたちでも、日々の暮らしのなかに入ってきています。いま多くの方々が、実感知として「このまま行ったら、人間はどうなるのだろう」と感じているのではないでしょうか。さて、ではどうなるのか?人間とAIの本質的な違いはどこにあるのか。人間がこれから為すべきこととは何か? いまこそ深く考えてみたい講義群です。
1月配信講義ピックアップ
配信予定日:1月1日(木)
2026年頭所感~新しい文明の転換点とプラチナ社会への提言
人類が飛躍的に発展速度を増したのは産業革命ですが、同時に「地球容量」という制約が姿を表しました。持続可能性の課題はここに始まりますが、次の文明の基盤となる「新しいフロー」の輪郭が見えてきました。三つの柱となるのは、再生可能エネルギー、都市鉱山、バイオマス。この三本柱による社会は、私たちが長く続けてきた「採掘文明」から「循環文明」への転換を意味します。この転換のカギこそ、私たち一人ひとりの自覚と行動なのです。(全2話中第1話)
東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長
配信予定日:1月2日(金)
大慈大悲の教え――なぜ仏像は怖い顔をしているのか
唯識でいわれる阿頼耶識は人それぞれが持つ語りの集積であり、個人によって当然異なります。それが「空」で実体がないと気づくと、人との垣根は取り除かれるのです。境界に実体はないと知るのが「大智」で、全員を平等に愛するのが「大慈大悲」です。共通の逆境である災厄のときには、共感のあり方がさまざまに試されていくのです。(全10話中第5話)
筑波大学人文社会系 教授
五十嵐哲学研究室主宰/筑波大学特別研究員/ソクラテス・サンバ・カフェ主宰
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授
配信予定日:1月4日(日)
長期包囲戦が得意!?“軍事的天才”秀吉の戦い方の特徴
羽柴軍団の戦い方としては、秀吉・秀長が武闘派だったという史実から力攻め中心になりそうですが、水攻め・兵糧攻めなど長期包囲戦も少なくありません。そこには、秀吉の軍事的天才としての判断力と切り替え・転進の速さにあったのでしょう。四国攻めの際に「秀吉の言うことを守って戦っていたら怒られる」というエピソードもあるくらいです。今回は、羽柴軍団の戦い方、その実態について解説します。(全10話中第6話)
駿河台大学法学部教授/日本史学博士
配信予定日:1月5日(月)
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
「進化」と聞くと、つい「進歩する」「物事が良くなる」ようなイメージを抱いてしまいます。ですが、生物学の考えでは、それは「違う」のだといいます。「生物進化」のあり方と「思想としての進化」が、実はまったく別々になってしまっているのです。では、「生物から考える進化」とは、本当はどのようなものなのでしょうか。第1話では、まず、ダーウィン時代に考えられていた“transmutation”としての「進化」を踏まえたうえで、古代ギリシアからの生物についての諸々の議論を紹介しつつ、解説していきます。(全9話中第1話)
総合研究大学院大学名誉教授/日本芸術文化振興会理事長
配信予定日:1月14日(水)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
江戸の歌舞伎の歴史をひもときながら、その魅力に迫っていく講義シリーズ。まず第1話と第2話で歴代・市川團十郎の事績をたどって「江戸で歌舞伎がいかに発展していったか」を探り、そして第3話と第4話で「いかに歌舞伎がたくましくサバイバルして魅力を高めていったか」を見ていきます。第1話は、市川團十郎の初代から六代目までの歴史です。上方(京都、大阪)発祥の芸能であった歌舞伎を、江戸の色で染め上げた代表格が市川團十郎でした。「荒事」を打ち出したその魅力は、まるで「少年漫画」の魅力とも相通ずるといいますが、はたしてどのようなことなのでしょうか。各代の市川團十郎はどのような才能を発揮し、いかに江戸の人々を魅了したのでしょうか。堀口茉純氏の『歌舞伎はスゴイ』(PHP新書)をベースに解説します。(全4話中第1話)
歴史作家/江戸風俗研究家
講師紹介~テンミニッツ・アカデミーの講師ってどんな人?
話題書『デカルトはそんなこと言ってない』翻訳、西洋近世哲学が専門の気鋭の哲学者
筑波大学人文社会系 教授
今回は、津崎良典(つざき・よしのり)先生を紹介します。津崎先生は国際基督教大学をご卒業後、パリ第一大学で哲学科博士課程を修了され、デカルトはじめ西洋近世哲学がご専門です。テンミニッツでもデカルト講義をお話しいただいていますが、最近は「哲学カフェ」講義を続けてお願いしています。1つのテーマを哲学者が裃を脱いでとことん対話する、ライブ感満載のとても興味深い講義です。いま配信中の五十嵐沙千子先生、板東洋介先生との講義も、ぜひご覧ください。
テンミニッツ・アカデミーからのお知らせ
今後登場予定の新講師&新講義
百瀬裕規(ベインキャピタル・ジャパン共同会長):テーマ/変化する日本株式市場とPEファンド
中島隆博氏(東京大学東洋文化研究所長・教授)の新講義(テーマ:AI時代と人間の再定義)を1月下旬から、柳川範之氏(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)の新講義(テーマ:これからの社会・経済の構造変化)を1月末頃から、それぞれ配信予定です。ご期待下さい。