編集長が語る!講義の見どころ
《今を知る》心を揺さぶる美しい日本語/特集&釘貫亨先生【テンミニッツ・アカデミー】

2026/10/14

いつもありがとうございます。テンミニッツ・アカデミー編集長の川上達史です。

メール文などもAIが書いてくれるような時代になりました。しかも気づいてみると、ますます、いろいろな人との連絡ややり取りを電話や動画通話ではなく、メールやSNSなど「文章」でやることが増えているようにも感じます。

このような時代だからこそ、「美しい日本語」がとても気になるものです。

日本語の美しい表現、素晴らしい言葉に出会って、心が震えたことはないでしょうか? 日本語には、長い歴史のなかで、そして変化にとんだ至高の自然美のなかで培われてきた数々の言葉があります。

そして日本人は、和歌などの詩歌で自分の気持ちを誰かに伝えたり、記録として残したりすることもしてきました。

そんな日本語を知れば知るほど、自分の心もどんどん豊かになっていきます。日本語の歴史から、様々な用語用法まで、ぜひこの機会に学んでみてはいかがでしょうか?


■今を知る講義まとめ:心を揺さぶる美しい日本語

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=233&referer=push_mm_feat

◆釘貫亨先生:なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5277&referer=push_mm_rcm1

◆林望先生:美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4505&referer=push_mm_rcm2

◆渡部泰明先生:『古今和歌集』仮名序とは…日本文化の原点にして精華
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5143&referer=push_mm_rcm3

◆鎌田東二先生:大国主神が詠んだ歌…『古事記』の歌の意味と縁結びの力
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5177&referer=push_mm_rcm4


■講座のみどころ:日本語は世界第一級の文明言語。古代からの変遷と魅力とは?(釘貫亨先生)

私たちが、日々使っている「日本語」。しかし、考えてみれば「万葉集」の和歌に書かれた言葉を、現代人がほぼそのまま読んで理解できるのは、不思議といえば不思議なこと。実は、そのような言語は、世界にあまりないともいわれます。

一方、言葉の「発音」は大きく変わってきている部分もあります。はたして古代の日本人はどのような発音をしていたのか? そして、それはどうやってわかるのか??

今回は、釘貫亨先生(名古屋大学名誉教授)の講義を紹介します。釘貫先生は、『日本語の発音はどう変わってきたか』(中公新書、2023年)を発刊され、大きな話題を呼びました。

この本の帯に書かれた、《羽柴秀吉は、「ファシバ フィデヨシ」だった》というコピーは、日本語への興味を大きく掻き立てます。

釘貫先生ご自身の興味関心の中心は、「日本語というものを世界のなかに位置づけると、どんな言葉なのか」とのこと。その観点から、日本語の歴史と特徴をさまざまに教えてくださいます。

◆釘貫亨先生:文明語としての日本語の登場(全6話)
(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5277&referer=push_mm_rcm5

まず釘貫先生は、「日本語は第一級の文明言語」だとおっしゃいます。なにしろ、日本語を勉強すると、文学をはじめ、歴史、思想、文化、ビジネスも含めて、世界中の非常に多様で豊かな情報を得ることができます。

この多岐にわたる情報は、日本語の歴史も含めて、それぞれ世界的な意味を持っているのです。

しかも日本語は、「万葉仮名」が使われていたこともあり、とてもわかりやすいかたちで残ってきました。現代人のわれわれでも、たとえば8世紀の奈良時代の和歌などを比較的にやさしく読み解けますが、英語やフランス語ではそういうわけにいかないのだと、釘貫先生は強調されます。

実は「万葉仮名」のような漢字の使い方は、5世紀からあったといいます。その証拠になるのが、埼玉県の稲荷山古墳から出土した鉄剣の銘文。ここには、人名と地名が万葉仮名で書かれているのです。

さらに、この万葉仮名的な利用法は拡大し、助詞、助動詞、名詞、動詞、形容詞など、みんな丸ごと仮名表記されるようになります。

その点で、もっともわかりやすいのが、当時の天皇の「おことば」を書いた「宣命」と『万葉集』だといいます。

このように、文字のうえでは、現代日本人にもそのままの形で、古代に万葉仮名で書かれた文章が読めるわけですが、では、古代人が「どのように発音していたのか」はどうしてわかるのでしょうか。

「音」は消えてしまうもの。考えれば、まことに不思議なことです。

実は、それを突き止める秘密は、「漢詩との対比」にありました。

中国では、「漢詩」は科挙などの試験でも重要なものでした。読解はもちろん、自分でも縦横無尽に詩が書けないといけないのです。

「詩」ですから、韻を踏むなど、音律を整えることがとても重要になります。そのため、たとえば唐の時代の詩を十分に解釈し、唐代のような詩をつくれるよう、中国では1000年以上にわたって「音韻学」が発達していたのです。

この中国での音韻学をベースにしつつ、スウェーデン人言語学者のバーナード・カールグレンや、日本の言語学者の有坂秀世氏などが唐代の長安でどのような発音がなされていたかを復元しました。

この唐代の「発音」を、同時代の万葉仮名に当てはめれば、その発音が復元できるのです。

では、どのような発音がなされていたのか……は、ぜひ講義第3話をご覧ください。釘貫先生が実際に『万葉集』の柿本人麻呂の和歌を当時の発音で読んでくださいますが、ここはまさに動画講義ならではです。

もう1つ、そのような「音」の研究で重要なのが、『古事記』が偽書かどうかが確定したということです。

古くは江戸時代から、「『古事記』は偽書ではないか」という説がありました。それが完全に「否定」されたのです。

その決め手になったのが、「奈良時代には母音が8つあった」という事実です。そして『古事記』の万葉仮名では、その母音の使い分けをしていたのです(ちなみに、この発音の違いが、現在の方言にも影響を与えているという話も講義第3話でお話しいただいています)。

そのことが『古事記』の真贋証明にどのように影響したかも、ぜひ講義本編でご覧ください。

第4話では、「いろは歌」などを例に引きつつ、平安時代の「ひらがな」「カタカナ」誕生の経緯や、当時の発音についてご説明いただいています。

さらに第5話でお話しいただくのが、『源氏物語』『枕草子』『古今和歌集』など王朝文学の表記法と、音韻変化について。実は「仮名書き」の混乱が色々な問題を招いていたというのですが……。

そこで大きな役割を果たしたのが藤原定家でした。彼がどのようなことをしたのかは、ぜひ講義第6話をご参照ください。

われわれが普段、何気なく使っている日本語のルーツを知ることは、とても興味深いことです。先生が実際に発音してくださるのを聞きながら学べるのも動画講義のメリット。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)

■今を知る講義まとめ:心を揺さぶる美しい日本語
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=233&referer=push_mm_feat

◆釘貫亨先生:文明語としての日本語の登場(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5277&referer=push_mm_rcm6


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