ソ連時代から近年に至るまでロシア外交の最前線に立ち続けてきた元駐ロシア大使である上月豊久氏。自分の感情を一切表情に出さない冷徹な面と、相手の関心を引き寄せる「人たらし」の面を併せ持つプーチン氏の多様な面を直接目撃してきたという。本講義は、上月氏が長年の外交官生活で深く接してきたロシアについての知見をもとに「ロシアの歴史」をひもとき、そこからプーチン氏の歴史認識にも迫っていく。第1話ではまず、上月氏のロシア経験とプーチンとのエピソードを語っていく。巷間「理解するのが難しい」ともいわれるプーチンの実像とは。(全10話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
ロシア人の見る「ロシアの歴史」
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
上月豊久(元駐ロシア日本国特命全権大使)
2.なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
2026年10月23日配信予定
3.ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
2026年10月29日配信予定
4.ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
2026年10月30日配信予定
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5.「ロシア正教こそが世界の中心」という使命感…ロシア正教の大きな役割と「儀礼改革派」「古儀式派」
2026年11月5日配信予定
6.タイトル未定
2026年11月6日配信予定
7.タイトル未定
2026年11月12日配信予定
8.タイトル未定
2026年11月13日配信予定
9.タイトル未定
2026年11月19日配信予定
10.タイトル未定
2026年11月20日配信予定
時間:8分48秒
収録日:2026年6月24日
追加日:2026年10月22日
収録日:2026年6月24日
追加日:2026年10月22日
≪全文≫
●ソ連時代からロシアの外交に携わってきた半生を振り返る
―― 皆様、こんにちは。本日は上月豊久先生に「ロシア人の見るロシア史~プーチンの歴史認識」ということでお話をお伺いしたいと思います。上月先生、どうぞよろしくお願いいたします。
上月 よろしくお願いいたします。
―― ちょうど上月先生がこちらのご本ですね。新潮選書になりますけれど、『プーチンの歴史認識:隠された意図を読み解く』というご本をお書きになられまして、こちらの内容をもとにお話を伺っていきたいと思います。
上月先生は長らく本当に外務省でロシア畑をご担当されていらっしゃったということで、最初にロシアに行かれたのが入省してすぐのタイミングですね。1984年にモスクワ大学に在外研修で行かれたということですか。
上月 はい。外務省は若くして入省した者については、研修の機会が与えられるようになっています。ロシア語は3年間、研修の期間がございます。私はアメリカで2年、最初の年はディフェンス・ランゲージ・インスティテュートという米国防総省の語学学校でロシア語を勉強して、2年目はハーバード(大学)のロシア研究機関――大学院ですが――で勉強しました。3年目はモスクワ大学で勉強するということで、1984年にモスクワに行きましたのが最初のロシア勤務のスタートでした。
―― 当時はまだソビエト連邦の(時代ですね)。
上月 そうですね。最初の勤務の時はソ連時代でしたので、やはり外国人との接触ということについて、ロシア人が非常に身構えていた時期だったと思います。
―― そのあたりは本当に歴史を感じる一コマでございますけれど、その後そのまま1985年にロシア大使館での勤務に入られるということですね。
上月 そうですね。ちょうど1985年はゴルバチョフが書記長になった年でした。ゴルバチョフ書記長になった頃はまだ研修生でしたけれど、その後、勤務を始めて、大使館に2年間勤務いたしました。
―― そこで2年間、お勤めになられて、日本に帰られてからも比較的ロシアに近いお仕事が多くていらっしゃったと。
上月 そうですね。ロシア課の勤務が多くございました。
―― はい。次にロシアに行かれたのが1997年。この年に一等書記官として、また赴任されるということで、この時はロシアでいうと……。
上月 この時はちょうどエリツィンの時代でした。1997年に行きまして、すぐ...
●ソ連時代からロシアの外交に携わってきた半生を振り返る
―― 皆様、こんにちは。本日は上月豊久先生に「ロシア人の見るロシア史~プーチンの歴史認識」ということでお話をお伺いしたいと思います。上月先生、どうぞよろしくお願いいたします。
上月 よろしくお願いいたします。
―― ちょうど上月先生がこちらのご本ですね。新潮選書になりますけれど、『プーチンの歴史認識:隠された意図を読み解く』というご本をお書きになられまして、こちらの内容をもとにお話を伺っていきたいと思います。
上月先生は長らく本当に外務省でロシア畑をご担当されていらっしゃったということで、最初にロシアに行かれたのが入省してすぐのタイミングですね。1984年にモスクワ大学に在外研修で行かれたということですか。
上月 はい。外務省は若くして入省した者については、研修の機会が与えられるようになっています。ロシア語は3年間、研修の期間がございます。私はアメリカで2年、最初の年はディフェンス・ランゲージ・インスティテュートという米国防総省の語学学校でロシア語を勉強して、2年目はハーバード(大学)のロシア研究機関――大学院ですが――で勉強しました。3年目はモスクワ大学で勉強するということで、1984年にモスクワに行きましたのが最初のロシア勤務のスタートでした。
―― 当時はまだソビエト連邦の(時代ですね)。
上月 そうですね。最初の勤務の時はソ連時代でしたので、やはり外国人との接触ということについて、ロシア人が非常に身構えていた時期だったと思います。
―― そのあたりは本当に歴史を感じる一コマでございますけれど、その後そのまま1985年にロシア大使館での勤務に入られるということですね。
上月 そうですね。ちょうど1985年はゴルバチョフが書記長になった年でした。ゴルバチョフ書記長になった頃はまだ研修生でしたけれど、その後、勤務を始めて、大使館に2年間勤務いたしました。
―― そこで2年間、お勤めになられて、日本に帰られてからも比較的ロシアに近いお仕事が多くていらっしゃったと。
上月 そうですね。ロシア課の勤務が多くございました。
―― はい。次にロシアに行かれたのが1997年。この年に一等書記官として、また赴任されるということで、この時はロシアでいうと……。
上月 この時はちょうどエリツィンの時代でした。1997年に行きまして、すぐ...
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