この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
上野誠(國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)/奈良大学 名誉教授)
3.郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に示す媚態表現の真相
2026年10月26日配信予定
4.万葉時代最大の役所があった新田山とは?『万葉集』東歌で詠まれたその姿と発掘調査の成果
2026年10月27日配信予定
1300年ほど前の律令社会には「出挙」と呼ばれる税制度があった。当時の主要な税制の一つで、稲を強制的に貸し付けて高利の利息を税として回収する制度のことだが、地方役人である国司は各郡へ出向いてその視察や業務調査を行わなければならなかった。実際に税を払うのは在地の郡司やその地域の人たちゆえ、彼らの協力は不可欠であった。そうなると、国司と彼らの関係はどうなるか。第2話では、地方における信頼関係を構築するために行う国司の仕事について、出挙の話や能登で詠んだ歌を取り上げながら解説する。(全4話中第2話)
時間:15分39秒
収録日:2026年9月16日
追加日:2026年10月20日
収録日:2026年9月16日
追加日:2026年10月20日
カテゴリー:
≪全文≫
●寄進はとても重要――国司は郡司たちに頼む側
つまり、中央が進めたい政策といえども、地方においては、その地方で働く人がいなければどうしようもないわけです。
これには国分寺の建立とその後の維持管理があるのですけれど、最近、国分寺の発掘、国府の発掘が進んできまして、いろんなことが分かるわけです。
例えば、国分寺ができるとなると、お寺だから瓦がいるとなる。(そうすると、)「それでは、この地域の人たちは、これくらいの瓦を焼いて、国分寺に持ってきてください」「(別の)この地域の人はこれくらいの瓦を焼いて、国分寺に持ってきてください」(となる)。
それで、瓦は瓦を作る工房が違えば、焼き方もちょっと違うし、模様なども違う。瓦は型に入れてその土を押し固めて焼きますので、そのときに型にちょっとした傷がついたりしますので、同じような傷がついているものは同じ窯で焼いたということが分かるのです。しかも、いつ頃傷がついたかも分かりますので、瓦の研究は建物の研究の中でものすごく大きいのです。いつ作ったかが分かるから。
そうすると、分かってくるのです。この地域の郡司たちはこれくらいの瓦を焼いて納めた。(別の)この地域の郡司たちは、これくらいの瓦を焼いて納めた。というようなことが分かると、(どうなるか)。国守は頼む側です。「お願いしますよ」と頼む側なのです。在地の郡司と(その地域の人たちに)。しかも、その郡司さんたちに納得して出してもらわなければいけないわけです、いろんな物品を、(そして)資金を。
そうすると、そこが重要だと思うのですけれども、その郡司さんたちに「仏教というものはこんなに素晴らしいものでございますよ」「平城京においては、聖武天皇さまもこれだけ仏教に帰依しておられます。こういうような写経と言いまして、お経を写す事業が行われておりますよ。そして、中央にはこんな大きなお寺があるのでございます。しかし、地域地域に仏塔を建て、お寺を造っていかなければ、日本国に仏教が広まったとは言えません。したがって、皆さん一人ひとりが仏者となって、在家の信者となって、そして仏教を信仰していただき、かつ、大変申し訳ないことなのですが、瓦を拠出していただけませんでしょうか、資金を拠出していただけませんでしょうか」というようなことがあるわけです。
私は、これから神社でもお寺でも...
●寄進はとても重要――国司は郡司たちに頼む側
つまり、中央が進めたい政策といえども、地方においては、その地方で働く人がいなければどうしようもないわけです。
これには国分寺の建立とその後の維持管理があるのですけれど、最近、国分寺の発掘、国府の発掘が進んできまして、いろんなことが分かるわけです。
例えば、国分寺ができるとなると、お寺だから瓦がいるとなる。(そうすると、)「それでは、この地域の人たちは、これくらいの瓦を焼いて、国分寺に持ってきてください」「(別の)この地域の人はこれくらいの瓦を焼いて、国分寺に持ってきてください」(となる)。
それで、瓦は瓦を作る工房が違えば、焼き方もちょっと違うし、模様なども違う。瓦は型に入れてその土を押し固めて焼きますので、そのときに型にちょっとした傷がついたりしますので、同じような傷がついているものは同じ窯で焼いたということが分かるのです。しかも、いつ頃傷がついたかも分かりますので、瓦の研究は建物の研究の中でものすごく大きいのです。いつ作ったかが分かるから。
そうすると、分かってくるのです。この地域の郡司たちはこれくらいの瓦を焼いて納めた。(別の)この地域の郡司たちは、これくらいの瓦を焼いて納めた。というようなことが分かると、(どうなるか)。国守は頼む側です。「お願いしますよ」と頼む側なのです。在地の郡司と(その地域の人たちに)。しかも、その郡司さんたちに納得して出してもらわなければいけないわけです、いろんな物品を、(そして)資金を。
そうすると、そこが重要だと思うのですけれども、その郡司さんたちに「仏教というものはこんなに素晴らしいものでございますよ」「平城京においては、聖武天皇さまもこれだけ仏教に帰依しておられます。こういうような写経と言いまして、お経を写す事業が行われておりますよ。そして、中央にはこんな大きなお寺があるのでございます。しかし、地域地域に仏塔を建て、お寺を造っていかなければ、日本国に仏教が広まったとは言えません。したがって、皆さん一人ひとりが仏者となって、在家の信者となって、そして仏教を信仰していただき、かつ、大変申し訳ないことなのですが、瓦を拠出していただけませんでしょうか、資金を拠出していただけませんでしょうか」というようなことがあるわけです。
私は、これから神社でもお寺でも...