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贅沢は敵か「素敵」か?…戦時中の日本にも諷刺の精神が

世界のジョーク集で考える笑いの手法と精神(1)体制を笑うジョークと諷刺の精神

早坂隆
ノンフィクション作家
概要・テキスト
『世界の日本人ジョーク集』 (早坂隆著、中央公論新社)
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「ジョークは時代を映す鏡」といわれる。現代でも、紛争や戦争に直面する厳しい状況はもちろん、一部の専制国家では自由な言論が封じられた社会で、多くの人びとが暮らしている。そうした抑圧された環境下では、体制を笑う諷刺的なジョークが生まれやすいという。さらに、笑いの大切さ、またそれを許容する社会のあり方とは。これから4回にわたって、「世界のジョーク集で考える笑いの手法と精神」というテーマで、世界と日本のジョークについて講義する。(全4話中第1話)
時間:10:43
収録日:2024/03/14
追加日:2024/06/14
≪全文≫

●「ジョーク集」は累計で100万部を突破


―― 皆さま、こんにちは。

早坂 こんにちは。

―― 本日は、早坂隆先生に「世界のジョーク集から考える笑いの手法と精神」ということでお話をいただこうと思います。早坂先生、どうぞよろしくお願いいたします。

早坂 よろしくお願いします。

―― こちらにずらりと並んでいますけれど。

早坂 ずらりと並べていただいて、ありがとうございます。

―― 早坂先生がずっとお出しになってきているジョーク集ですが、これらはだいたい中公新書ラクレさんからですか。

早坂 ほとんどですね。

―― 他の新書もありますけれど、今全部で累計何万部ぐらい出ているのですか。

早坂 累計で、正確にはちょっと分からないですけれど、一応100万部は突破していると聞いています。ほんとうかどうか(笑)。

―― いやいや、だいたいそういうふうに出版社が言うときは、超えないとなかなか言えないものですので。

早坂 そうですよね。嘘じゃないですよね。

―― 嘘じゃないと思います。

早坂 ジョークだったら困りますね(笑)。

―― そうですね(笑)、ジョークの本だけに、ということはありますけれど。でも、それだけこれが求められることについて、先生はお書きになっていてどう感じられますか。そのジョーク集に対する反応というのは。

早坂 そうですね、最初はそんなに読んでいただけるかどうかというのは分からなかったのですが、3冊目だったか、それに書いた『日本人ジョーク集』という、日本人が出てくるジョークを中心にした本のあたりから、多くの人に読んでいただけるようになりました。それからは、お陰様でほんとうにありがたい限りです。

 それまでも、いろいろなジョーク集は、私が出すまでにもあったと思うのですが、だいたいそういうのはアメリカのジョーク集とか、ユダヤ人とか、そういうものが出ていたのです。

 私の本職は一応ノンフィクション作家で、いろいろと世界中へ取材に行くので、そういった国々のジョークを集めていたのです、半分趣味みたいな感じで。お笑いが好きなので、それをこのようなジョーク集にしていったら、それまでのアメリカのものとはまた雰囲気が違ったものになり、世界中、その国々にいろんなお笑いがあるので、それが真新しかったのではないかということ...
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