紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
人道と国益…国民の税金で行う国際支援をどう考えるべきか
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(6)新たなミッションとしての国際協力
小原雅博(東京大学名誉教授)
危険が伴う紛争地域への現地支援についてどのように考えるべきか。また、自国の経済が苦しい中で、国民の税金で行う他国への支援について、人道と国益という視点からどう考えるべきなのか。国際協力活動をとりまく疑問に対して、真摯に答えていく本講義終了後の質疑応答編。(2024年4月27日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全6話中第6話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:18分20秒
収録日:2024年4月27日
追加日:2024年9月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●「失敗国家」未満の国への支援をまず考える


―― ありがとうございます。ここからは皆さまの質問をお受けいたしまして、先生にお答えいただくということにさせていただきたいと思います。

―― 【質問】退職後に社会貢献のことを考えたいと思っています。講義では海外協力隊がキーワードとして出てきました。若い方々は、日本に帰国してからNGOに勤めたり、大学院に進学したりするなどキャリア形成も考えられると思いますが、シニア世代についてはどうでしょうか。また、今イラクやシリアといった紛争地に行くのは正直厳しいと思うのですが、どういった地域に派遣される可能性があるでしょうか。

小原 まず地域の話からすると、よく「失敗国家」という言葉をわれわれ学者は使うのです。失敗国家とは何かというと、先ほど(第2話で)国家の説明を皆さんにしましたが、なぜ国家が必要かということです。

 つまり、国家の機能が十分ではなかったり、失われたりしていくと、国家の最大の目的の安全が保障されないわけです。そうなると、例えばアフリカの一部の国、中東でもそうです。今いわれた(紛争地の)イラク、シリア、(あるいは)イエメンなど、いろいろなところがありますけれど、ある意味での失敗国家になってしまうと、そうした安全を保つための機能がワークしないわけです。

 例えば、警察にしろ、裁判所にしろ、それは腐敗が問題だったり、あるいは、ほぼそうした機能が紛争等によって動かなくなってしまっているという問題もあると思うのですけれど、それが結局、治安情勢をさらに悪化させていって、そういったところで人道的に活動するのは非常に危険になってくるのです。

 けれど、そうしたところほど、すごくニーズがあるわけです。(本講義で)JICAやNGOの話もしましたけれど、いろいろな分野が実はあって、そこまでいっていない国で、よりしっかりとしたガバナンスというものを、日本の協力によって整備したい、もっとそれを強化したいという国はたくさんあるわけです。

 だから、もちろんガザのようなところに皆さんが行って、「天井のない監獄」だといわれているようなそういうところで、では活動ができるかというと、なかなか難しいし、皆さんの命の危険もあるので、それは本当に慎重に考えないといけないと思います。そうではない、そこまでいっていない国もたくさんあるわけです。

 そう...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一

人気の講義ランキングTOP10
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
国家の利益~国益の理論と歴史(2)ペロポネソス戦争の教訓
国益の歴史…ペロポネソス戦争の教訓とトゥキディデスの罠
小原雅博
50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護
介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし
太田差惠子
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留