紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
人助け指数世界ワースト2位…日本に足りない「人の貢献」
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(4)「人の貢献」とNGO活動
小原雅博(東京大学名誉教授)
日本の人助け指数は世界ワースト2位だというデータがある。それだけ日本にはまだ人道支援、チャリティという概念が浸透していないということではないか。前回解説した「人間の安全保障」は、一人ひとりの自立を支援することで長期的な国際平和を目指すという考え方だが、具体的にどのような方法によってそれが実現できるのだろうか。今回は、国際NGOで成果を挙げている活動や個人ができる活動を紹介し、私たちにできる安全保障の形、「人の貢献」について具体的にイメージしよう。(全6話中第4話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分30秒
収録日:2024年4月27日
追加日:2024年8月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本の国際NGOの端緒になったジャパン・プラットフォーム


小原 こうした観点から、そうした持続的な能力を育てるために、われわれができるのではないか。例えば会社を退職された方が、自分が持っているそうした9分野の中で、自分の能力を海外に行って伝えていく。海外の人たちの自立能力を高めていく。これは非常に息の長い協力ですけれど、第2の人生として、非常に大きいことですし、これはもちろん若者もどんどん参加しています。そうした若者がそうした経験を踏まえて、また日本に戻ってきて日本の企業に中途採用で入っていく。あるいはJICAでまた働くのです。

 さらにいうと、次に出ていますけれど、国際NGOというようなところでも働きます。

 図を皆さんに用意したのですが、「ジャパン・プラットフォーム」というものができたのです。これはコソボ紛争の時に、日本は何ができるかというようなところから、この時に、当時、世界のNGOが人道支援にあたったのです。

 ところが、当時の日本のNGOはまだまだ小さかったのです。資金的にも不足して、人材的にもマンパワーです。一つひとつのNGOが対応できない中で、政府や経済界と一緒になって資金やノウハウや経験といったものを集約したプラットフォームをつくる、中間的なものです。そこにもちろん個人が入っていくわけです。こういうものをつくったのです。

 私は外務省の中で、そうした援助の仕事をしたわけです。先ほど(第1話で)9・11のお話をしましたが、アフガニスタン戦争の後にアフガニスタンを民主化する(という中で)、アフガニスタンは、当時まさに麻薬栽培だとか腐敗だとか、いろいろな問題があって、非常に生活レベルが低かったのです。こうした国をしっかりと復興していく。そうしたプロセスの中で、ジャパン・プラットフォームは活躍したわけです。

 こうしたシステムの下で、いろいろな協力が行われたわけですが、その1つが「ペシャワール会」と書いてあるのですけれど、皆さんもご存じの2019年に、銃弾に倒れた中村哲さんです。こうした協力を草の根レベルでやっているNGO、これを、私も当時「無償資金協力」という課の課長をしたわけですけれど、そのときに一生懸命ご支援をさせていただいたということなのです。


●一個人でもできる支援の形はある


小原 では、皆さんに何ができる...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫