紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
「暴力はいけません」では済まない…国際社会が抱える難題
第2話へ進む
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
小原雅博(東京大学名誉教授)
「20世紀は戦争の世紀」といわれているが、近年もロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ紛争が起こるなど、世界的に戦争や紛争が絶えない現実がある。再び戦争の時代へ突入したこの状況を私たちはどのように考えて、どう向き合っていけばいいのか。第1話の今回は、まずアメリカの弱体化をはじめ現在の混沌とした情勢の背景、その経緯について解説する。(2024年4月27日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全6話中第1話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分25秒
収録日:2024年4月27日
追加日:2024年8月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●「20世紀は戦争の世紀」、そして21世紀は再び戦争の時代へ


―― 本日ですが、小原雅博先生に、戦争や紛争が絶えない世界でわれわれはいったい何を考えて何ができるのか、市民の立場からどういうことができるのかということを軸に、お話をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

小原 よろしくお願いします。

―― 最初に今回の講義ですが、まず、私たちは今どんな時代に生きているのかというところでお話をいただきたいと思っています。

小原 本当に難しい時代になってきたと思うのです。長い人類の歴史を振り返りますと、実は平和な期間というのは本当に短かったのです。「戦争と平和」とは、トルストイの言葉でもあるわけですけれど、「平和」とはいったい何なのだという議論をすると、悲観的には平和は、戦争と戦争の間の休戦期の、一時的な平和でしかないのだという見方もあるわけです。

 少し時代をさかのぼると、「20世紀は戦争の世紀」といわれているわけですけれど、20世紀には第一次世界大戦があり、第二次世界大戦がありました。この2つの大きな大戦があって、その後に冷戦という時期はソ連とアメリカを中心とした東西の対立、核戦争の危機にキューバ危機というものがあったわけです。そうしたことを乗り越えて、冷戦が終結して、ソ連、あるいは共産圏といわれていた東欧諸国の社会主義体制がみな崩壊するわけです。

 その後に生まれた(のが)アメリカ一極主義ですね。2つの超大国があったうちの1つが倒れて、基本的に自由で民主主義、かつ、市場経済といったパッケージの秩序というものが、世界を覆うかのようになり、当時フランシス・フクヤマというアメリカの非常に著名な哲学者は、これでもって人類の歴史は終わったのだと(いいました)。ベストセラーになります、『The End of History (and the Last Man) 』という本が象徴するように、われわれはこれから永続的な平和の時代に生きることになるのだというような、楽観的な予感が世界的な空気になった時代もあったわけです。

 それが21世紀に入ると、皆さんご存じのように9.11が起こるわけです。今、戦争・紛争という話をしましたけれど、暴力には、テロという問題も非常に大きいわけです。そのテロが、アメリカという超...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留