地政学入門 歴史と理論編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
トゥキディデスの罠の教訓…大事なのは戦争回避の4ケース
地政学入門 歴史と理論編(7)戦争を起こさないための地政学
小原雅博(東京大学名誉教授)
国際社会において戦争を起こさないためには、これまでの歴史を踏まえて地政学的に世界情勢を分析することである。第1次・第2次世界大戦から冷戦期における分析からはじめ、古代ギリシャから現代まで引き継がれる「トゥキディデスの罠」の教訓と、弱体化するアメリカの現状を踏まえ、これからの国際社会を考えるヒントを探る。(全7話中第7話) ※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分38秒
収録日:2024年3月27日
追加日:2024年6月11日
≪全文≫

●イギリスとドイツの軍拡競争


―― つづきまして、出していただいたのが、イギリスとドイツの建艦競争です。

小原 これは先ほど(第5話で)も説明した通りです。

―― はい。

小原 これはここに本もありますが、軍拡競争です。この写真はヴィルヘルム2世です。彼が非常に野心的なイギリスへの海上覇権のチャレンジをするわけです。アルフレート・フォン・ティルピッツという海軍大臣がいましたが、彼の下で軍艦を大増強するわけです。

 ここに表がありますけれど、1906年から1914年にかけて、イギリスとドイツがこのドレッドノート級という、当時は革命的だともいわれたような、性能が以前の軍艦に比べて圧倒的で強力な、海上の戦争をリセットするような軍艦を建造するわけです。

 それを建造する競争として、それ以外の戦艦も含めてなのですけれど、ここに書いてあるようにドイツがどんどん造るのです。それに対してイギリスは、負けてはいかんということで、イギリスも軍艦を製造する。(そして)「ドイツの将来は海上にあるのだ」といって、こうした海軍の大増強をしたヴィルヘルム2世とイギリスがここでぶつかり合うわけです。

 したがって、こうした軍拡競争というのは、その後も続くわけです。

 実は第1次世界大戦の終わった後、皆さんも歴史で勉強されたと思うのですけれど、ワシントン海軍軍縮条約というものができるわけです。それでもって、1921年に海軍軍拡競争はそこで歯止めがかかるわけです。

 この時には主力艦の建造を中止しようと。大尉以下を退役させて、海軍での軍拡競争をここで財政的にも余裕がないのでやめようではないかということで、ある意味で「海軍休日」のような言葉でいわれていますけれど、しばしの平和がそこで起きたわけです。

 実際にはその後、ワシントン(海軍軍縮)条約が失効する1936年に日本が脱退して、そこからまた新しい海軍の軍拡競争が始まりました。それが第2次世界大戦につながっていくという流れなのです。

―― 日本でいうと、有名な戦艦大和とか、戦艦武蔵ができてくるのはその時期だったということですね。

小原 はい。そういう意味でいうと、まさに冒頭に(第1話で)いったような大国間の競争がシーパワー、ランドパワー、あるいはシーパワー同士の争いにもなりました。日本が失敗したのは、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(11)日本史から読むメンタルヘルス
【10min解説】與那覇潤先生《日本人とメンタルヘルス》
テンミニッツ・アカデミー編集部
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(3)ビットコインの革新と矛盾
暗号通貨は従来の通貨と何が違うか…ビットコインの矛盾点
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(1)米を食べる日本人と『分裂病と人類』
日本人の生きづらさの特徴は?~中井久夫著『分裂病と人類』
與那覇潤
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(4)事例からみる内部統制の実際
過剰なルールベースの内部統制は百害あって一利なし
國廣正
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(3)戦争終結シナリオと大統領選挙の行方
MAGA連合に亀裂!?イラン戦争が及ぼす大統領選への影響
東秀敏
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二