戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換
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カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
2025年9月、アメリカのトランプ政権は、国防総省を「戦争省」へ名称を変更した。それは内戦の構造を根本的に反転させる、大きな変化を象徴する出来事だった。政府から国民に対して行われるトップダウンの内戦とはなにか。ゲリラ戦が起こる一歩手前の状態にあるという、現在のアメリカの状況を解説する。(全3話中第1話)
時間:11分16秒
収録日:2025年9月24日
追加日:2025年11月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカで起きている「構造転換」とは


 CSPC(米国大統領制兼議会制研究所)上級フェローの東と申します。今回もよろしくお願いします。

今回は、「戦争と暗殺 米国内戦の予兆と構造転換」という題目でお話しします。

 まず問題提起なのですけれど、2025年9月以降、アメリカの内戦の可能性はどう変わったのか。これに対する一つの回答として、まず、この2025年の9月だけで、ものすごい展開がありまして、まず一つに戦争省の台頭があります。ペンタゴンから戦争省という名前に変わりました。そして、チャーリー・カークというMAGAの運動の若手のトップのインフルエンサーがいるのですけれど、彼が暗殺されまして、今後内戦がもし本格的に起こるとすれば、この構造が逆転すると判断します。

 それはどういうことかというと、今までの内戦の可能性というのは、連邦政府に対して一般のアメリカ人が立ち上がる、つまりボトムアップの下から上の構造だったのですけれど、今後は連邦政府が、逆に国民に対して内戦を仕掛けるようなトップダウンの、上から下の構造転換がありました。ここで重要なのが、今までのペンタゴン、つまり国防総省(Department of Defense)といわれていたものが、Department of War、つまり戦争省に先祖返りし、1947年以前の名前に戻ったのです。次に2025年9月10日にチャーリー・カークというMAGAの有力インフルエンサーの暗殺事件がありました。

 これで一気にアメリカ国内の議論の方向性が変わり、今後アメリカの社会分断を見るときに注意すべき分断のラインというのが、MAGA VS極左+イスラム過激派の方向性になっています。

 しかし、これは短期・中期の方向性であり、長期的には、私が見るに、白人VSユダヤの最終戦争になっていくと思うのです。

 この着眼点に基づき、まずその全体の要旨を見ていきたいと思います。


●トランプ政権に潜在する内戦の火種


 2025年9月は、トランプ第二期目の分岐点、まさにターニングポイントといわれる瞬間であり、その理由が、アメリカの内戦の可能性において、内部構造が下から上(ボトムアップ)から、上から下(トップダウン)に移行しました。つまり、連邦政府が今後、内戦を国民に対して仕掛...

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