為替レートから考える日本の競争力・購買力
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
「50年ぶりの円安」などといわれることがある。だが、ドル円レートだけを見ると50年前の当時よりは円高であるように見える。このギャップは、どこから生じるのだろうか。為替相場を正しく理解するには「実質為替レート」や「購買力平価」といった用語を理解し、為替レートと物の値段の双方から分析する必要がある。今回は、それらの用語を解説しつつ、ビッグマックの価格(ビッグマック指数)なども例に取り上げ、為替についていかに理解するべきかを、分かりやすく解説していく。(全2話中第1話)
時間:14分40秒
収録日:2023年7月19日
追加日:2023年9月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●為替相場の動向を正しく理解するための用語


 皆様、こんにちは。養田でございます。

 今回は、1ドル140円などで実際に取引されている名目為替レート、実質為替レート、購買力平価など、さまざまな種類の為替レートの為替水準をあらわす指数などから、円の価値や日本の競争力、購買力がどう変化しているのかを考えていきたいと思います。

 こちらのページをご覧ください。皆様は、報道等で「50年ぶりの円安」という言葉を聞いたことがあると思います。2022年あたりから耳にする機会が増えました。しかし、50年前のドル円レートは1ドル300円程度です。(収録時の)2023年7月中旬時点での為替レートは1ドル140円程度ですから、50年前に比べれば十分円高ではないかと思うかもしれません。

 また、このような話の際には、「実質為替レート」あるいは「購買力平価」などの言葉も出てきます。何気なく使われている言葉ですが、これらはどんな意味を持つのでしょうか。そして、これらの概念と実際の為替レートを比べることにどんな意味があるのでしょうか。

 本日は、これらの論点に対する解説、検証を行いつつ、改めて円の価値、日本の競争力、購買力について考えていきたいと思います。


●為替レートと物の値段を見ることで「円の価値」を測る


 次のページをご覧ください。今申し上げたことを考えるにあたって、まずはよく耳にする日米のビッグマックの価格を通じて整理をしていきたいと思います。

 ここで見ていくのは、2国間の為替レート、そして物の値段の双方がどの程度変化しているかです。この両方の変化を同時に見ていくことで、本日の主題である「円の価値」の測り方が見えてきます。

 この表は、アメリカと日本のビッグマック、為替レートを比較するものです。分かりやすく概念を理解するため、現実の価格動向を参考に、A時点、B時点の価格、それぞれの時点の為替レートをキリのいい数字で比較していきます。

 想定の内容は、Aの時点で、アメリカのビッグマックは左の写真の下にある通り3ドル、B時点では5ドル、日本ではそれぞれ300円と400円です。そのときの為替レートは、真ん中の表の左にある通り、それぞれ1ドル90円、140円とします。

 ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(3)「吉田調書」問題と津波の予見
朝日新聞と「吉田調書問題」…所員の9割が命令違反で撤退?
門田隆将
高市政権の進むべき道…可能性と課題(4)外交力と防衛力の強化へ
求められる「能動的サイバー防御」、問われる本物の外交力
島田晴雄
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
インフレの行方…歴史から将来を予測する(4)10年後の物価…5つのシナリオ
5つのシナリオ分析…10年後の日本の物価水準はどうなる?
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
AI時代と人間の再定義(5)AI親友論と「WE」という概念の問題
AI親友論って何?「Self-as-WE」と京都学派の思想
中島隆博