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重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス

三谷宏治
KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授
情報・テキスト
『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』(知的生きかた文庫:三谷宏治著、三笠書房)
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「重要思考」で考え、伝え、聴き、そして会話・議論する――三谷宏治氏が著書『一瞬で大切なことを伝える技術』の中で提唱した「重要思考」は、大事な論理思考の一つである。近年、「ロジカルシンキング」の重要性が叫ばれるようになったが、その技法を体系的に学ぶ機会は少なく、またハードルも高い。今回のテーマである「重要思考」は、そのロジカルシンキングを誰でも実践できるようにもっともシンプルな形にしたものだ。それは「重みと差」、そしてDMU という3つのコンセプトで考えるやり方だが、それぞれどのような意味があるのか。「重要思考」の要点とともに解説する。(全4話中第1話)
時間:15:49
収録日:2023/10/06
追加日:2024/01/24
キーワード:
≪全文≫

●考え、伝え、聴き、会話・議論するための「重要思考」


 皆さん、こんにちは。三谷宏治といいます。今日はこれから『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』(知的生きかた文庫、三笠書房)、この文庫の水色の本をベースに、まずは3ステップのお話をしたいと思います。

 まずはこの本の中心課題である「重要思考」ということです。実はこの文庫になる前に、もう10数年前でしょうか、この前の本があります。四六判の『一瞬で大切なことを伝える技術』です。かんき出版というところから出したのですけれど、編集の方が来られて、「三谷さん、伝える技術という本を書きませんか」というご提案がありました。

 でも彼は、それまでに私が書いた本も読んでいて、「分かっています、三谷さんが言いたいことは伝える技術ってことじゃないですよね」と言うのです。その通りです。私は伝える力が9割などとかけらも思っていません。中身がないのに伝えても仕方がありません。私が一番大切にしていることは考えることです。

 でも、彼は言うのです。残念ながら、考えるという本はあまり売れません。考えるという本は、読者に「おまえは考えていない」と突きつけることになるのであまり売れないのです。だから、「考えはあるけれど、うまく伝わりませんよね」と言うと、本は売れるのです。ということで、「では、いいだろう、タイトルは『伝える技術』だ」と。

 でも、私の本なので、第1章は「考える」です。ちゃんと考えていないから伝わらないのです。だから、ちゃんと考えよう。ちゃんと考えれば自動的に伝わりやすくなるよ、となっています。

 でも、このタイトル(書題)には、もう1つ大きな嘘があります。それは伝える技術という本なのに、「伝えてうれしい」ではありません。それで終わりではありません。最終的な目的はちゃんと議論ができることです。ちゃんと議論をする。そのためにはもう1ステップ必要ですよね。それが「聴く」ということです。聴覚の「聴」という漢字を使っています。

 最近、よく「傾聴」といいますよね。もとからある日本語ですけれど、今われわれがよく使ういわゆる「傾聴」は、心理学用語としての傾聴でしょう。カウンセリングだとかコーチングで使うようになったから、「傾聴」「傾聴」といいます。耳を傾けよう。もともとは英語です。「アクティブ・リスニング」といいます。それが翻訳されて「傾聴」となりました。とてもいい訳だと思うのですけれど、カウンセリングだったら、相手がぼやぼやっと思っているものをそのまま全部引きずりだしてあげるのでもいいかもしれません。

 でも、議論するためにはそれでは困ります。もう少しアクティブでないといけません。相手に上手に質問をするとか、考えを促すとか、というようなことをしてから引き出すことによって、はじめて議論することができます。

 この4つのステップ全てに「重要思考」というものが入っています。重要思考とは論理思考の一種です。重要思考で考え、伝え、聴き、そして会話・議論しようという本です。


●キーワードは「重みと差」とDMU


 重要思考とは最もシンプルな論理思考だと思っています。この世の中というか、日本で「ロジカルシンキング」とよくいわれます。でも、海外、特に欧米で、会社に入ってから論理思考の研修を受けるなんてことはほぼあり得ないでしょう。なぜかというと、そういったものは学生時代、子ども時代から叩き込まれてきて、当然だからです。でも、日本ではその研修が最も売れています。ロジカルシンキング、ロジカルコミュニケーションです。

 でも、残念ながら元になっているものがマッキンゼー等のコンサルティング会社から来ています。その外資系コンサルティング会社で使っていたものがベースになって、それが日本中に広がっています。残念ながら簡単ではありません。本人が必死で習得したとしてもチームに伝えられません。それでは広がらないですよね。過去数10年、ずっとそういう研修が売れ続けていますけれど、まったく日本人がロジカルになっている気がしません。

 なので、もっとシンプルにしよう。究極はこれだけです。重みと差です。だいたい、「他に比べてこんなにすごいのだ」という主張は差しか言っていません。でも、そのすごいことは、例えば、「CMが素晴らしいのだ」といったとき、その商品が売れるのにCMはダイジなのでしょうか。CMがダイジではないのだったら、いくらCMがすごいと言っても、掛け算してインパクトは生まれません。重みがゼロなら差がいくらあってもインパクトはゼロです。

 もう1つだけキーワードがあります。それが「DMU(Decision Making Unit...
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