〈続〉認知バイアス~その仕組みと可能性
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
思考のバイアスを理解するために知るべき3つのタイプ
〈続〉認知バイアス~その仕組みと可能性(3)思考のバイアス〈前編〉
鈴木宏昭(元青山学院大学 教育人間科学部教育学科 教授/博士(教育学))
私たちは思考することによって未来の予測や他者とのコミュニケーションを可能にしているが、実はそこにもさまざまなバイアスが潜んでいる。今回は、「思考のバイアス」の理解を深めるために、まずは思考の分類について確認する。(全5話中第3話)
時間:6分20秒
収録日:2023年1月23日
追加日:2023年4月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●情報の「カテゴリー化」を経て思考が始まる


 こんにちは。鈴木宏昭です。今回、認知バイアスについてお話をしましたが、特にその中でも思考に焦点化して、思考におけるバイアスをご説明したいと思います。

 これは左下に書いてある「認知バイアス入門」という番組を「10ミニッツTV」でつくりまして、そのときに詳しく説明したものなのですが、今回、認知というものがどういうものなのかということのイメージを持っていただくために簡単に説明します。

 世界は情報を発信します。そうすると、そのうちの一部に私たちは注意を向けて、それを知覚します。そしてその情報の一部が記憶に行きます。ここで言っている記憶というのは、思い出という意味ではなくて、頭の中の作業場です。専門的にはワーキング・メモリーと言いますが、そこに送られます。そうすると、そこでいろいろな認知処理が進んでいきます。最初に行われるのは「カテゴリー化」です。目の前にあるものが発する情報で、目の前のものはマグカップだとか、ペットボトルだとか、マウスだと分かりますよね。これはカテゴリー化という心の働きによるのです。

 そして、このカテゴリー化がなされると、そこから思考が始まります。思考は、目の前のものを見て、どういうことを行おうかというプランを立てたり、これからどういうことが起きるだろうかという予測をしたりといったことを行います。そして、いわゆる「考える」ということです。そしてある場合には、自分が考えた内容を、言語などを用いたコミュニケーションによって他者に伝え、そして他者と何か一緒に仕事や、作業をするということが起きたりするかもしれません。

 この認知のいろいろな段階全てに「バイアス」と呼ばれるものが関係します。ここには代表的な、赤字で書いたものは代表的な認知バイアスと呼ばれるものなのです。今回はまず、思考におけるバイアス、特に「確証バイアス」というものに焦点を当てて説明して、その後、因果推論についても簡単に説明していきたいと思います。


●目的によって区別される思考の3タイプ


 日常語では一言で「思考」といいますが、そこにはいろいろなタイプがあります。大まかに分けると、問題解決、意思決...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(6)江戸時代の藩校レベルを分析
史料読解法…江戸時代の「全国の藩校ランキング」を探る
中村彰彦
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀