〈続〉認知バイアス~その仕組みと可能性
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
代表性ヒューリスティック…差別や偏見につながるバイアス
第2話へ進む
非合理なのに誰もがハマる「概念のバイアス」とは
〈続〉認知バイアス~その仕組みと可能性(1)概念のバイアス〈前編〉
鈴木宏昭(元青山学院大学 教育人間科学部教育学科 教授/博士(教育学))
私たちは日々、さまざまな情報を処理し、判断や思考をしている。そのプロセスを支えるのが、経験から通して得られる概念の知識と、それを用いて情報をカテゴリー化する認知機能である。しかし、人間にとって基本的であるこれらの機能にはバイアスが潜んでいる。今回はまず、多くの人が非合理的に陥る「連言錯誤」について、設問を通して解説する。(全5話中第1話)
時間:14分04秒
収録日:2023年1月23日
追加日:2023年4月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●情報のカテゴリー化を支える「概念」の機能


 こんにちは。鈴木宏昭と申します。今日は「認知バイアス」という話をしますが、認知バイアスの話はすでに2つのトピックについて収録されております。今日は認知バイアスの中でも「概念」というものに焦点を当ててお話を進めていこうと思います。

 これは認知の図式というものです。詳しいお話は左下の「誰もが陥る認知バイアスとは何か」ということで、前回の「認知バイアス入門」という意味でのシリーズ講義である程度詳しくお話ししています。ですので、今回は軽くお話をしていきます。

 まず世界から情報が入ってきます。そうすると私たちはその中の一部に注意を向けて、それを知覚します。そのうちの一部が記憶というところ、記憶といっても、いわゆる思い出という意味での記憶ではなくて、頭の中の作業場なのです。これを専門用語では「ワーキング・メモリー」というのですが、そこに伝わります。そこに伝わった情報がどういう情報なのかということを判断するプロセスがあります。これが「カテゴリー化」です。このカテゴリー化を支えているのが「概念」です。目の前のものがどういうものかということが分かると、そこから自分は何をしようかとか、プランを練ったりとか、何かこれからこういうことが起きるのではないかというような予測をしたりとか、そういう思考のプロセスが入ってきます。そして、あるときにはその内容を他者に言語的なコミュニケーションを通して伝えて、他者と共同するというような流れがあると思います。

 この全てのプロセスに、有名な認知バイアスが関与しているのですが、今日はその中でも、概念・カテゴリー化における認知バイアスである「代表性ヒューリスティック」に焦点を当ててお話をしていこうと思います。


●非合理的なのに誰もが陥る「連言錯誤」


 最初に問題を解いていただきます。こういう問題です。「リンダは独身で31歳の率直な女性である。彼女は大学で哲学を専攻して、社会正義の問題に関心がある」。こういう記述が与えられます。その後に、実験に参加した人たちは、リンダが銀行員である確率、それからリンダがフェミニストの銀行員である確率の2つを書いてくださいというようなことを言われます。この問題は非常に有名な...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(7)領国経営と秀長の統治能力
想像以上に有能――領民に慕われた秀長のリーダーシップ
黒田基樹
「進化」への誤解…本当は何か?(5)ダーウィンの生物紀行
ダーウィン「進化論」執筆の背景…娘の死と信仰との決別
長谷川眞理子
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文