〈続〉認知バイアス~その仕組みと可能性
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
代表性ヒューリスティック…差別や偏見につながるバイアス
〈続〉認知バイアス~その仕組みと可能性(2)概念のバイアス〈後編〉
鈴木宏昭(元青山学院大学 教育人間科学部教育学科 教授/博士(教育学))
なぜ多くの人が、「連言錯誤」といった非論理的な推論をしてしまうのだろうか。そこには、経験の少ない、あるいは馴染みのない概念への判断に潜む「代表性ヒューリスティック」というバイアスが深く関わっている。差別や偏見にもつながりかねないこのバイアスの原因や危険性を掘り下げる。(全5話中第2話)
時間:14分41秒
収録日:2023年1月23日
追加日:2023年4月14日
カテゴリー:
≪全文≫

●経験の少ないカテゴリーへの判断に潜む「代表性ヒューリスティック」


 非常に多くの研究者が概念とは何かということをずっと研究してきています。いろいろな学説があるのですが、多くの教科書に書かれていることをここでご紹介します。概念というのはプロトタイプとして心の中に存在しています。つまり、多くの事例が共通に持つ特徴のようなものなのです。あるいはそういう多くの事例が共通に持つ特徴をいっぱい持っているような事例などです。要するに、それっぽさ、それらしさみたいなものを表すものなのです。

 こういう研究をやるときに、よく私たちは「事例を列挙してください」というようなことをやるのです。そうするとプロトタイプに近いようなものほど最初に出てくるのです。例えば、果物をできるだけたくさん、早く挙げてくださいと言われたときに、最初にキウイ、2番目にパイナップルという人はあまり多くいないでしょう。リンゴ、ミカン、モモ、ナシ。似たような形をしていて、大きさもほぼ似ています。そういうものが果物のプロトタイプみたいなものになっているわけです。

 そして、私たちが持っている概念の形としてのプロトタイプと目の前のものが一定以上類似していれば、その目の前のものは、そのプロトタイプが表すカテゴリーのメンバーであると、カテゴリー化するわけです。丸っこい、ちょっといい匂いがするようなものがあると「果物かな」と思ったりするわけです。要するに、プロトタイプとの類似性というものがカテゴリー化というものを支えているわけなのです。

 そして、時計であるとか、あるいは果物、犬など、日常的な概念は、最初に申し上げたように、それについてのものすごくたくさんの経験をしているわけです。ですから、概ね正しいカテゴリー化ができるわけです。ミカンを見て大根だとか、そういう間違いをする人はどこにもいないわけです。

 しかし、私たちが出会うものは、いつでも私たちが大量の経験を重ねてきたものとは限りません。そういうときに働くのが代表性ヒューリスティックというものなのです。そのカテゴリーに属するプロトタイプではなくて、代表例です。代表例をプロトタイプの代わりに使って、それとの類似度というもので目の前のものが何かとか、どんな働きをするの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
イーロン・マスクの成功哲学(1)マスクが「世界一」になるまで
イーロン・マスクは何がすごい?生い立ちと経歴
桑原晃弥
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(1)ChatGPT生みの親の半生
OpenAI創業者サム・アルトマンとはいかなる人物なのか
桑原晃弥

人気の講義ランキングTOP10
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(2)開国の是非と将軍継嗣問題
「尊王攘夷か佐幕か」…天皇絶対主義に結びつく厄介な問題
山内昌之
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
「ホメロス叙事詩」を読むために(5)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
老子の神髄(7)『老子道徳経』「去用第四十」
緊張や怒りをコントロールするには?老子に学ぶ精神と肉体の関係
田口佳史