会社人生「50代の壁」
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
サラリーマンも「SDGs」を――持続可能な暮らしとは
第2話へ進む
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
人生の中で、さまざまな決断を迫られる50代。特にサラリーマンはその先の生き方について考えさせられる時期だ。作家・江上剛氏も、大きな「50代の壁」にぶつかり、人生が大きく変わったと言う。1997年に起こった第一勧銀総会屋事件の経験を踏まえ、50歳からの身の振り方、考え方について語る。(全5話中1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分54秒
収録日:2021年8月31日
追加日:2021年11月9日
≪全文≫

●「人生には“9の坂”がある」


―― 皆さま、こんにちは。本日は作家の江上剛先生に、「会社人生における50代の壁」についての講義をいただきたいと思います。先生、どうぞよろしくお願いいたします。

江上 よろしくお願いします。

―― 会社の中で50代というと、その先の身の振り方を含めて、いろいろな決断を迫られる時期だと思います。江上先生も49歳で銀行をお辞めになりました。

江上 そうですね。私は第一勧業銀行(現在のみずほ銀行の前身)に勤務していまして、49歳で辞めました。

 辞めたときの話を少しさせていただくと、1997年に第一勧業銀行に「総会屋」――ベースは暴力団のようなものです――への利益供与が発覚し、大きな事件となりました。私はその問題解決や銀行内の体制整備に当たっていたのですが、その中で第一勧業銀行は日本興業銀行、富士銀行と経営統合することになったのです。

 総会屋事件では、私の尊敬する人が責任を取って逮捕されたり、お辞めになったり、宮崎邦次さんという大変素晴らしい経営者が自殺されるといった流れがありました。その反省を、まだ十分にしていないのではないかという思いが、私の中に非常にありました。

 そのときに経営統合となったのです。統合の際も、それぞれの派閥といいますか、出身銀行の論理といったものが非常に表に出たものですから、私は少し疲れてしまい、失望感もあって、会社を辞めようと思うに至りました。それが49歳です。

 「人生には“9の坂”がある」とよく言われます。9が付く年齢が節目となる。ですから49歳の坂(壁)も、なんとかそれをうまく乗り越えられれば、あるいは乗り越えられなくても少し迂回できれば、(無事に)50歳を迎えられるわけです。

 私は大学を卒業して銀行に入り、普通に銀行員として全うするつもりでいました。ところが、50歳を直前に「49(歳)の壁」にぶつかり、後先を考えずに退職することになりました。そして、運良くいろいろな人に助けられて、作家になることができたのです。


●「まさかの坂」、たった一日で人生が変わることもある


江上 そして50歳になると、今度は60歳に向かって歩み出します。ところが、56歳のときに日本振興銀行が経営破綻し、日本初のペイオフ(預金者の元本1,000万円とその利息までしか補償しない)が発動されました。その経営責任を取ることになったのです。私は社外役員...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
編集部ラジオ2025(31)絵で語る葛飾北斎と応為
葛飾北斎と応為の見事な「画狂人生」を絵と解説で辿る
テンミニッツ・アカデミー編集部
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ