サントリー流「海外M&A」成功術
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海外ビジネスこそ、頼れる人脈と味方が大切だ
サントリー流「海外M&A」成功術(4)「人の力」の重要性
経営ビジネス
新浪剛史氏がビーム社との統合を的確に進めることができた背景には、「頼れる人脈」があったことが大きかった。人脈は、新浪氏がハーバード経営大学院に留学していた折の友人から、サントリーがビーム社を買収した後にアプローチした専門家まで多岐にわたった。経営文化が違う会社を統合するからこそ、現地国や現場を熟知した人びとの親身の助言や助力が、何より有効なものとなるのである。(全7話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:7分35秒
収録日:2019年3月25日
追加日:2019年8月8日
≪全文≫

●信頼できる人脈からいろいろ教えていただいた


新浪 実は、その背景には、私の友人のロサンゼルスの日系3世や、いわゆるジャパニーズアメリカンの人たちと大変親しくさせていただいていて、そこをサントリーが少し応援しているということがありました。そこのトップクラスの人たちが、今回の件を非常に心配してくれたのです。私には、日本ではサントリーのスタッフがいて、日本のことは分かるし、教えてくれる人もいます。しかし、アメリカやヨーロッパのお酒の事情は、私たちも分かっていません。とりわけアメリカ市場は重要で、どうやっていけばいいのか、お願いして、アドバイザーを紹介してもらったのです。この人たちから学ぶところが、非常に多くありました。ビーム社のことも研究していて、先ほど申し上げたようなことは、もう全て言い当てて、「あのままやっていたら、ただ短期的に収益を得て、皆、売買するだろうなと見ていた」と言われました。

神藏 全部、利益に変えてしまう。

新浪 いろいろなサジェスチョンをもらい、マットCEOにぶつけてみると、「なぜそんなことも知っているんだ?」と大変驚いていました。「こういうレポートもあって、分析もやって」と言うと、彼は「それを見せてくれ」言うので、「それは私のネットワークで内々にもらっているものだから、駄目だ」と答えました。やはりこちらも理論武装をしていかないと勝てないのです。ですから、私のネットワークで信頼のできる人たちを紹介してもらって、そういう方々が支援してくれたということがあったのです。

神藏 でも、この成功は、やはり新浪さんがこれまでに培われてきた人脈地図があったからですよね。

新浪 そうですね。大変ありがたいことです。

神藏 もしその地図がなくて対処されることになっていたら、ものすごく大変でしたよね。

新浪 そうですね。以前、三菱商事で給食会社(ソデックスコーポレーション、現LEOC)の社長を任された際も、相手はフランスの会社でした。7年間社長をやり、結果的に非常にうまくいきました。もちろん、資金を出したのは三菱商事でしたが、向こうのソデックスの社長を紹介してくれたのも、ハーバードの時の親友でした。

 あとはダボス会議など、そういったところのネットワークは、今々は生きないにしても、将来、何かあったときは、友人関係になっているがゆえに、フィーベースではな...

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