グローバル環境の変化と日本の課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
悪循環を壊すラストチャンス、攻めの経営への4つの兆候
グローバル環境の変化と日本の課題(4)攻めの経営に向けた構造変化
石黒憲彦(独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)理事長)
我慢の経営から攻めの経営へ――この30年間で染み付いた日本企業の我慢の経営体質。これからのグローバル経済に対応するためには、攻めの経営に転じる必要がある。その呼び水となる兆候はすでに出てきている。今起きつつある日本企業の4つの構造変化について、増加の兆しをみせている対日投資の状況と合わせて解説する。(全6話中第4話)
時間:9分12秒
収録日:2025年1月17日
追加日:2025年3月25日
≪全文≫

●「攻めの経営」につながる企業文化の構造変化


 (攻めの経営に向けて)いくつかいい兆候が出てきていると思っています。

 1つは、大企業の中でオープンイノベーションとか、M&Aに対しての抵抗がなくなりました。昔は自前主義というものがはびこっていて、どの大企業も、何でも自分のところでやるのが傾向でした。それが今や、何かいい買い物はないかと、どの大企業もM&Aを狙っています。時間を買うという感覚がすごく出てきていて、かつ、そのオープンイノベーションを、例えばスタートアップと一緒にやるとか、企業同士が連携しながらやるというようなことも、相当今、当たり前になってきたというのがまず大きな変化です。

 私はこの手の日本の企業を見ていて、そのへんは岩盤のようにあった習慣なのですけれど、これが完全にこの10年間で壊れたと思っています。要するに、M&A、オープンイノベーションが当たり前になったというのがまず第1の構造変化です。

 それから第2の構造変化は、優秀な学生が大企業や役人にならなくなりました。自分で言うのもなんなのですけれど、役人の人気がドンドン下がって、その代わりにスタートアップをやるような学生が増えてきました。(東京大学の)藤井総長にお聞きすると、今東大でも600ぐらいのスタートアップがあるのです。大学の先生もスタートアップの役員の名刺をお持ちなので、本当に驚くのです。それから、若い学生が社会問題の解決のために自分はスタートアップをやるといって宣言をして、どんどんスタートアップをするのです。

 経産省時代の2000年頃に新規産業課長というポストがあって、私はそこでベンチャービジネスの振興のようなことをやっていたのですけれど、あの頃を覚えておられるでしょうか。ITバブルがあった頃なのです。それでIT系のベンチャーの経営者というのは、あのときはいたのです。けれど、あの頃はディープテックのスタートアップはまったく皆無でした。

 でも今は、ディープテックのスタートアップ、要するに化学だとか、ライフサイエンスだとか、それからアグリテックだとか、フィンテックだとか、そういったところのいろいろな分野で、テクノロジーを持ったスタートアップがゴロゴロ出てきているというのが第2の構造変化です。

 これも非常に頼もしいなというように私自身は思っていま...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「ホメロス叙事詩」を読むために(5)『イリアス』の世界ーその1
叙事詩イリアス…トロイア戦争最後の50日間を描いた傑作
納富信留
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(1)悩みの99%は他者との関係性
「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい
田村潤
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎