●健診結果を現在の「病気の有無」に活用するだけでいいのか
皆さん、こんにちは。大阪大学、野口緑です。今日は「健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと 健康管理の新たな考え方5カ条」についてお話をしていきたいと思っています。
皆さんは、年に1回健康診断(健診)を受けていらっしゃる方が多いのではないかと思います。あるいはリタイアをされた後でも、市役所やいろいろなところで健診を受ける機会があるかと思うのです。皆さん、健診結果をどのようにご覧になっていらっしゃるでしょうか。
これまでの健康管理、健康診断を受けた結果を、どのように捉えていたかといいますと、一般的には各検査項目を、例えば身長や体重やお腹まわり、今は健診で測るということが一般的なのですけれど、これが基準を超えていると、肥満症という病気かどうか。あるいは血圧が基準を超えていて、(例えば)140の90を超えると、高血圧症という診断がつくという段階に入ってくるのですが、そうすると高血圧という病気かどうか。
さらには、肝機能検査で基準を超えていると、肝臓病あるいは血中脂質、コレステロールや中性脂肪などが高いと脂質異常症かどうか。あるいは血糖が高いと糖尿病、尿検査が悪ければ腎臓病、心電図の検査に引っかかれば心臓病ではないかと、それぞれの検査結果をある病気に紐づけて、その病気があるかないかと判断をするというのが、これまでの一般的な健康診断の結果の見方だったのではないかと思います。
皆さんも、そういった病気があるかないかという観点で健康診断を受けておられたのではないかと思います。こういった健康診断の結果の取り扱い方、見方というのは、今、そういった病気があるかどうかということは分かるのですが、これから先、5年後、10年後に皆さんのからだに何が起こりそうなのかということは実は分からないのです。
そういう観点で考えたときに、本当にそういう見方だけでいいのかどうかということを少し考えてみたいと思います。
●さまざまな病気に共通する血管の問題
多くの方々に、「今、いちばんなりたくない病気はどういった病気ですか?」とお聞きすると、多くの方が、もちろん、脳卒中や心筋梗塞...