健診結果から考える健康管理・新5カ条
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メタボリックシンドロームを単なる肥満と侮ってはいけない
健診結果から考える健康管理・新5カ条(6)メタボを侮ってはいけない
健康と医療
野口緑(大阪大学大学院医学系研究科 公衆衛生学 特任准教授)
「メタボリックシンドローム」を単なる肥満と侮ってはいけない。内臓脂肪が蓄積すると、血糖値や血圧の上昇を招き、さまざまな健康リスクを高めることになってしまう。自覚症状のないまま血管障害が進行するリスクの上昇を防ぐためには、健康診断での腹囲の数値が重要だ。今回は、内臓脂肪がたまるとどんなリスクが生じるかについて解説する。(全7話中第6話)
時間:10分35秒
収録日:2025年1月10日
追加日:2025年5月20日
≪全文≫

●内臓脂肪がたまることの何が問題か


 では、最後に第5条です。「血管をより長く守る時代の健康管理の考え方」第5条は、「『メタボ』を単なる肥満と侮ってはいけない」というお話をしたいと思います。

 先ほどのチャートでいくと、内臓脂肪の蓄積はいちばん下、潜在的に血管障害を進行させてしまうという段階になるわけなのです。よく見ていただくと、内臓脂肪から矢印が出ていることが分かっていただけると思います。内臓脂肪がたまっているということが次の引き金を引いて、血圧や血糖を上げたり、尿酸値を上げたりということにつながってくるのです。あるいは肝機能を上げたり、中性脂肪を上げたりということにつながってくるということが分かっていただけるのではないかと思います。

 内臓脂肪とはどういうことかというと、肝臓や心臓につく脂(あぶら)のことではありません。内臓や心臓につくあぶらは「異所性脂肪」といわれるのですが、それは内臓脂肪とはいわずに、腸間膜という腸をぶら下げている膜があるのですが、そこにたまっていくあぶらのことを内臓脂肪といいます。

 この(スライドの最上部右の2つの)写真で見ていただくと、上にポコッとへこんでいるところがおへそを表していますが、右側はそのおへその内側のところに、ヒモのように丸く囲われている、これが腹筋なのですけれど、その外側が厚い。これが皮下脂肪です。

 そうではなくて、そのヒモのようになっている腹筋の内側のところ、そこの面積が大きい、腸の周りにアブラがついている。これが内臓脂肪になるわけですけれど、この面積が大きいというのが内臓脂肪の蓄積です。皮下脂肪が少々厚くても、それほど悪さはしないのですが、内臓脂肪が大きくなってくると、さまざまな悪さを起こしてくるということになります。

 これ(スライドの最上部一番左の写真)は大阪大学名誉教授の松澤(祐次)先生からお預かりした大事な内臓脂肪の写真なのですけれど、ちょうどお腹の手術をしているとき、ご本人にご承諾をいただいた上で撮られている写真です。こういったように、ブラブラと腸間膜にぶら下がっている、これが内臓脂肪です。

 本来は、食べすぎたときにあぶらを備蓄します。先ほど中性脂肪...

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