内側から見たアメリカと日本
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
第2話へ進む
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
アメリカは一体どうなってしまったのか。今後どうなるのか。重要な同盟国として緊密な関係を結んできた日本にとって、避けては通れない問題である。このシリーズ講義では、ほぼ1世紀にわたるアメリカ近現代史の中で大きな結節点となっているトランプ主義を中心に、経済と政治の両面からの変化を探っていく。第1話は「ラストベルトをつくったのは誰か」ということで、雇用が失われたアメリカの労働者たちを生み出した背景について解説する。(全7話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
時間:11分57秒
収録日:2025年9月2日
追加日:2025年11月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●先の見えない「ラストベルト」の労働者たちに響いたトランプの言葉


―― 今日はどうもありがとうございます。

島田 どうぞよろしくお願いします。

―― これだけの短期間に、これだけ長文のレジュメを作っていただいて、ありがとうございます。この中でまず最初に聞きたいのが、先生の書かれた「Rust Beltをつくったのは誰か」という章です。非常に面白かったですね。

島田 そうですか。

―― そのあたりの解説から入っていただいてよろしいでしょうか。

島田 全然いいですよ。“Rust Belt”という言い方は、皆さんよくご存じだと思いますが、“Rust”というのは「錆びる」という意味ですね。

―― はい。

島田 それは工場街のことで、いい時代にはピッカピカの自動車工場や鉄鋼工場が生産活動をしていたけれど、あるときから錆が目立ち出した。もう工場が機能していないのです。それがどのあたりかというと、五大湖周辺の相当広い地域です。そこには鉄工所がいくつもあって、自動車工場もたくさんあって、デトロイトなどもその一つです。そこがラストベルトになってしまった。

 そこで働いている労働者の仕事がない。あったとしてもすごい低賃金です。そのような、本当に先がないという状況があったのですが、そこの票をかき集めて大統領になったのが第1次政権のときのトランプ氏なのです。

 トランプ氏は第1次政権を獲得する1年前までは共和党員ではなかった。ですから…。

―― すごい話ですね。

島田 そうです。共和党員になったときの対抗馬はヒラリー・クリントン氏でしたが、そのときに、スティーブ・バノンという男が彼のアドバイザーになった。彼はハーバード(大)出身のかなりシャープな男です。彼がトランプ氏をずっと見ていて、「おやじさん、やれるよ」「ヒラリー・クリントンなら、おやじさんなら勝てるよ」と言った。

 どういうことかというと、ヒラリー氏はものすごく有能な女性ですから当然、女性初の大統領になるだろうとアメリカ中が期待していた。ところが、ヒラリーについてはこういう言い方がありました。“Limousine candidate”(リムジン・キャンディデート)という言い方です。「Limousine」というのは、高級な大型のキャデラックのリムジンのことで、それで演説会場に乗り付ける。乗り付ける前には、自家用機で近くの空港に降りています。

 なぜ、クリントン家はそん...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(5)「3つ」で組まれた構造分析
驚くほど似ているギリシアの『オデュッセイア』とインドの『マハーバーラタ』…その謎に迫る
松村一男
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
司馬遼太郎のビジョン~日本の姿とは?(5)移動と破壊と自由の実現
徳川家康ではなく織田信長…司馬文学が描く「別の可能性」
片山杜秀