日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
カーボンニュートラル社会に必要な「発想の逆転」とは
第2話へ進む
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
岡本浩(東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長執行役員最高技術責任者/スマートレジリエンスネットワーク代表幹事)
「カーボンニュートラル」に代表されるように、持続可能なエネルギー活用を目指す動きは世界的に加速している。特に東日本大震災以降、日本でもエネルギー問題は課題となっている。では日本は、どのようなエネルギー戦略を構築していくべきなのだろうか。まず今回は、エネルギーと産業革命の関係を歴史的にひも解きながら、電動化によって、まったく新たな姿のモビリティやロボットなどが、あたかも「カンブリア爆発」のように次々と現れてくる未来の姿について解説する。(全9話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分53秒
収録日:2024年2月7日
追加日:2024年4月13日
≪全文≫

●産業革命とエネルギーの関係は密接不可分


―― 皆さま、こんにちは。本日は岡本浩氏に「エネルギーとデジタルとモビリティの融合でどのような未来が開けるのか」というお話をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

岡本 よろしくお願いします。

―― まず最初に、そもそも産業革命とエネルギーの関係(について)お話いただくということなのですが、やはりそれでずいぶんと変わってきているということになりますね。

岡本 そうですね。エネルギーは、ずいぶん長い歴史の間に転換が行われてきたのですけれど、実は産業革命と密接不可分といいますか、産業革命が起こるたびにエネルギーが切り替わってきたという歴史があります。なので、おそらくこの後も産業革命と、今は「カーボンニュートラル」といっていますけれど脱炭素化が同時に起きていくのだろうと思います。

―― 今ちょうど図を示していただいていますけれど、これをご説明いただくとすると、当然、いわゆる教科書で学ぶ産業革命の時期は、蒸気機関と石炭だったというところですね。

岡本 はい。教科書だと「第1次産業革命」として非常によく取り上げられているのですけれど、その時期に石炭を使い出して、第2次産業革命の後ぐらいから石油が使われるようになりました。その時に自動車の大量普及(モータリゼーション)が始まって、その他いろいろな産業がこの時期に生まれたということがありました。非常に多彩な内容ではあるのですけれど、ある部分に絞って第2次産業革命を見てみると、これから起きることへの示唆が得られるのではないかと思っています。

 「自動車が普及し始めた」ということを申し上げたのですけれど、実は同じ時期に電気も普及を始めていました。エジソンとヘンリー・フォードは同時代の人だったということで、私は、最初それは偶然なのだろうと思っていたのですけれど、よくよく調べると実は偶然ではない、というところからお話しさせていただきたいと思います。


●「自動車の大量生産と電気の普及が同じ」は偶然ではない


 この絵を見ていただくと、左側が第2次産業革命前夜の工場で、蒸気機関を薄く楕円で囲んでいますけれど、その中に非常に大きな...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(2)秀吉の実像と「太閤神話」
秀吉・秀長の出自は本当は…実像は従来のイメージと大違い
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保