日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像
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EVが電気を運ぶ…モビリティの変化と非常時のレジリエンス
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(6)モビリティとエネルギーの融合
岡本浩(東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長執行役員最高技術責任者/スマートレジリエンスネットワーク理事)
現在、電気自動車(EV)の開発、普及が急速に進んでいる。それはつまり、道路上で車が電気を運んでいるということを意味する。これからのサステナブルな電力供給を考える上で、この状況は重要な意味を持っている。リアル空間のモビリティが、電力供給網やデジタルインフラといかにして連携し、「サイバーフィジカル融合」を実現し得るかを解説する。(全9話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分28秒
収録日:2024年2月7日
追加日:2024年5月18日
≪全文≫

●車が電気を運んでいるという状態が意味すること


―― 続きまして、モビリティです。ここはどのようなお話になりますでしょうか。

岡本 モビリティの世界が電動化していくということで、非常にここは大きな変化が生まれるでしょう。

―― モビリティですから、いわゆる自動車とか、そういうイメージですね。

岡本 そうですね。例えば自動車です。バイクでもロボットでも何でもいいのですけれど、ドローンもそうですね。そういったものはこれからバッテリーを積んでいくわけです。そうすると、面白いことが起きる。車は人とか、物を運んでいるけれど、一緒にバッテリーも運んでいる。そうすると、そのバッテリーに電気が入っていますので、ある意味で電気も運んでいるということです。

―― はい。

岡本 そういう位置づけになってしまうのです。この(スライドの)絵で見ていただくと、3つのネットワークを重ねて描いているのですけれど、電気のネットワークとオレンジで描いている道路のネットワークがあって、そういうものを両方つなぐ通信ネットワークがあると思います。道路のネットワーク上で電気が運ばれているという、いまだかつてない状態が生まれてくるのです。「道路が電気を運ぶのか」ということで、そうなると、グリッドそのものではないのですけれど、近い関係を持つようになります。

 例えば、地震であるとか台風でいろいろな設備が壊れて停電してしまうといったときに、私どもは発電車というものをお客様の近くまで派遣して、そこで発電してお客様に電気を届けるということをやっています。すでに発電機を道路沿いで運んでいるので、今でもあるといえばあるのですけれど、EVが普及してくると、そういったものがすごく普通にあちこちにある状態になるのです。

 電気が足りない、あるいは途絶えてしまっているという場所に、道路の上とか、ドローンだと飛んでしまうかもしれませんけれど、そういうものを使ってバッテリーを運べば、バッテリーですから限りはありますが、いったん電気が使えるということになるので、非常時のレジリエンスが非常に上がるのです。

 これもエネルギーを分散していくことのメリットだと思うのです。だから、EVが電気を運ぶ道具にもなっているということを考えると、道路と電気のネットワークはすごく近い関係がある...

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